メモ

ハロウィンがもたらす驚きの経済効果、お菓子やペットの仮装に億単位の消費

by JasonTromm

10月31日のハロウィンはもともとケルト人の風習でしたが、現在ではアメリカやカナダをはじめとした欧米諸国に広がりを見せているお祭り。カボチャをくりぬいたランタンを持ち、魔女やオバケに仮装した子どもたちが「トリック・オア・トリート(お菓子をくれないといたずらするぞ)」と唱えて近所の家を訪ねてまわります。

現在のハロウィンは、宗教に関連した行事というよりは一大仮装イベントとしての意味合いが強く、経済にもたらす影響はかなりのもの。アメリカではハロウィンの際に特定の商品に対する売り上げがあがる、いわば「ハロウィン特需」があるようです。


The Halloween Economy: $2 Billion in Candy, $300 Million in Pet Costumes - Jordan Weissmann - Business - The Atlantic

5 Surprising Halloween Health Hazards - Yahoo! News

全国小売連盟が予想するアメリカ全土で今年のハロウィンに使われる金額は、68億6000万ドル(約5196億5760万円)。その額だけを見れば大量消費が行われているように見えますが、2010年に年間を通じて祝日のために使われた金額は2280億ドル(約17兆2714億188万円)で、クリスマスに向けた消費だけで全体の6割を占めていたとのこと。そのため、ハロウィンにおける消費は「大海の一滴と言ってよい」と、IBISWorldの上級アナリストのNikoleta Pantevaさんは指摘しています。

全体から見たら少額であるとはいえ、ハロウィンにおける売り上げは特定の商品に集中しているため、関係する業界にとっては無視できない存在。ハロウィンのおかげで売れている商品もあり、その内訳は下記グラフのようになっています。それでは、各項目の詳細を見ていきましょう。


1:コスプレ衣装

by Justin Beckley

ハロウィンのために買われる商品の中で、最も大きな割合を占めるのが仮装のための衣装。全体の消費の36%が、この衣装の購入費に充てられていて、総額は約12億ドル(約909億220万円)。今年は吸血鬼やオバケなどといった伝統的な衣装のほかに、レディー・ガガのコスプレの需要も高まると予想されています。

撮影もできるニコン製カメラのコスプレ衣装を自作した人のような、既存の衣装では満足できないこだわり派の制作費を含めれば、金額はさらに大きくなりそうです。

2:ペット用の衣装


ペットをかわいらしく飾り立てたい飼い主の需要も高まっていて、衣装の売り上げは合計約3億ドル(約227億2555万円)にもなります。親が子どもの仮装にかける金額は10億ドル(約757億5183万円)なので、それに比べればまだ市場は小さいようです。

3:お菓子


国立甘味商協会(NCA)によれば、お菓子メーカーはハロウィンに年間販売額の8%を売り上げるとか。今年の売り上げに関して、NCAは昨年比1%増の22億7000万ドル(約1719億5666万円)という額が予想しています。

一方、IBISWorldは昨年より売り上げは下がると見ていて、予想額は18億1000万ドル(約1371億1081万ドル)。どちらにしても、売上額は消費の割合が多いはずのコスプレ衣装より多くなっています。ハロウィンの恩恵を最も多く受けているのはお菓子業界であることは間違いと考えられます。

4:グリーティングカードや装飾品


先ほども登場した上級アナリストのPantevaさんによれば、ハロウィンにおけるカードや飾りの売り上げは全面的に減少傾向にあるとのこと。しかし昨年度よりはやや持ち直すという見解を示していて、予想額は3億2000万ドル(約242億4058万円)としています。

おまけ:アルコール


ハロウィンは子どもたちがお菓子をもらいに家々をまわるというならわしのイメージのせいか、アルコールの消費量についての売り上げ調査や今年の売り上げ予想などは存在しなかったとのこと。しかし、大人たちの仮装にかける額の方が子どものそれより多額であることから考えても、一定以上の需要があることは予想されます。

月単位でのアルコール売上高を見てみると、10月は1年のうち4番目に酒類の購入量が多かったとのこと。1位は独立記念日がある7月、2位は感謝祭のある11月、そしてクリスマスなどの催しが多い12月は、意外にも3位でした。

◆ハロウィンがもたらす健康被害
ハロウィンはならわし上お菓子が重要な位置を占めるので、お菓子の食べ過ぎが問題になることがあります。リコリス菓子の食べ過ぎによる心臓発作や、ソルビトールの取りすぎのよる下痢などの危険が指摘されています。

また、仮装用の吸血鬼の義歯などに鉛が含まれていて、子どもが口に含むと有害であるなど、さまざまなところに懸念材料は転がっています。お祭りを楽しむのは当然ですが、健康に害を及ぼすほど羽目を外したり、考えなしに行動してはいけないということのようです。


日本でも東京ディズニーランドの「ディズニー・ハロウィーン」を筆頭に、テーマパークや雑貨店などでハロウィンにちなんだ催しや商品が行われるのは定番と化してきました。また、ハロウィンの仮装も広く受け入れられるようになりました。

海外のハロウィンのおどろおどろしい仮装はほとんどなく、魔女や動物のかわいらしい仮装が中心となっているなど、他国の文化でありながらすでに日本流にアレンジされている様子。クリスマスと同様に、ハロウィンも日本独自の文化に発展していくのかもしれません。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
大人が本気で作ったハロウィンのコスチュームいろいろ - GIGAZINE

ファラオコスプレからiPad犬まで、ハロウィンの仮装に身を包んだキュートな犬たち - GIGAZINE

ステキだったりヒドかったりするハロウィンのジャック・オ・ランタンいろいろ - GIGAZINE

in メモ, Posted by darkhorse_log

You can read the machine translated English article here.