試食

「カフェイン抜き」をスターバックスで注文する方法


市街地・郊外問わず全国展開しているコーヒースタンド「スターバックス コーヒー」では「カフェイン抜き」という注文が可能だという話を聞いたので、店頭で実際に注文してみました。

眠る前胃腸の調子が悪い時、女性であれば妊娠中、カフェインを避けるように言われています。そんな状況下で「どうしてもコーヒーが飲みたい」という欲求に駆られた時、スタバに立ち寄ってスマートに「カフェイン抜き」を注文するにはどうしたらいいかという手順を公開。そしてカフェインの有無でどれくらい味が変わるのか飲み比べも行いました。

スターバックスの店舗に到着。


入店すると目の前にはカウンター。レジに近づいたら、にこやかな店員がメニューを指し示してくれるはずです。普通の注文であればそれで問題ないですが、今回は「カフェイン抜き」という通好みの注文なので勝手が異なります。というのは、メニューのどこにも「カフェイン抜き」という選択肢が書かれていないからです。メニューを指し示せば何とかなるだろうなどと甘い考えでカウンターに立ってしまったなら、そこでゲームオーバーです。


カウンターで店員さんと差し向かい、口頭で「カフェイン抜き」の注文を交渉する自信がない人は、カウンターの前を華麗にスルーして店の奥にあるコーヒー豆が並んでいる棚へ行ってください。「カフェイン抜き」というのは店舗で特殊な方法を行うのではなく、もともとカフェインが抜けている豆を使ってコーヒーを入れることを指します。

このカフェイン抜きの加工行程をデカフェ(ディカフェ)と言い、コーヒーのみならずカフェインが含まれる食品全般に使われる手法。健康意識の高いアメリカを中心に、欧米で広く浸透している加工方法です。


コーヒー豆が並ぶ棚の前に立っていれば、多くの場合1分以内に店員さんが話しかけてきて、おすすめのコーヒーの試飲をさせてくれたり、豆の説明を始めたりします。そうなったらしめたもので、この写真に映っている青いパッケージの「ディカフェ コモド ドラゴン ブレンド」を指さし、「これをお店で飲みたいのですが」と言えばOK。

日本のスターバックスで「カフェイン抜き」が行われているコーヒー豆の銘柄は1種類だけ。「他の銘柄のカフェイン抜きをください」というのは無理な相談なので気をつけてください。また、キャラメルマキアートなど、スターバックスの多くのメニューに使われている「エスプレッソ」を「カフェイン抜き」の豆で作ることはできないとのこと。


今回は「どうしても特定の銘柄の豆のコーヒーを飲みたい」という需要を満たすための「プレスサービス」を利用して、カフェインの有無による味の違いを比較してみることに。豆をすべてこしとってしまうドリップコーヒーと異なり、プレスは豆の破片や豆の油が出て抽出液に残るため、どの豆を使っても味が濃厚になる傾向があります。


下の写真右側に写っているコーヒープレスという専用の器具にひいたコーヒー豆とお湯を入れ、上から押すようにして抽出するタイプの入れ方で、1杯ずつ違う豆で出して飲めるというわけです。ちなみに「プレスサービス」のことはメニューには書かれていません


左側がカフェイン抜きの「ディカフェ コモド ドラゴン ブレンド」(税込390円)、右がカフェインを含む「コモド ドラゴン ブレンド」(税込390円)。どちらも一番小さいショートサイズ(240cc)です。


まずは「カフェイン抜き」の方から飲んでみます。香りは薄く、飲み始めはうっすらと感じる程度だった苦みが、口の中を液体が通り抜けるころには舌を包み込んでいきます。これは「カフェイン抜き」の豆特有の物なのか断言はできませんが、飲みこんだ後、のどの奥にややピリピリとした痛みを感じたのが気になりました。


次に「カフェインあり」の方を飲んでみましたが、同じ銘柄の豆だとは思えないくらい風味が違います。香りやコク、そして砂糖を入れなくてもナッツのような甘みがあり、非常に豊かな味わい。ナッツ入りのチョコレートと一緒に食べたらとても合いそうです。


コーヒーは砂糖やミルクを加えることによって味ががらりと変わることもあるので、カフェイン抜きの方に白砂糖をどさどさと入れてみましたが、後に残るピリピリした感じは消えてくれませんでした。


次にレジカウンター横のスタンドに置いてある、セルフサービスの牛乳を入れてカフェオレにしてみました。しかしやはり両者の味の差は開いたまま一切縮まらず。カフェインを取り除く際に水や薬品に豆を浸すため、風味は落ちるといわれている「カフェイン抜き」の豆ですが、スターバックスの豆であってもここまで露骨に差が開いてしまうというのは予想外でした。


ここまでの流れをまとめ、入店後にレジカウンターへ直行しても、カフェイン抜きのコーヒーを注文できる方法をまとめてみました。

店頭でカフェイン抜きのコーヒーを飲む場合、今回試したプレスサービスの他に、ドリップコーヒーの機械で入れてもらうことも可能。コーヒーの味はドリップで入れた方がすっきりとしたものになります。また、ドリップコーヒーのショートが1杯300円、プレスサービスのショートが1杯390円と90円の価格差があるので、味の好みと懐具合を天秤にかけて、好きな方を選択してみてください。

1:スターバックスの店内に入る

2:レジカウンターへ行く

3:店員が差し出したメニューを一瞥もせず「ディカフェのショート(orトールorグランデorヴェンティ)を、プレスorドリップで入れてください」と言う

4:店員が「少々お時間かかりますがよろしいですか?」と返してくる(ドリップでもプレスでもかかる時間はおおよそ同じ。店によっては設備の関係で「出せない」と言われることもあるようです)

5:「大丈夫です」と言い切る

6:席についてコーヒーが入るのを待つ

7:コーヒーが運ばれてくる

8:ミッションコンプリート


店頭では異なる入れ方でしか飲み比べられなかったので、まったく同じ条件下で比較するために豆を買ってきました。編集部にあった「ネスカフェ ゴールドブレンド カフェインレス」も加え、3種類で飲み比べます。左から「ネスカフェ ゴールドブレンド カフェインレス」、カフェイン抜きの「ディカフェ コモド ドラゴン ブレンド」、そしてカフェインありの「コモド ドラゴン ブレンド」。


「ネスカフェ ゴールドブレンド カフェインレス」は香りの薄さと酸味が目立ったため、いきなり土俵の外へはじき出される形に。さすがにインスタントコーヒーとドリップコーヒーを戦わせるのは無理があったようです。

そこでカフェイン抜きの「ディカフェ コモド ドラゴン ブレンド」とカフェインありの「コモド ドラゴン ブレンド」を比較したところ、店頭で飲んだ時よりかなり両者の差は縮まっていました。コーヒーは普段飲まず特にこだわりもない編集部員は「ほとんど違いが分からない」とコメントするレベルです。さすがに香りやコクはカフェインありの方が勝っていましたが、カフェインが摂取できない時に飲むのであれば、カフェイン抜きの方でも十分コーヒー欲を満たしてくれます。


店頭で飲み比べをしていたところ、隣の席の男性が試飲のために小さなカップに入ったコーヒーを店員に勧められたものの、「カフェインが取れないので」と断って、自分で注文したノンカフェインの飲み物を飲んでいました。

また、店員に「カフェイン抜き」の注文が多いかどうか聞いたところ、「若い人が集まる地域にある店なので注文数は多いとは言えないが、頼む人は確実にいる」ということでした。なぜかメニューに掲載されていない「カフェイン抜き」のコーヒーですが、もっと積極的に存在をアピールし、いずれは誰にでも分かるよう、メニューにも頼み方やその存在を掲載してほしいです。

2015/07/27 10:25追記
スターバックスコーヒージャパン広報部 コンシューマーPR・FMチームからの連絡によると、

ディカフェのコーヒーと普通のコーヒーを飲み比べた際の感想で、「カフェインを取り除く際に水や薬品に豆を浸すため、風味は落ちると言われている。」とありますが、日本国内で販売しているスターバックスのディカフェコーヒーは薬剤を一切使用しておらず、スイスウォータープロセスという独自の方法で水のみ使用し、カフェイン除去しています。

とのことです。

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in 試食, Posted by darkhorse_log

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