メモ

「世界で最も優れた報道写真」と認められた作品いろいろ 2010年版


プロの報道写真家の活動を支援し広く世界に紹介することを目的としてオランダで1955年に設立された非営利団体「世界報道写真財団」が毎年主催する「世界報道写真コンテスト(World Press Photo Contest)」。今年は125の国と地域から10万8000点を超える作品を約5700人の写真家が応募しており、その中から54人の写真家が受賞しました。その受賞作は「世界報道写真展」として日本を含めた世界45カ国で展示されています。

以下に掲載する写真はその受賞作です。東京と大阪での展示は既に終了していますが、京都は2011年9月21日(水)~10月16日(日)、大分は2011年11月6日(日)~11月20(日)、滋賀は2011年10月18日(火)~11月3日(木)という日程で開催されますので、気になった人は足を運んでみることをオススメします。


※事故や事件を写した作品も多く、遺体の画像も含まれているので閲覧の際には十分に注意してください

World Press Photo
http://www.worldpressphoto.org/

世界報道写真展2011

◆「ポートレイト」の部:単写真

「『ポートレイト』の部:単写真」で1位を獲得し、同時に世界報道写真大賞2010も獲得したのは、南アフリカの写真家ジョディ・ビーバー(Jodi Bieber)さんがアフガニスタン人の女性ビビ・アイシャさんを写した作品。ビビさんは暴力をふるう夫の元から実家に逃げ戻りましたが、反政府武装勢力タリバーンによって「逃亡の罪」で刑を宣告されました。命令により夫の手によって耳と鼻をそぎ落とされたビビさんは、後に保護され、アメリカに渡ってからカウンセリングと再生手術を受けています。


2位の作品は「Sailors」。オランダの写真家Joost van den Broekさんによるものです。


3位は「Southern Sudan Challenges」。スペインの写真家Guillem Valleさんによる作品。


◆「ポートレイト」の部:組写真

1位は「The Last Colony」。作者はアイルランドのAndrew McConnellさんです。


2位は「Into the Light」という、ドイツのWolfram Hahnさんによる作品。


3位は「Fair Trade」。アイルランドのKenneth O'Halloranさんによるもの。


◆「ニュースの中の人々」の部:単写真

1位は「Kashmir Intifada」。インドのAltaf Qadriさんが撮りました。


アイルランドのSeamus Murphyさんがジュリアン・アサンジを撮った写真が2位です。


北朝鮮の総書記である金正日が、後継者の金正恩を見つめている写真が3位。香港のVincent Yuさんが撮影しました。


◆「ニュースの中の人々」の部:組写真

1位は「Pakistan Floods」。パキスタンで起こった洪水の被災者たちが救援物資を得ようとしている様子を、オーストラリアのDaniel Berehulakさんが撮りました。


インドネシアのKemal Jufriさんによる「Wrath of the Fire Mountain」が2位です。


3位はポーランドのFilip Cwikさんが撮った「National Mourning in Poland」。


◆「一般ニュース」の部:単写真

1位に輝いたのは「Haiti Aftermath」。こちらはイタリアのRiccardo Venturiさんによるもの。


チベットの僧たちが青海地震の被災者を集団火葬する様子を捉えた写真が2位に。中国のGuang Niuさんの作品です。


3位はアメリカのJavier Manzanoさんが、メキシコの麻薬戦争絡みでドライブ中に誘拐された男の遺体を撮った作品。


◆「一般ニュース」の部:組写真

フランスのOlivier Laban-Matteiさんによる「Earthquake in Haiti」が1位に。


2位は「Targeted Killings in Karachi」。イタリアのMassimo Berrutiさんが撮った作品です。


メキシコ人のFernando Britoさんが、メキシコのラカンピーナ付近で発見された遺体を写した作品が3位に。遺体は、人々が銃声を聞いて警察へと報告した直後に発見されました。


◆「スポットニュース」の部:単写真

1位を獲得したのはハンガリーのPéter Lakatosさん。写真は、ハンガリーのブダペストにある自由橋から40歳前後の男が体に可燃性の液体を塗りたくり、自らを燃やしてから飛び降りた瞬間です。自殺の動機は不明とのこと。


ハイチのDaniel Morelさんが、ハイチ地震によってがれきの下に閉じ込められた女性を救出するところを撮った作品が2位に。


3位はドイツで行われた一大音楽イベント「ラブパレード」で起こった圧迫による死傷事故を捉えた写真。ドイツのUwe Weberさんが撮りました。


◆「スポットニュース」の部:組写真

「『スポットニュース』の部:単写真」で2位を獲得したハイチのDaniel Morelさんが「Earthquake in Haiti」という作品で1位に。


2位はフランスのCorentin Fohlenさんによる「The Red Shirts’ Last Stand」。タイのバンコクで起きた反政府暴動の様子を撮っています。


中国のLu Guangさんの作品が3位。中国・大連港石油パイプライン爆発事故で汚染された周辺海域の原油を除去する作業にあたっていた大連消防支隊の消防士である張良さんが、海に転落して亡くなった後の葬儀や、転落事故などを写しています。


佳作として、ブラジルのAlexandre Vieiraさんによる「Wild West in Rio」が選ばれました。


◆「現代社会の問題」の部:単写真

1位はイタリアのMarco Di Lauroさんの作品「Niger, ‘Food Crisis’」です。


アメリカのEd Kashiさんが撮った「Agent Orange」が2位。オレンジ剤(枯葉剤)の後遺症を患っているベトナムの少女を写しています。


3位はイタリアのIvo Sagliettiさんによる「Srebrenica Massacre – 15th Anniversary」。


◆「現代社会の問題」の部:組写真

「Escape from Somalia」が1位。撮ったのはカナダのEd Ouさん。


アメリカのDarcy Padillaさんが撮影した「The Julie Project」が2位です。


3位は「Poor Choices」というアメリカのSarah Elliottさんによる作品。


ドイツのMichael Wolfさんが撮った「A series of unfortunate events」が佳作に選ばれました。


◆「日常生活」の部:単写真

ソマリアのFeisal Omarさんの作品が1位に。ソマリアの男がサメを担いで通りを歩く様子を写しています。サメは主に輸出用に捕られているそうです。


2位は「Couchsurfin’ Around the World」。作者はドイツのMalte Jagerさんです。


バングラデシュのAndrew Birajさんによる、急速に人口が増えている首都のダッカからイスラム教徒がイード・アル=アドハーを祝うために故郷へ帰ろうと電車に乗る様子を撮った作品が3位です。


◆「日常生活」の部:組写真

1位はオランダのMartin Roemersさんが撮影した「Metropolis」。


スペインのFernando Moleresさんの作品「Juveniles Behind Bars in Sierra Leone」が2位。


3位はデンマークのMads Nissenさんが撮った「In the Name of Victoria」。


◆「自然」の部:単写真

ドイツと南アフリカの写真家Thomas P. Peschakさんが、南アフリカのマルガス島でケープシロカツオドリを捉えた作品が1位に。


2位はドイツのReinhard Dirscherlさんがメキシコのユカタン半島沖でイワシを襲うニシバショウカジキを撮った作品。


「Journey to the Center of the Earth」が3位。作者はフランスのOlivier Grunewaldさんです。


◆「自然」の部:組写真

1位はアメリカのBenjamin Lowyさんが撮った作品「Oil on Water」。


2位は「Swan Serenade」という作品。作者はイタリアのStefano Unterthinerさん。


フランスのChristophe Archambaultさんによる「Living in the Shadow of Mount Bromo’s Wrath」が3位です。


◆「アート&エンターテインメント」の部:単写真

1位の写真は、中部アフリカ唯一の交響楽団に所属するJoséphine Nsimba Mpongoさん(37歳)がコンゴ共和国のキンシャサにてチェロを練習している様子を捉えています。アイルランドのAndrew McConnellさんが撮りました。


イタリアのDavide Monteleoneさんが撮った「Milan Fashion Week」が2位に。このファッションショーは、テレビタレントからファッションデザイナーへと転身したValeria Mariniさんによるものです。


3位は「Narco Cinema」。作者はイタリアのFabio Cutticaさんです。


◆「アート&エンターテインメント」の部:組写真

インドのAmit Madheshiyaさんが撮った「At a Tent Theater Near You」が1位です。


2位はイタリアのDaniele Tamagniさんによる作品「The Flying Cholitas, Goddesses of the Ring」。


3位の作者はイスラエルのAmit Sha'alさん。「Altneuland」という作品です。


◆「スポーツ」の部:単写真

1位は南アフリカのMike Hutchingsさんの作品。2010 FIFAワールドカップの準決勝でオランダの選手デミー・デ・ゼーウがウルグアイのマルティン・カセレスのキックを顔面に受けた瞬間を撮っています。


2位は闘牛士のJulio Aparicioさんが牛の角を受けている瞬間を捉えた作品。角は彼の喉に穴を開け、舌を刺し、顎を砕きましたが、彼は後に回復してリングへと戻っています。スペインのGustavo Cuevasさんが撮った作品です。


オーストラリアのSteve Christoさんがシドニーのマンリービーチで行われた水泳大会「Cole Classic ocean race」を撮った作品が3位。


◆「スポーツ」の部:組写真

1位は「SPORTS 2010」という作品で、作者はオーストラリアのAdam Prettyさん。


ポーランドのTomasz Gudzowatyさんが撮った「Mexico’s Car Frenzy」が2位です。


3位はオランダのChris Keulenさんによる「Giro d’Eritrea」。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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