JAXAで実物大の小惑星探査機「はやぶさ」を見てきた

JAXA(宇宙航空研究開発機構)の相模原キャンパスでは、ロケットや人工衛星の基礎開発・試験を行ったり、技術研究が行われたりしています。と同時に「キャンパス」という名前の通り、大学の共同利用機関として教育の場になっているほか、世界各国から研究者を受け入れて宇宙科学研究の拠点としても使用されています。
そんな相模原キャンパス研究・管理棟で映画「はやぶさ/HAYABUSA」製作発表会が行われたわけですが、ちらっと姿が見えていた通り、実物大の小惑星探査機はやぶさ(熱・構造試験モデル)が展示されています。
2010年に日本中で話題になったはやぶさ、近くで見るとどのような姿をしているのか、詳細は以下から。
JAXA相模原キャンパスの場所はココ、神奈川県相模原市中央区。相模原市立博物館の向かいにあります。
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施設名としては「独立行政法人 宇宙航空研究開発機構」の「宇宙科学研究所」だそうです。SF映画に出てきそう……。


構内にはさまざまな研究棟が並んでいます。

これが研究・管理棟です。

1階ではいきなりはやぶさがお出迎えしてくれます。

一瞬、デカくて何かさっぱり分かりません。

太陽電池の模様が見える面(機体上面)から見るとそれっぽい姿に。




これは何かというと実物大の「はやぶさ」の熱・構造試験モデル。実機を計算だけで作っていきなり宇宙に放り出すわけにはいかないので事前にいろいろな試験を行うわけですが、そのために作られたモデルです。

こういったモデルを使ってしっかりチェックしているからこそ、いろいろなトラブルに見舞われつつもはやぶさは無事帰ってこられたのかもしれません。

推進力を生むイオンエンジン。はやぶさに搭載されたのはμ10というエンジンで、設計寿命(1万4000時間)を越える運用が行われました。


当初の計画ではこの先端部分から弾丸を撃ち出してイトカワの破片をキャッチする予定で、結果的にここからの弾丸発射は失敗していたそうですが、結果的には紆余曲折を経て地球へサンプルを持ち帰りました。


光学航法カメラはカメラ3台と2つの回路で構成されています。

広角光学航法カメラ ONC-W1

望垣光学航法カメラ ONC-T

はやぶさに傍らにいたのは工学実験探査機ひてん。

1990年に打ち上げられ、月のスイングバイ実験や地球大気のエアロブレーキ実験を実施。1993年に運用を停止、最後は月のクレーターに落下・衝突させて計画終了となりました。



これが衝突直前の月面写真。

こちらははやぶさを打ち上げたM-Vロケット5号機(の1/10模型)。


このロケットから、このようにはやぶさは分離しました。

1階には相談員の方がいて、宇宙技術に関する質問に答えてくれるそうです。ちなみに映画では竹内結子さん演じる水沢恵が相談員をやっています。このときも相談員席に誰かがいる……と思ったら、堤幸彦監督でした。このあと撮影があるため、その準備をしていたそうです。

さすがに堤監督はいませんが、はやぶさなどの展示は相模原キャンパスへ行けば見ることができます。開館時間は9時45分~17時30分、年中無休です。
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