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殺人犯と断定され17歳にして死刑となり遺骨が標本として展示されていた少年、死後190年を経てようやく葬儀が行われ埋葬される


1821年のイギリスで、自分を捨てた元ガールフレンドのEliza Balsumさんが新しい恋人と仲むつまじく歩いているのを見かけ、頭に血がのぼり思わず小石を拾って投げつけてしまった17歳のJohn Horwood。小石がこめかみに当たりElizaさんは軽傷を負ったのですが、手当を受けにいった病院の医師が「傷口から細菌感染した」として頭にドリルで穴を開ける頭部穿孔(とうぶせんこう)手術を行ったことが原因で脳膿瘍になり、1週間後に亡くなりました。

この手術を行った外科医Richard Smith博士が、石を投げたのはHorwoodであったことを警察に通報し、Smith博士が検察側証人として出廷したわずか1日の裁判で、Horwoodは殺人犯と断定され絞首刑となってしまい、その遺体はSmith博士自身の手により授業の一環として衆人環視のなか解剖され、皮膚は事件の経緯と解剖記録をまとめた本の装丁に使われ、遺骨は標本として大学に展示され「さらし者」にされ続けるという、17歳の少年が一時の激情にかられ小石を投げた代償としては、あまりにも悲惨な末路をたどっています。


かねてから「きちんと弔って尊厳を取り戻させてあげたい」と希望していた遺族たちの願いがかない、死刑執行後190年目にしてようやく葬儀が行われ、Horwoodの遺骨は村の墓地に埋葬されることになったそうです。Funeral for murderer hanged in 1821 after his skeleton is found in Bristol University cupboard | Mail Online

ブリストル近郊Hanham出身で、元恋人のElizaさんに向かって石を投げたときには17歳だったJohn Horwood。1821年4月13日、18歳の誕生日の3日後にブリストルの刑務所で公開処刑された時には、自分がElizaさんを殺してしまった殺人犯であると確信していて、悔恨の情をあらわしていたそうです。


死刑執行後Horwoodの遺族は遺体の引き渡しを嘆願したもののSmith博士は拒否し、Horwoodの友人や親類のグループが刑場から病院へ運ばれる遺体を奪還しようとした試みも失敗に終わり、遺体はSmith博士の手により大学の講義で80人の学生が見学するなか解剖されることとなりました。

解剖後にHorwoodの皮膚で装丁された本には、Smith博士による解剖の記録とともに、事件の経緯が絵入りで添えられています。


Smith博士はHorwoodの遺骨を骨格標本とし、「首をつられた」状態で自宅に保管し、来客に見せびらかしていたそうです。その後、標本はつい最近までブリストル大学で展示されていました。


趣味で家族史を調べていたところ、高祖父の父(ひいひいひいおじいさん)がJohn Horwoodの兄弟であったことが判明したというマンチェスター近郊Leigh在住のMary Halliwellさん(67歳)。Horwoodの両親が正式な葬儀の実施を嘆願した手紙などを発見したことにより、先祖の願いをかなえたいと決意し、Horwoodの遺体の行方をたどり、子孫であることを証明し遺骨の所有権を主張したそうです。


Halliwellさんの主張が認められ、Horwoodの死刑執行からちょうど190年目にあたる2011年4月13日、葬儀と埋葬が実施されました。


ブリストルの教会での葬儀の様子。


葬列にはHorwoodの子孫や歴史愛好家など50名が参列したそうです。


死後190年目にして、Horwoodは故郷の村の墓地に埋葬されることとなりました。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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