毎年1万個のコンテナが船舶輸送中に海底へ落下、生態系に影響を与えている事実も明らかに


船や列車などで大量の荷物を運ぶ際、輸送手段としてよく使われるコンテナですが、船での輸送中に年間1万個ものコンテナが海底に沈んでしまっているという推測が立てられています。

コンテナが海に落ちているということ自体が話題になることはほとんどありませんが、その背景には輸送会社に落下したコンテナの回収責任が強く問われていないことがあるようです。また、ある研究チームが行った調査によって、海底に沈んだコンテナは海洋生物の生態系にも影響を与えている可能性が発見されたとのこと。

海底に沈んだコンテナは以下から。News Release - MBARI teams with Monterey Bay National Marine Sanctuary to study effects of shipping containers lost at sea.

Lost, Then Found: Shipping Containers On Seafloor : NPR

世界中の海では500~600万個の輸送用コンテナが貨物船で運ばれていて、少なく見積もってもコンテナが年間1万個も海に投げ出されていると推測されています。

船から積み荷のコンテナが落ちるという事件について耳にしたことの無い人の方が多いとは思いますが、それはコンテナが落ちたこと自体を報告する法的義務が輸送会社にかけられていないからだとか。事故によって誰かがケガをしたり、海洋保護地区にコンテナが落下したりすることでもない限り、コンテナの落下自体は法的に罪に問われることはないのが現状だということです。

そんな中、2011年4月、モンテレイ湾水族館の研究チーム・MBARIが、7年前にモンテレイ湾国立海洋自然保護区に沈没したコンテナをロボット潜水艦を使って調査しました。海の底へと沈んでしまったコンテナの状態が顧みられることはほぼなかったのですが、この調査により、コンテナが海の底で多種多様な水生生物のすみかになっていることが判明しました。すみかを見つけられず自然淘汰されていたはずの生物も、コンテナがあることによってそこに住み着いて生き延びている可能性があり、生態系に影響を与えてしまっているようです。

MBARIが調査しているコンテナは、2004年に輸送会社のMed Taipeiが所有する貨物船がロサンゼルスに向けて積み荷を運んでいた時に嵐に見舞われ、風にさらわれる形で海底に沈んでしまった物です。Med Taipeiはその際15個のコンテナを海に落としてしまい、21個のコンテナが破損したとのこと。Med Taipeiが海に沈めてしまったコンテナで所在が分かっているのはこの1個のみで、残りの14個はどこにあるのかいまだ特定されていません。

コンテナが海底に落ちてしまう背景には、コンテナを積む貨物船の大きさが2倍と言えるくらい大型化しているのに、積み荷の積み方や計量などのやり方がそれ以前の物と同様で現状に対応しきれていないため、落下事故が増えているとMBARIは指摘しています。

地元ニュースが報じた調査の様子は下記ムービーで見ることができます。

YouTube - MBARI Explore Sunken Containers In Monterey Bay



海洋自然保護区にコンテナが落下したことに対する賠償責任として、Med Taipeiは325万ドル(約2億7754万円)の補償金を支払い、その補償金を元手にMBARIのコンテナ調査が行われています。

貨物船に積み込まれる前にはコンテナの重量は細かく計測され、それを元に計画立てて積み込まれるとのことですが、コンテナ船には非常に多くのコンテナが積載されるため、嵐に遭遇したことで落下事故が起きてしまったものと考えられます。

海洋保護区を調査したPeter DeVogelaere氏によると、コンテナによって生態系に変化が起きているのは確かだが、その変化が悪い方向に進んでいるかどうかはまだ判断できる状態にないとのこと。いずれにせよ、人間の活動が海洋生物の生態系に大きな影響を与えているのは確かなようです。

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