バーで盗まれた母親のスマートフォンを12歳の少年がGPSで発見

バーでお酒を注文しているすきに買ったばかりの高価なスマートフォンを盗まれてしまい、意気消沈して帰宅した女性。翌朝12歳の息子にそのことを話すと、「心配しなくて大丈夫、ぼくが見つけてあげるよ」と頼もしい少年は、GPSを使ってすぐにスマートフォンの現在地を特定、Google Street Viewで窃盗犯の住居の写真も見つけ、電話は無事女性の元へ戻ってきたそうです。

これには「そそっかしいお母さんのことだから、買ったばかりの電話をなくすんじゃないか」と心配した少年があらかじめインストールしておいたアプリが功を奏したとのこと。

詳細は以下から。Schoolboy uses GPS technology to track down mother's £230 stolen phone | Mail Online

サフォーク州Felixstoweのクラブ「The Grand」で、Gemma Richardsonさん（32歳）がスマートフォンを盗まれたのは、土曜の深夜1時半ごろのこと。お酒を注文する際にバーに電話を置き、注文を終えて下を見るとすでに消えていたそうです。

盗まれたのはHTCのAndroidスマートフォン「Wildfire」。2週間前に230ポンド（約3万円）で購入したばかりだったそうです。

バーのスタッフに聞いても届けられていなかったため、「二度と戻って来ないだろう」とあきらめていたそうですが、日曜の朝にGemmaさんが3人の子どものうちの1人、12歳のKristen君にそのことを話すと、Kristen君はGemmaさんのノートパソコンの前に陣取り、またたく間に電話の在りかを特定してしまったそうです。

スマートフォン内蔵のGPSを使い、サフォーク州Woodbridgeから10マイル（16km）ほどの位置にある孤立した一軒家にあると割り出したKristen君は、Google Street Viewでその家の写真も見つけました。Gemmaさんの通報により警察がその家を訪れると、住民の21歳の男性が電話を盗んだことを認め、返却に応じたそうです。

「2週間前に新しい電話を買ったとき、息子は『なくすと心配だから』と言って、追跡できるようなテクノロジーか何かをダウンロードするとか言ってたんだけど、その時は何を言ってるのか気に留めてなかったの」とGemmaさんは語っています。

Kristen君がGemmaさんの電話にインストールしたのは、「Lookout」という無料アプリ。アンチウィルスやバックアップ機能、紛失した際にGPSでトラッキングしたり、遠隔操作でマナーモードを解除して警報音を鳴らすこともできるスマートフォン用のセキュリティソフトで、AndroidとBlackberry、Windows Mobileに対応しています。

Free Mobile Security for Smartphones - Lookout

Kristen君は、探し始めて数秒で電話が「この村のこの家にある」と特定できたそうです。「電話を叫ばせる命令も送ったみたいだから、窃盗犯は驚いたはず。わたしの電話帳の173のデータが消されて、電話を盗んだ子の友だちの番号がいくつか入れられてるってこともわかったの。警察に通報すると、家に来た警官もKristenが電話を追跡したことにすごく驚いて、経度と緯度までわかることに感心してたわ」とGemmaさんは語っています。

電話を盗んだ21歳の男性は、警官に「昨夜このクラブに居たか？」と聞かれると肯定したものの、電話を盗んだかと問われると初めは否定したそうです。しかし、電話をGPSで追跡し男性の住所を探し当てた経緯を説明されると、盗んだことを認め、返却に応じました。この男性に前科がないことを聞いてGemmaさんは起訴しないことにしたそうです。男性はGemmaさんに謝罪の手紙を書くことになっています。

なお、消えた電話帳や写真などのデータは、電話がGemmaさんの元に戻ってくるとKristen君が「ボタンひとつで復活させた」とのことです。