サイエンス

飲酒はヘロインやコカインよりも有害であることを示す薬物別有害度グラフ

By colodio

アルコールはヘロインやコカインより有害であるという研究が医学雑誌「Lancet」の中で公表されました。

これはイギリス政府の元主任薬物アドバイザーであったDavid Nutt教授がほかの研究者と共同執筆したレポートで、20種類のドラッグを16の基準によって、ドラッグ使用者と社会への有害度で示したものです。

閲覧は以下から。
BBC News - Alcohol 'more harmful than heroin' says Prof David Nutt


David Nutt教授は元労働党内務大臣アラン・ジョンソンによって解雇されており、それを契機に政治的干渉を受けることなく薬物問題を調査することを目標とする独立した科学的な委員会を組織しました。彼以外のその他のメンバーのうちの1人は、David Nutt教授が首になった件に関してやめたもう一人の元政府アドバイザーであるLes King博士となっており、この他にあと2人のエキスパートが加わった研究グループは、精神的・肉体的なダメージ、依存度、犯罪および経済と社会全体へのコストを含む有害度を各薬物についてスコア付けしました。

これがその図。ヘロイン・コカイン・メチルアンフェタミンが個人への最も有害な薬であると結論を下しており、アルコール・ヘロイン・クラック・コカインは社会へ最も有害なものであると結論づけています。さらにこの個人と社会とその両方への有害度を足すと、アルコールはヘロインとコカインよりも有害、つまり最も有害な薬物である、ということになったというわけです。


David Nutt教授によると「クラックやコカインはアルコールより中毒度は高いが、アルコールは非常に広く使用されているので最も有害であり、毎日アルコールを渇望する何十万もの人々がアルコールを得るために苦労している」と指摘し、現在の薬物の分類体系が害悪度との関係をほとんど持っておらず、だからこそ本当に有害なものは何かということを示した、ということになり、特に個人への害と社会への害を分離することが重要であるとしています。

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in サイエンス, Posted by darkhorse

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