試食

日本古来の知恵で作られた「松葉サイダー」試飲レビュー


今の時代、炭酸飲料ならコンビニやスーパー、自販機ですぐ購入することができますが、そう簡単にいかないのが「松葉サイダー」です。これはかつて日本で作られていたサイダーで、今はほとんど作られていませんが、わずかながらその味を伝えるべく瓶詰めで販売されているものがあったので、買ってきて飲んでみました。

手作りの松葉サイダーの作り方は、洗った松の葉を詰めた一升瓶に砂糖水を入れて日なたに置いておくという、まるで漬け物作りのような手順で作られるそうですが、この市販品は松の葉から抽出したエキスを使っています。以前この商品を飲んだことのある人からは「変わったにおいがする、ややぞうきんっぽいにおいが……」と不安なコメントをもらっていたのですが、果たしてどんな味がするのか確かめてみました。

・・・S・F・Spirits・・・
http://www.sfspirits.com/(現在は別のサイトになっています)

これが「松葉サイダー」(税込198円)


「里の知恵が育む炭酸飲料水」と書かれています。ラベルのデザインはサイダーらしい泡と松葉を図案化したとてもシンプルなもの。瓶は松葉をイメージしたのか落ち着いた緑色で、アップルタイザーをほうふつとさせ、スタイリッシュな印象です。


原材料はグラニュー糖、酒精、りんご酢、クエン酸、松葉エキス。「果糖ぶどう糖液糖」や「甘味料」など、最近の炭酸飲料であれば原材料に必ず入っている名前が見あたりません。


1%未満ではありますが、アルコールが含まれるということなので、車を運転する人や子どもが飲むときは注意が必要とのこと。松の葉を漬けて作る手作りの松葉サイダーに炭酸が発生するのは松を日光に当てて発酵させているからだということですが、メーカーのサイトの製造方法のページ(現在消滅)にはそのような工程はないため、発酵の部分を酒精で補っているのかもしれません。


グラスに注いだ途端、市販の炭酸飲料より大きな泡がパチパチとはじけます。開封した瞬間に匂いを嗅いでみたのですが、特に変わった匂いはしないというか、無臭に近い中にほんのり甘酸っぱい香りがしました。


注ぎ終わってしばらくすると泡がはじけるのが落ち着きました。飲んでみましたが、松の葉の青臭さなどは一切なく、リンゴ酢のものと思われるフルーツのような香りとほどよい甘みを感じます。よく言えば口当たりがマイルド、逆に言えばその辺のものよりパンチが弱い炭酸の刺激が、かえって新鮮に感じました。

市販の商品の中で一番近いと思ったのは三ツ矢サイダーですが、それよりも後味はべたつかずさわやかで、風味もやさしく、確かにおばあちゃんが毎年仕込んでいる伝統の味と言われたら納得できるものとなっていました。前情報とかなり違う味になっていたので、以前とは製法が変わったのかもしれません。市販のものに飽きてきた炭酸ジャンキーや、夏にぴったりのさわやかな飲み物を欲している人は、一度試してみるといいかもしれません。

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in 試食, Posted by darkhorse_log

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