ダークサイド・オブ・ビタミンウォーター


まず注意すべきは、問題となっているのはサントリーのビタミンウォーターではなく、コカ・コーラのグラソー ビタミンウォーター(glaceau vitaminwater)のことである、ということです。

公式サイトの説明によると「水を飲みながら不足しがちなビタミンやミネラルなどの栄養素を手軽に摂取できる、オシャレな清涼飲料水」「保存料・合成甘味料・合成着色料を使わず、また純水使用で低カロリーなだけでなく栄養素までプラスされたおいしいドリンクです」と説明されています。

以下、「ビタミンウォーター」と書いている場合、それはコカ・コーラのビタミンウォーターを示しています。詳細は以下から。
John Robbins: The Dark Side of Vitaminwater

John Robbins氏によると、ビタミンウォーター製品が不当な健康促進効能表示をしているという理由で、コカ・コーラは非営利的な公益グループによってアメリカで訴えられており、「それ自体はフシギではない」としています。では何が問題なのかというと、「コカ・コーラがどのように自己弁護しているか?」という点。コカ・コーラの弁護士は以下のような驚くほどロジックがねじれまくったことを主張して弁護しています。

『ビタミンウォーターは健全な飲料だ』と消費者は適切に誤解することができなかった

意味不明な主張で理解しにくいのですが、これはあなたが「ビタミンウォーター」という名前のとても積極的に健全な飲料として売られていた製品名を聞いて実際に健康上の利益を持っていたと思う不合理な人にならなければならないだろうということを意味しているのか、それとも、誰も実際にそれらの嘘(名前がビタミンウォーターだからといって健康飲料という意味ではない)を信じないと主張することができる限り、企業がその製品について嘘をついても問題ないことを意味するのか、ということです。

実際にアメリカで販売されているビタミンウォーターは基本的に砂糖水であり、33グラムの砂糖を含んでいますが、これはほかの清涼飲料水と同レベルであり、コカ・コーラほど多くはなく、何よりこのビタミンウォーターを飲むことによって実際に消費者が少なくともいくつかのビタミンを得ているというのも事実です。

しかし、アメリカ人の約35パーセントは肥満であり、アメリカ人の3分の2は太り過ぎで、さまざまな原因が医療関係者から指摘されていますが、共通しているのは「砂糖を取りすぎている」という点です。まさに問題なのはこの点で、こういった太りすぎの人は「このビタミンウォーターのような製品は栄養がありカロリーがあまり多くないはずだ」「ビタミンウォーターを飲むことは減量の観点から考えても賢い選択だった」という誤った確信を持って消費していたのではないか?そして、まさにその「ビタミンウォーター」という名前は「実際には砂糖でいっぱいである」という事実をごまかしており、「単に追加栄養素を備えた水である」というように思い込ませていたということが問題だ、というわけです。

大多数のアメリカ人の原料にとって実は何を食べるかよりも何を飲むかという方が重要で、液体からカロリーのほぼ25パーセントを得ているとのこと。2009年にはジョンズ・ホプキンズ・ブルームバーグ学校の研究者が減量をする最も迅速で最も信頼できる方法として飲み物のカロリー消費を減らすことであるという報告を公表しました。つまり最良の方法は砂糖が含まれまくっている清涼飲料水を飲まない、ということです。

で、実際にこのビタミンウォーター裁判がどうなったのかというと、連邦判事ジョン・グリーソン(ニューヨークのイースタン地区のための米地方裁判所)によれば、口頭弁論で「被告(コカ・コーラ)は、ビタミンウォーターは健全な飲料だったと思うことについて、消費者が合理的に誤解しないことを示唆しました」と書いており、コカ・コーラ側は自己弁護する必要性に迫られ、「ビタミンウォーターは健康な製品ではない」と認めています。しかし、コカ・コーラ側は「ビタミンウォーターはそういうものだとして広告することは虚偽広告ではない」とも主張しています。つまり、ビタミンウォーターは健康な製品ではないが、いかにも健康そうなイメージで広告することは虚偽ではない、と。

「なぜ私たちは、少数の追加の水溶性ビタミンを備えた1本の砂糖水を飲むことが、私たちの栄養上のニーズを満たす正当な方法であるとコカ・コーラのような会社が私たちに伝えることを認めるのですか?」とJohn Robbins氏は疑問を呈しており、普通の飲料水を飲むか、あるいは飲む水に風味をつけたい場合は、レモン・少量の蜂蜜・メープルシロップ少したらしてみたり、あるいはレモネード・フルーツジュースを水に混ぜてみたり、あるいは緑茶、活気づけたい場合には半分をフルーツジュースや炭酸水で割ってみることを提案しており、家庭の水道から出る水自体がマズイ場合は浄水器を購入すればよいとしており、「あなたのビタミンおよび他の必須栄養素を補給するために清涼飲料水会社たちに依存することは恐らく最良の考えではない」と断じています。

実際に日本でも「あたかも健康的っぽい」ような響きの清涼飲料水が山ほど売られており、健康志向が強まっていることがわかりますが、正しい知識を持っていないと、それは単なる「思い込み」に過ぎないわけです。今後はより一層このような傾向が強まっていき、清涼飲料水に限らず、ありとあらゆることについて「一体何を信じるのか?そこにそう書いてあるからといってそれが本当であるという証拠もないのに信じて良いのか?」ということを常に念頭に置きながらありとあらゆるものに接していく必要に迫られるはずです。

何が正しくて何が間違っているというようにして思い込まされようとしていて、自分は証拠もないのに根拠もなく思い込んでいるのではないか?そういう自問自答を繰り返し、情報自体の真偽を常に確認することが、今後の社会を生きる上で有利になるカギであるはずです。特に何か情報を得たときには「マル」か「バツ」かだけではなく、「信用に足る証拠が出てくるまでとりあえず保留」という選択肢もあるのだ、いう考えをすること自体が重要です。

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