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ソニーが世界で初めて製品化した有機ELテレビ、国内販売から撤退へ


2007年12月にソニーが世界初の有機ELテレビとして厚さわずか3mmの「XEL-1」を発売しましたが、国内販売から撤退することが明らかになりました。

100万:1という高コントラスト比や色再現性、動画性能の全てにおいて優れた性能を実現した自社開発の有機ELパネルを搭載したことで高い画質を実現している反面、非常に高価であることから、売れ行きの伸び悩みによる採算性の問題で国内販売を取りやめることになったのかと思いきや、どうやら直接の原因は異なるところにあったようです。


また、これにより日本市場から有機ELテレビが消えることになります。

詳細は以下から。
asahi.com(朝日新聞社):有機ELテレビ、3月で日本撤退 ソニー「需要が一巡」 - ビジネス・経済

朝日新聞社の報道によると、ソニーは現在国内で唯一販売している有機ELテレビ「XEL-1」の国内出荷を3月いっぱいで終えるそうです。すでに生産は終了しており、ネットでの販売もとりやめたとのこと。この撤退を受けて日本市場から有機ELテレビが消えることになるとされています。

「XEL-1」を真横から見たところ。とにかく薄いのがよく分かります。


撤退の直接の理由ですが、2009年4月に施行された「有害サイト規制法」によって、有害サイトの閲覧制限機能のないデジタル家電は2010年4月以降に出荷できなくなることが挙げられており、「XEL-1」は規制に該当するモデルになるとのこと。

また、有機ELテレビは発売から2年が経過して「需要が一巡した」と判断したため、販売継続のために閲覧制限機能を搭載するなどの処置は行わず、今後は在庫分だけの販売となるそうです。

ちなみに「XEL-1」は11インチで約20万円と非常に割高なこともあって、世界累計販売台数は1万台以下にとどまるなど、事業の採算が合わなかったことも、国内撤退を後押ししたもようであるとされています。

大手価格情報サイト「価格.com」に掲載されている「XEL-1」の価格変動履歴。生産終了を受けてか取り扱い店舗が次々と無くなった結果、2010年2月16日11:00現在の取り扱い店舗は1店のみとなっており、価格も急騰しています。


なお、ソニー幹部は有機ELテレビを「他社がまねできない、ソニーらしさの象徴」であるとしており、北米や欧州、中南米などの海外市場では販売を続けるほか、研究開発を進めるそうです。

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in ハードウェア, Posted by darkhorse_log

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