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次世代スーパーコンピューター開発予算の見送りに対して研究者たちが緊急声明を発表


11月13日に政府の行政刷新会議が行った事業仕分け作業において、毎秒1京回という超高速演算が可能な世界最高クラスの性能を誇る次世代スーパーコンピューターの開発プロジェクトに対して「来年度の予算計上の見送りに限りなく近い縮減」という結論が下されましたが、この決定に対して研究者たちが緊急声明を発表しました。

我が国の科学技術の進歩を著しく阻害し国益を大きく損なうものであり、不適切であると言わざるを得ない」という断言するなど、スーパーコンピューターの重要性を切に訴える内容となっています。

詳細は以下から。
(PDFファイル)次世代スーパーコンピュータ開発に関する緊急声明

主にシミュレーションにかかわる基礎科学の研究者が分野を超えて参加している、技術や情報を共有する環境を整えることで基礎科学を大きく発展させるために設立された「計算基礎科学コンソーシアム」が発表した緊急声明によると、事業仕分け作業においてスーパーコンピューター開発プロジェクトに下された「来年度の予算計上の見送りに限りなく近い縮減」という結論が計画の凍結を意味しているのであれば、プロジェクト自体の廃止に等しい大きな影響を与えるものとなるそうです。

国際競争が激化する中、スーパーコンピューターを用いたシミュレーションはバイオテクノロジーやナノデバイス開発など、将来的に国民生活につながる最先端の技術開発における主要な武器になっているほか、基礎科学の研究においても、スーパーコンピューターによって宇宙の誕生から物質の創生、銀河や星の形成にいたる宇宙の歴史全体を理解することが可能になりつつあるとのこと。


また、特に実験や観測で調べることのできない領域を探索するための唯一の方法となるのがスーパーコンピューターを使ったシミュレーションであるという認識の元で、国際的にもスーパーコンピューターの整備強化が進められていると述べています。

そして次世代スーパーコンピューターは新たな技術創出などの要の位置にあるとした上で、科学技術立国を掲げる日本の将来にとって、確固たるビジョンをもってスーパーコンピューター開発を進めることは死活的重要性を持つことから、基礎科学を含むさまざまな応用分野の研究体制を強化しつつ、次世代スーパーコンピューター開発を迅速かつ着実に推進することが極めて重要であると強く主張しています。

すでに文部科学省が12月15日までの期間限定で、今回の事業仕分けについて以下のページで国民に対して意見を募集していますが、国産次世代スーパーコンピューターはいったいどうなってしまうのでしょうか。

行政刷新会議事業仕分け対象事業についてご意見をお寄せください:文部科学省

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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