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東芝がアナログチューナー非搭載録画機器の私的録画補償金について「購入者から補償金は徴収できない」と改めて主張


2月に発売したデジタル放送専用DVDレコーダーの録画補償金を期限内に支払わなかったとして、11月10日(火)、私的録画補償金管理協会(SARVH)が東芝に補償金相当額を支払う訴えを起こしました請求額は3264万5550円。著作権利者団体はこれを当然だとして「メーカーの主張は子どものわがままと同じレベルだ」と非難する会見を開きました。

これに対し、本日東芝は私的録画補償金に関する対応を改めて発表しました。
東芝:ニュースリリース (2009-11-11):私的録画補償金に関する当社の対応について

対象となっているのは東芝の2009年2月発売のRD-E303、RD-G503K、RD-G503W、2009年8月発売のRD-E1004K、RD-E304K。

RD-E303


RD-G503K


RD-G503W


RD-E1004K


RD-E304K


私的使用を目的とした個人・家庭内でのダビングは著作権法で認められていますが、データの劣化がないデジタル方法での録音・録画については一定割合の補償金を徴収し著作権権利者へ利益を還元しよう、というのが私的録音録画補償金制度です。デジタル録音・録画を簡単に行えるようになった現代、レンタルCDを私的録音(ダビング)する利用者が増えてきたためCD売上が減少するという事態になり、これを解消すべく検討が進められ、1992年に導入されました。

著作権者の加盟する権利者団体(JASRAC日本レコード協会など)は指定管理団体(私的録音補償金管理協会:sarah私的録画補償金管理協会:SARVH)に業務を委託しており、sarahとSARVHが「デジタル方式の録音又は録画の機能を有する機器」を製造・輸入する業者に補償金を請求する形になっており、業者はこの補償金分を上乗せして販売しているというわけ。音楽用のCD-RやDVD-Rの価格がデータ用のものに比べて高いのはこの補償金が含まれているためです。

今回問題となっているのは、東芝が2月に発売したDVDレコーダーについて。もともと、アナログ放送には著作権を保護する技術(コピーワンスやダビング10など)がなく、無制限にコピー可能だったので、アナログチューナー搭載のDVDレコーダーは補償金対象として東芝も含む関係者間で合意がなされていました。しかし、デジタル放送は著作権保護技術によってコピー制限がなされておりデジタル放送専用のDVDレコーダー(アナログチューナー非搭載DVDレコーダー)はアナログ放送を受信できない、つまり容易にコピーすることができないものだと考えられ、アナログチューナー非搭載DVDレコーダーは補償金対象かどうか結論がでていない状態です。そこで、東芝は現段階では購入者から補償金を徴収できないと判断し、補償金を支払わなかったというわけ。


また、現段階で補償金を徴収した場合、この当該機器が補償金徴収の対象外であるとなったときに購入者に対して補償金を返還することは不可能であることから、現状では購入者から補償金を徴収することはしないとしています。今後、アナログチューナー非搭載DVDレコーダーが補償金の対象であると明確化された場合も、それ以前に購入した人に遡って補償金を取ることはしないとのこと。

そもそも、2009年5月22日にブルーレイディスクレコーダーを補償金対象に追加する際の著作権法改正でも、アナログチューナー非搭載DVDレコーダーは「今後、関係者の意見の相違が顕在化する場合には、その取り扱いについて検討し、政令の見直しを含む必要な措置を適切に講ずることとしている。」と経産省・文部省が述べており、結論は出ていない状態です。

一利用者からすると、ちゃんと著作権保護技術下にあるデジタル放送しか受信できないレコーダーを購入するのに、なぜコピーが容易にできるという前提の補償金を払わなければならないのかという気分です。

ちなみに、パナソニックも同様にアナログチューナー非搭載のDVDレコーダーを5月に補償金を上乗せしない形で発売しており、補償金納付期限の2010年3月までに納付がなかった場合には東芝と同様のケースに発展すると見られています。

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in メモ,   ハードウェア, Posted by logc_nt

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