ネットで無料配信され総再生回数が300万回を突破した人気アニメ「イヴの時間」、2010年春に劇場公開決定

2008年8月からYahoo！動画にて無料配信されていたアニメ「イヴの時間」が2010年春に劇場公開されることが決定しました。

「イヴの時間」は全6話構成で、ネット配信後は各話のシングルDVDが限定発売されましたがすべて完売。今回、ファンの声援に応える形で「イヴの時間」＜1st.シーズン完全版＞として再編集されての公開が決まったそうです。

詳細は以下から。
イヴの時間
http://timeofeve.com/

「イヴの時間」の舞台は近未来。この時代、アンドロイドが作られてまるで家電のように扱われているのですが、人間とアンドロイドの外見上の差異は頭上にリングが浮いていることだけなため、アンドロイドに過剰なまでに入れ込む人々(ドリ系)が出てきて社会問題化しています。

主人公・リクオの通う高校。

このように、雨が降ってくるとアンドロイドに傘を持ってきてもらうわけです。

リクオも自家用アンドロイド・サミィを道具として利用している現代っ子。ある日、サミィの行動ログに不審な点を見つけたので親友のマサキとともに街中を探索。

そこで見つけたのが「人間とアンドロイドを区別しない」という不思議な喫茶店”イヴの時間”。

ウェイトレスのナギ。

アンドロイドが頭上に浮かべているリングは識別用なので、消すことが可能。”イヴの時間”ではリングを出すことが禁止なので、そもそもアンドロイドなのか人間なのかがわかりません。

しかし、中にはこのような「どう見ても……」なお客さんも。

リクオとマサキは”イヴの時間”に通ううち、だんだんと「アンドロイドへの想い」を変化させていきます。

全6話からなる本作は2008年8月から約2ヶ月間隔でネット配信が行われ、話数ごとにファンが増えていった結果、2009年9月に配信された最終話は「GyaO!」の映像ランキング第1話にランキングするほどの人気を集めました。各公式配信サイトでの総視聴回数は全6話で300万回を越えたそうです。その結果、配信後に限定発売された各話のシングルDVDはすべて完売、この人気を受けて、2010年春に池袋テアトルダイヤ、テアトル梅田での劇場公開が決定したというわけです。

吉浦康裕監督のコメントは以下の通り。

『イヴの時間』は、古典SFとも言える「人間とアンドロイドの関係」を日常生活の目線で描いた物語です。
“彼ら”は便利な道具である一方、人間そっくりな外見から単純に家電として割り切れない存在でもあります。
そんな“彼ら”と、どのように接するべきか…そんな思春期のモヤモヤを、等身大の高校生の視点で描いたのがこの物語です。
主人公リクオは、不思議な喫茶店「イヴの時間」での幾つかの体験（ある時はミステリー、またある時はドタバタ喜劇）を通して成長してゆきます。
もしかすると彼のたどる道は、現実の私たちが他者と繋がり、悩み、時に傷つけ合い、それを乗り越えて相手を受け入れてゆく過程と同じなのかもしれません。
この物語を観てくれた方の心を、少しでも動かせることを切に願っています。

主人公リクオ役に「コードギアス 反逆のルルーシュ」ルルーシュ役の福山潤、親友マサキ役に「真・三國無双シリーズ」陸遜役の野島健児、アンドロイドのサミィ役に「ハヤテのごとく!!」マリア役の田中理恵、喫茶店”イヴの時間”のウェイトレス・ナギ役に「とある科学の超電磁砲」御坂美琴役の佐藤利奈と声優陣も豪華なので、今まで見逃していたという人も、これまでネット配信を全部追いかけてきたという人も、劇場に足を運んでみて下さい。

ネット配信限定だったアニメが映画化されるケースとしては、同じく2008年にWEBで配信され2009年1月に劇場公開された「チョコレート・アンダーグラウンド」の例があります。また、Blu-rayの発売・Yahoo！動画での配信・劇場公開をほぼ同時期に行った「星に願いを Fantastic Cat」という例もあります。また、個人制作ながらも劇場公開される作品も「センコロール」「アジール・セッション」など出てきており、今後はこういったちょっと変わったルートで映画になる作品が増えるのかもしれません。

◆スタッフ＆キャスト
原作・脚本・監督：吉浦康裕
キャラクターデザイン・作画監督：茶山隆介
音楽：岡田徹
アニメーション制作：スタジオ六花
制作：ディレクションズ
配給：アスミック･エース

リクオ：福山潤
マサキ：野島健児
サミィ：田中理恵
ナギ：佐藤利奈
アキコ：ゆかな
コージ：中尾みち雄
リナ：伊藤美紀
チエ：沢城みゆき
シメイ：清川元夢
セトロ：杉田智和
芦森博士：山口由里子
ナオコ：水谷優子

©2009/2010 Yasuhiro YOSHIURA / DIRECTIONS, Inc.