メモ

人類の祖先は木登りが下手、意外とサルっぽくなかったことが明らかに


数百万年前に生息していた人類の祖先は、いままで多くの専門家たちが考えてきたほど「サルっぽく」はなく、木登りも下手であったことが新たな研究により示唆されています。初期の人類は樹上生活をしていたのか、樹上生活を捨て二足歩行をするようになったのかは長く議論の的だったのですが、400万年以上前のヒト族の化石の足首の関節を調査することにより明らかになったそうです。

詳細は以下から。Human ancestors 'less ape-like' - Telegraph

Our Ancestors Were No Swingers -- Balter 2009 (413): 2 -- ScienceNOW

現代人ホモ・サピエンスや北京原人・ネアンデルタール人などを含むヒト属(Homo)と、同じヒト亜科(Homininae)ヒト族(Hominini)に属するチンパンジー属(Pan)は約400~800万年前に共通の祖先から分化したと考えられているのですが、今回研究対象となった化石は分化したのち絶滅したヒト属のものです。


ミシガン大学の人類学者Jeremy DeSilva博士は、まずウガンダのキバリ国立公園の野生のチンパンジーが樹上で活動する様子を撮影し、ビデオを分析したところ、木に登るときチンパンジーの足首は通常の位置から45度内側へ(アキレス腱を伸ばす方向へ)曲がることがわかりました。それに対し現代人は歩行の際足首を最大15度から20度動かし、それ以上曲げると深刻なケガにつながります。

DeSilva博士はその後、412万年前から153万年前の類人猿とヒト属の化石の脛骨(けいこつ)距骨(きょこつ)を比較しました。その結果、ヒト属絶滅種の足首の関節は類人猿よりはるかに現代人に近いことが明らかになりました。つまり人類の進化のごく初期に足首の関節は現在の構造になったということで、二足歩行を始めるとほぼ同時に人類は木登りが下手になり、地上生活を始めるようになったことが示唆されています。

この研究結果は米国科学アカデミー紀要で発表され、DeSilva博士は「初期のヒト属は現代のわたしたちと同じように木に登ることができたし、時には登ったかもしれません。しかしこの研究により、彼らの生活において鉛直方向のクライミングや樹上での行動などの運動をする機会はそう多くなかったことが示唆されています」と結論づけています。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
人類は7万年前に絶滅寸前、全世界でわずか2000人 - GIGAZINE

「人類はもう進化しない」と科学者が言及 - GIGAZINE

すごい格好でとんでもないものを飲んでいるサルの衝撃的なムービー - GIGAZINE

ココナッツの実を取らせようとサルを木に登らせた飼い主がサルの逆襲に遭い死亡 - GIGAZINE

内戦にもめげず、コンゴのマウンテンゴリラにベビーブーム到来 - GIGAZINE

in メモ, Posted by darkhorse_log

You can read the machine translated English article here.