メモ

360度どこからでも立体映像を見ることができるキューブ型3Dディスプレイ「gCubik」


独立行政法人情報通信研究機構(略称:「NICT」)が、10cm四方の箱の中に裸眼で観察可能な立体映像を再現可能なキューブ型3Dディスプレイ「gCubik」を開発したそうです。箱の側面すべてに立体映像を表示できるように改良が施してあり、360度いずれの方向からも観察可能、ディスプレイ表面はタッチパネルを採用、姿勢と加速度が計測できるセンサーやスピーカーなども搭載しているため、立体映像を実際に触るような感じで操作したり、インタラクティブなやりとりなども可能としているとのことです。

ちなみに上記画像でキューブの中に映っているのはボールの映像です。

詳細は以下から。
360度いずれの方向からも観察可能なキューブ型3Dディスプレイが完成~ 箱の中の立体映像があなたの手に ~|NICT 独立行政法人 情報通信研究機構

NICTでは、高い臨場感を取得・再生可能な様々なコミュニケーション技術の研究開発を進めており、特別なメガネなどを必要とせずに裸眼で立体映像が観察可能なディスプレイの技術開発に加え、立体ディスプレイを利用する場面の検討を通じて、近い将来における立体ディスプレイの普及へ向けたシナリオの提案などに取り組んでいるとのこと。今回のキューブ型の裸眼立体映像ディスプレイ「gCubik」はその一環として生まれたもので、手が届く程度の近い距離で人と人とのコミュニケーションを支援するためのツールとしてデザインした、まったく新しいコンセプトの3Dディスプレイだそうです。


今回、キューブ状のgCubikの6つの面すべてに裸眼で観察可能な立体映像を表示し、「箱の中に立体映像が存在する」という提案当初のコンセプトを具現化することに初めて成功。これまでのシステムと比較して明るさが3倍、解像度が1.4倍とより見やすくなり、3Dディスプレイ部には極力、制御基板などを配置しないといった各種の工夫により、小型化することにも成功。大きさ10cm四方程度の立体映像を実際に手に持つ(重さ950g)こともできるようになったそうです。

箱の中にあるのはアヒルの映像


今後は、「手に持てる立体映像」というコンセプトならではのインタラクション手法や複数のgCubikを協調させて利用するアプリケーションの開発、さらにはワイヤレス化や、さらなる小型化、画質の改善など、実用化へ向けた取り組みを行っていくとのことです。

将来的にはこんな感じのことができればいいな、というわけ。


なお、NICTでは見えているのに存在しない空中映像を指先で動かすことができるフローティングタッチディスプレイも開発しています。


空中映像の例


指先での操作例


仕組みとしては、平面に配置したNICT開発の光学素子によって素子下部に配置した液晶ディスプレイ(LCD)の画面を空中に映像として浮かせつつ、ガラスなし赤外線タッチパネルによって、空中映像を触る指先位置を検出しているとのこと。

これによって、上下左右の視点移動に対しても、まさにそこに実在するかのように、空中に完全静止した空中映像表示を可能とするとともに、その空中映像に指で触れて操作することが可能になったそうです。

ちなみに、光学素子のサイズが小さく、表示可能な空中映像の大きさに制限があるという課題があまだあるものの、これは原理的なものではなく製造技術的な問題であることから、今後、製造技術の開発を進めることによって、3年後には人間の等身大映像の表示の実現を目指すことも可能であるとしています。

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in メモ, Posted by darkhorse

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