東京都選管がYouTubeに政見放送の削除要請、その問題点とは?


各所で報じられていますが、東京都選挙管理委員会はYouTubeにアップロードされている政見放送の動画について、片っ端から削除要請をしており、現時点で該当する43件の動画について削除申請済みとのこと。

理由としては、政見放送は候補者一人につき5回までと決まっており、特定の候補者の映像だけが自由に閲覧できるのが問題と言うことらしい。

それだったら東京都選挙管理委員会が自前でいつでも好きなときにネット経由で政見放送が見られるサイトを立ち上げればいいのではないかと思うのですが、時代の変化に日本の法律などが全く追いつくことができないということを如実に表しています。

ちなみに米国の場合は様子が日本とは違っており、米国の次期大統領選挙の候補者がYouTubeを通じて政策を伝える「You Choose‘08」というのが実施されています。

今回の件について何が問題なのか、いろいろと以下、見て考えてみましょう。
まず、おそらく削除対象となっていると見られるのはこの一連の動画。

Video results for '外山恒一'

今回の件については時事通信をはじめとして、いろいろな新聞系ニュースサイトで報じられています。

asahi.com:都選管、ユーチューブに政見放送の削除要請 - 社会

ユーチューブに削除要請 都知事選、政見放送“見放題”|選挙|政治|Sankei WEB

東京都選挙管理委員会によると、政見放送が動画共有サイトに投稿されることは想定外だったらしいのですが、過去の面白い政見放送がいくつもアップロードされていた実績から考えればこれは十分想定内であるはずなのですが……。

解せないのは、政見放送は厳しく管理されているが、一方で泡沫候補をのぞいた他の候補者がテレビ番組にばんばん出演しまくることは規制されていないということ。このあたりはどうなっているのでしょうか……。一説によると、各種報道機関の間で「泡沫候補は扱わない、無視する」というような取り決めが過去に存在していたとか言われていますが……どうなのでしょう。

また、政見放送自体の放送時間が日本の場合は夜中などの限られた、それもゴールデンタイムのような時間ではないというのも今回のような件につながる原因になっているはず。候補者の政治に関する意見を主張している政見放送を限定した時間にしか見られないようにする方がよほど非効率的で機会均等を妨げており、YouTubeなどと協力して全員分を配信した方が投票する有権者にとってもメリットが大きいのでは?戸別訪問や街宣カーなどによる大声の名前連呼と違って、自分の意志で見に行く必要があるので有権者に直接的な迷惑も害もないはず……。

事実、最初の方でも書いたように、アメリカの次期大統領選挙の候補者の場合は、率先してYouTubeで主張しています。

You Choose‘08
https://www.youtube.com/youchoose


候補者ごとにチャンネルが用意されており、候補者のキャンペーンビデオ、スピーチ、選挙の舞台裏などが紹介されています。各動画についてはコメントや採点が可能となっています。

また、既存の選挙手法である宣伝カーから爆音で叫ぶことやチラシを入れまくるといったものは以下の記事でも触れられているように、だんだんと無効化してきているようです。今後はこういう状態がさらに加速し、ネット上での選挙運動を認めざるを得なくなるはず。もっともスパムメールとかクチコミと銘打っての自作自演は頻出する可能性がありますが、そういうものこそ法律できっちり定義して規制すべきなのでしょう。

候補者に「厚い壁」 マンションに声届かず、ビラ配れず(神戸新聞) - goo ニュース

実際に国は何もしていないわけではなく、ちゃんと議論はしているようです。

IT時代の選挙運動に関する研究会について

それぞれの議会要旨を読めば大体のことはわかります。政見放送についても第10回で触れられています。

第10回IT時代の選挙運動に関する研究会の議事要旨

<政見放送の有効活用について>
・政見放送は、多くの金を使うわりには有効性がないように思われる。将来的には、候補者がHPを選挙運動手段として活用できることと関連して、政見放送の在り方を検討する必要があると思われる。

つまり今の日本においては、立候補者の主張を知らしめる方法を制限する法律自体に問題があると言うことが今回の件ではっきりしたのではないでしょうか。選挙は昔から「地盤、看板、かばん」(支持母体や後援会、知名度、金)の3つが要と言われており、そういう昔ながらの選挙の状態を望んでいる老人政治家が不利にならないよう、既得権維持のために何も変えずに保守的なことを続けていればどこかで絶対的な破綻を迎えるわけですが、それが今になってやってきた、というわけです。

なお、諸外国ではこんな日本のようなうるさい選挙運動はないです。以下のページが詳しいです。

そろそろ静かに選挙 しようよ(選挙・騒音・名前の連呼)

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in コラム, Posted by darkhorse