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「GIMP 3.1.2」がリリース、新しいペイントモードやPhotoshopのプリセット対応などGIMP 3.2に向けた早期開発版


オープンソースの画像編集アプリ「GIMP」のバージョン3.1.2がリリースされました。GIMP 3.1.2はGIMP 3.2に向けた最初の開発リリースで、新しいペイントモードやテキストオプション、印刷時に便利なCMYKの設定、Photoshopパターンのインポートへの対応などが含まれています。

GIMP 3.1.2: First Development Release towards GIMP 3.2 - GIMP
https://www.gimp.org/news/2025/06/23/gimp-3-1-2-released/

GIMPはWindows、macOS、Linuxで動作するクロスプラットフォームの画像編集アプリで、Googleの最初のロゴがGIMPで作られているなど、無料で使えるオープンソースの画像編集アプリとして多くのユーザーに支持されています。GIMPは2025年3月に7年ぶりのメジャーバージョンアップとなる「GIMP 3.0」をリリースしており、編集内容を一覧で確認しながら変更できる非破壊フィルターなど、複数の大きな変更が加わっています。

ついに「GIMP 3.0」がリリースされる、編集内容を後から変更できる「非破壊フィルター」やGTK 3への対応など新機能盛りだくさんで新たな公式ロゴも登場 - GIGAZINE


2025年6月23日に発表されたGIMP 3.1.2は、開発中のGIMP 3.2に向けた最初の開発リリースであり、GIMP 3.0のバグ修正の合間に開発が進められていた複数の新機能が含まれています。注意点として、まだ正式な3.2に達していない開発リリースであるため、新機能を早期にテストしたい人向けのリリースであり、本番環境での使用ではクラッシュするなど問題が発生する場合があります。

GIMP 3.0の主要な変更点であった非破壊フィルターについて、コードを精査してバグの削減と将来の開発やメンテナンスの効率化を目指すクリーンアップとリファクタリングが行われました。この作業を元に、従来はレイヤーにしか適用できなかった非破壊フィルターが、GIMP 3.1.2では画像の色情報や透明度などを表す「チャンネル」にも適用できるようになっています。

また、GIMPは初回起動時にデフォルトテーマとしてダークモードが設定されていましたが、GIMP 3.1.2ではWindowsとLinuxにおいて「現在のOSテーマ」に自動一致するようになりました。「システムカラー」を選択することで、システム設定を変更するとGIMPのテーマも自動的に更新されます。OSのテーマと異なる配色を使用したい場合は、カラースキームを個別に設定すればOK。


新しいペイントモードとして、「Overwrite(上書き)」が追加されました。以下の例だと、緑色のオブジェクトの上に透明度が高いブラシを塗っていますが、赤色のブラシが透過して緑色のオブジェクトが見えるのではなく、「透明度の高いブラシで上書き」という形になっています。GIMP 3.1.2では主に鉛筆ツールのペイントモードのみOverwriteを使用可能で、ブラシツールなど他のツールではアルゴリズムの調整中のほか、レイヤーモードやエフェクトモードでは使用できません。


新しいテキストツールのオプションとして、テキストの輪郭の方向を制御できる「Outline Direction」が追加されました。GIMPでは以前からテキストに輪郭線を付けることが可能でしたが、輪郭線は文字の外側に広がる形のみの適用で、正確な制御ができませんでした。Outline Directionを用いると、テキストの輪郭を内側や外側に伸ばすことができるほか、文字の両方向に均等に輪郭線を付けて太く表示するデザインなどが可能です。


また以下は、CMYKカラーセレクターに追加された「選択した色のインク総量を計算し表示する」という機能。できるだけインクを節約したい場合のほか、印刷システムや使用するメディアによっては適用できるインク量に制限がある場合があるため、印刷実行前にインク使用量を推定できて便利です。


そのほかGIMP 3.1.2では、Adobe Photoshopのパターンデータやプリセットファイルを読み込める機能が追加されています。パターンファイルは繰り返しテクスチャ用のデータで、模様や柄などをブラシや塗りつぶしに使うことができます。Photoshop用に配布されている多くのパターン(.pat)ファイルやPhotoshopの「トーンカーブ」フィルターと「レベルカーブ」フィルターのプリセットについて、GIMPで読み込んで適用できるようになりました。また、Photoshopビッドキュメント(.psb)のエクスポートの初期サポートを実装、テストしています。


その他の主な変更点は以下の通り。
・APNGやJPEG 2000など新しいファイル形式のサポート対応
・ペイントソフトのKrita形式へのエクスポート
Playstation(1994)のテクスチャと画像のインポート、エクスポートを行うプラグイン
・GIMP 3.2に向けたUX/UIのアップデートを一部実装

GIMPチームによると、オープンソースソフトウェアについて議論する年次国際大会のLibre Graphics Meetingへの参加に向けて、GIMP 3.0で更新された公式ロゴのステッカーを作成したそうです。ステッカーはデータが公開(PDFファイル)されており、自由に印刷することができます。


GIMPの開発版の最新バージョンは以下のリンク先でダウンロードできます。

GIMP - Development Downloads
https://www.gimp.org/downloads/devel/

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in ソフトウェア,   デザイン,   アート, Posted by log1e_dh

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