サイエンス

パートナーと同じベッドで寝る人は「睡眠時間が長い」「ストレスが少ない」などのメリットを報告している


人は眠っている時でも周囲の音や振動に反応することがあるため、「隣に人が寝ているとよく眠れない」と感じている人も多いはず。ところが、アメリカ・アリゾナ大学の研究チームが行った調査からは、「パートナーと同じベッドで寝る人は睡眠が妨げられるどころか、よく眠れると回答する割合が高い」ということが判明しました。

0010 Bed Sharing Versus Sleeping Alone Associated with Sleep Health and Mental Health | SLEEP | Oxford Academic
https://academic.oup.com/sleep/article/45/Supplement_1/A4/6592562

Sharing a Bed With Your Partner Could Have Unexpected Sleep Benefits, Study Finds
https://www.sciencealert.com/sharing-a-bed-might-come-with-some-surprising-benefits-survey-finds

研究チームはアメリカ・ペンシルベニア州南東部に住む1007人の成人を対象に、どれほどの頻度でパートナーや子ども、その他の家族、ペットなどと同じベッドに寝ているのかを調査しました。また、不眠症の度合いや疲労感、睡眠時無呼吸症候群のリスク、睡眠時間、入眠までの時間、中途覚醒といった睡眠の質を評価する項目についても調べました。


分析の結果、ほとんど毎日パートナーと一緒のベッドで寝ている人は、不眠症の度合いや疲労感が少なく、睡眠時無呼吸症候群のリスクも低いことが判明。また、睡眠時間が長い一方で入眠までの時間は短く、中途覚醒の頻度も少ないなど、全体的に睡眠の質が高い傾向にありました。また、これらの人々は1人で眠る人よりもうつ病・不安・ストレスなどのスコアも低かったとのこと。

パートナーと同じベッドで寝ることにさまざまなメリットが認められた一方で、子どもと一緒に寝た人は不眠症の度合いが大きく、より多くのストレスを感じていることがわかっており、必ずしも「誰かと一緒に眠る」ことがメリットをもたらすわけではないことも確認されています。

論文の筆頭著者であるアリゾナ大学の精神科医・Brandon Fuentes氏は、「ロマンチックなパートナーや配偶者と一緒に寝ることは、睡眠時無呼吸症候群のリスク低下、不眠症や睡眠の質の全体的な改善など、睡眠の健康に大きなメリットがあることが示されています」と述べています。


今回の研究結果からは、パートナーとベッドを共有することによる睡眠の改善が添い寝によるものなのか、それともパートナーとの良好な関係によるものなのかは不明です。また、睡眠の質の改善に関するいくつかの項目は被験者の自己申告に基づいているため、単に本人がそう思っているだけという可能性もあり得ます。

それでも、少しずつカップルが添い寝することによる影響を実験で確かめる研究も増えてきているとのこと。12組のカップルを対象にした2020年の研究では、添い寝している時の脳波・心臓の活動・運動状態・筋肉の緊張などを測定するため、ポリソムノグラフィーによるデータ収集を実施。その結果、カップルで一緒に寝ると1人で寝る場合よりレム睡眠の割合が多くなり、睡眠の質が向上していることが確かめられたほか、2人の睡眠周期が同期する傾向があることもわかりました。

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in サイエンス, Posted by log1h_ik

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