生き物

ネコは飼い主の言葉を学習して同居するネコの名前を認識していることが判明


ネコは人間の言葉を理解しているような振る舞いをすることがありますが、ネコが人間の言葉を理解できるのか否かは科学的に解明されていません。京都大学が新たに発表した研究結果によると、ネコは日常生活の中で同居ネコの名前を学習しているとのこと。この発見によってネコが人間の会話を識別し学習していることが示されました。

Cats learn the names of their friend cats in their daily lives | Scientific Reports
https://doi.org/10.1038/s41598-022-10261-5

日常生活の中でネコは友達のネコの名前を学習する | 京都大学
https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2022-04-25-0

研究チームはネコが飼い主の名前や同居する他のネコの名前と顔の対応を理解しているのか確かめるべく、「家庭で飼育されているネコ」と「猫カフェで飼育されているネコ」を対象に実験を実施。ネコをモニターの前に座らせた状態で「飼い主や同居ネコの名前を呼ぶ声」を再生し、モニターに名前と一致するヒト・ネコを表示した場合と、一致しないヒト・ネコを表示した場合の反応を観察しました。

実験の結果、家庭で飼育されているネコは呼ばれているネコと一致しないネコの写真がモニターに表示された際に、モニターを長時間見続けることが分かりました。ネコには「予期したものと異なる事象」が発生した際にその事象を注視する傾向があることから、「名前を呼ばれているネコが表示されると予測したものの、異なるネコが表示されたため、注視した」と言えるとのこと。この結果から研究チームは「少なくとも家庭で多頭飼育されているネコは、同居する“友達”の名前を認識しており、その名前を聞いた時に、その個体の顔を予測することがわかりました」と述べています。


さらに、飼育期間が長く人数の多い家庭で飼育されているネコほど「呼ばれている名前と一致しないヒトの写真」を長く見続けることが判明。この結果からヒト家族の名前の学習には、その名前を聞く機会の頻度が関係している可能性が示唆されました。

研究チームの一員である高木佐保氏は「ネコの研究はイヌの研究よりも大幅に遅れているといわれています。この研究からネコがヒトとのコミュニケーションの中で自然と同居する他の個体の名前を覚えていることがわかりました。これはネコが、自分が話しかけられていないときも、ヒトとの会話に注意を向けていないとできないことです。ネコはヒトの会話を聞いていないように見えて、実は聞いているんだということを世間に伝えたいです。ネコの賢さをまた1つ明らかにできて嬉しいです」と語っています。

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in サイエンス,   生き物, Posted by log1o_hf

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