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MicrosoftがOfficeユーザー向けに発表した新たなコラボレーションツール「Microsoft Loop」では何ができるのか?


MicrosoftがITエンジニアや開発者向けの年次会議であるMicrosoft Igniteで、さまざまなOffice製品と統合した新たなコラボレーションツール「Microsoft Loop」を発表しました。Microsoft Loopは従来のOffice製品に加えてコラボレーション用の新たなコンポーネントを統合することが可能で、チーム全体がリアルタイムで柔軟な共同作業を実現できるとのことです。

Microsoft Loop | Flexible Canvas App
https://www.microsoft.com/en-us/microsoft-loop

Microsoft Office—Transforming for the hybrid world - Microsoft 365 Blog
https://www.microsoft.com/en-us/microsoft-365/blog/2021/11/02/microsoft-office-transforming-for-the-hybrid-world/

Microsoft Loop is a new Office app for the hybrid work era - The Verge
https://www.theverge.com/2021/11/2/22758951/microsoft-loop-fluid-components-office-collaboration-app

Microsoftは公式ブログで、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックが発生して以来、世界中で教育やビジネス環境のデジタル化が進んでいると指摘。コミュニケーションは対面からオンライン会議やチャットに移行し、人々はコラボレーションを促進するためにより柔軟で強力、かつ流動的なツールを必要としているとのこと。すでにMicorsoft TeamsはWord、Excel、PowerPoint、OutlookなどのOffice製品と統合していますが、Microsoftはさらに先に進んだコラボレーションツール「Microsoft Loop」を開発しました。

Microsoft Loopは「柔軟で強力なキャンパスと、アプリ間で自由に移動して同期を維持するポータブルコンポーネントを組み合わせた新たなアプリ」とのことで、「Loopコンポーネント」「Loopページ」「Loopワークスペース」という3つの要素で構成されています。

◆Loopコンポーネント
Loopコンポーネントはチャット・Eメール・会議・ドキュメントなど、「コラボレーションとフローに乗って作業を完了するのを助ける『生産性の原子単位』」だとのこと。Microsoft Loopはリスト・表・メモ・タスクといった単純なものから、高度なビジネス向けアプリのDynamics 365までを、Loopコンポーネントとしてチームで共有できるとのこと。Loopコンポーネントは同期して常に最新の状態が保たれるため、チームメンバーはいつでも最新の状態で共同作業が可能です。

また、Microsoft Loop用の新たなコンポーネントも開発されています。チームのアイデアについての賛否をまとめて意思決定を推進する「投票表」や……


プロジェクトの進捗状況を追跡し、チーム全体を最新のステータスに維持する「ステータストラッカー」などが発表されています。また、その他の新たなLoopコンポーネントも追加しているほか、サードパーティーの開発者もメッセージ拡張アプリとMicrosoft Graphコネクタを統合することで、Loopコンポーネントを構築することも可能。詳細については、2022年の開発者会議であるMicrosoft Buildで発表される予定です。


◆Loopページ
Loopコンポーネントを整理したり、ファイルやリンク、データなどその他の便利な要素を取り込んだりして、チームのコラボレーションを促進する「柔軟なキャンバス」と位置づけられているのがLoopページです。Loopページはチームメンバーが一緒に考えて作業するために最適化されており、アイデアやプロジェクトの成長に合わせて拡張していくことができるとのこと。

以下の画像をクリックすると、Loopページで作業する様子がGIFムービーで再生されます。どうやら各メンバーのカーソル位置がリアルタイムでページ上に反映されるようで、相手が何をしているのかが一目でわかるようになっています。


◆Loopワークスペース
プロジェクトにとって重要な全てのものを表示し、グループ化できるようにする共有スペースがLoopワークスペースです。これにより、チームは他のメンバーが行っていることに追いついたり、誰かのアイデアに反応したり、全体の目標に向けた進捗状況を追跡することが容易になります。


Micorsoft Teams・Outlook・OneNoteなどのLoopコンポーネントは2021年11月から展開が開始され、Microsoft 365の商用ライセンスを対象に既存のOfficeアプリに組み込まれるとのこと。スタンドアローンのMicrosoft Loopアプリは2022年に提供開始される予定であり、Microsoftは今後数カ月以内にMicrosoft Loopアプリの機能についてさらに詳しく説明するそうです。

Microsoft Loopは、2019年に発表されたコラボレーションプラットフォーム「Fluid Framework」を拡張したものと指摘されています。また、近年人気を集めるタスク・ドキュメント管理ツールの「Notion」や、Googleが2009年に発表したものの2年足らずで開発終了となった「Google Wave」との類似性も指摘されており、「Microsoft LoopはMicrosoft Officeユーザー向けのNotionクローンである」との声も上がっています。

Microsoft Loop is a Notion clone for Office lovers
https://www.fastcompany.com/90692715/microsoft-loop-notion-clone-office

Microsoft Loop Is A Fresh New Take On Google Wave
https://www.androidheadlines.com/2021/11/microsoft-loop-new-take-on-google-wave.html

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in ソフトウェア, Posted by log1h_ik

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