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WHOがマラリアワクチンを初承認、「年間数万人の命が救われる」と事務局長


世界保健機関(WHO)が、コンタックパキシルなどで知られるイギリスの製薬大手GlaxoSmithKlineが開発したマラリアのワクチン「RTS,S」を承認しました。マラリアワクチンに関する承認は初とのことで、テドロス・アダノム事務局長は「歴史的瞬間」「毎年何万人もの命が救われる」と述べています。

WHO recommends groundbreaking malaria vaccine for children at risk
https://www.who.int/news/item/06-10-2021-who-recommends-groundbreaking-malaria-vaccine-for-children-at-risk

World's First Malaria Vaccine Approved By WHO
https://www.ndtv.com/world-news/who-recommends-use-of-1st-malaria-vaccine-for-children-2566320

WHO backs malaria vaccine rollout for Africa's children in major breakthrough | Reuters
https://www.reuters.com/business/healthcare-pharmaceuticals/who-experts-back-using-malaria-vaccine-african-children-2021-10-06/

First malaria vaccine could be rolled out to billions as World Health Organisation experts give approval | World News | Sky News
https://news.sky.com/story/first-malaria-vaccine-could-be-rolled-out-to-billions-as-world-health-organisation-experts-give-approval-12427378

マラリアはマラリア原虫という寄生虫を有する蚊によって媒介される感染症で、毎年2億人超の感染者と約40万人の犠牲者を出しています。世界人口のおよそ40%ほどがマラリアの危険にさらされていると言われているほか感染と死亡の94%を占めるアフリカではマラリアは5歳未満児死亡率の主要原因と数えられており、貧困家庭の年収の25%はマラリア対策に費やされているとされています。


GlaxoSmithKlineが開発した「RTS,S」は、世界で初めて規制当局による認可を受けたマラリアワクチンです。2019年からマラウイ・ガーナ・ケニアの3カ国で36万人に対して試験的な接種を行い、マラリアの中でも最も致命的とされる熱帯熱マラリアに対して40%の予防効果を有し、重症化率を29%引き下げるという効果と安全性が確認されました。

この「RTS,S」をWHOが現地時間2021年10月6日に承認し、サハラ以南のアフリカなどのマラリアの危険性が中~高とされる地域の子どもたちに広く接種を推奨すると発表しました。ウイルスや細菌に対するワクチンは多数存在しますが、WHOが「人間の寄生虫」に対するワクチンを承認したのは初とのこと。


今回の承認について、WHOのテドロス事務局長は「これは歴史的な瞬間です。待望の子ども用マラリアワクチンは、科学・子どもの健康・マラリア対策のいずれにおいても画期的です」「(蚊帳などの)既存のマラリア予防策と組み合わせてこのワクチンを使用すれば、毎年何万人もの子どもの命を救うことができます」とコメント。WHOアフリカ地域事務局長のマチディソ・モティ博士は「マラリアは何世紀にもわたってサハラ以南のアフリカを襲い、人々に多大な苦痛を与えてきました。長い間、効果的なマラリアワクチンが待ち望まれてきましたが、今回初めて、そのようなワクチンが推奨されるに至りました。今回の推奨は、マラリアによって最も重い負担を強いられているアフリカ大陸に希望の光を与えるもので、より多くのアフリカの子供たちがマラリアから守られ、健康な大人になることを期待しています」と述べました。

「RTS,S」の登場以降もマラリアワクチンの開発は続いており、アストラゼネカと新型コロナウイルスワクチンの共同開発を手がけたことでも知られるオックスフォード大学ジェンナー研究所が新たに開発した「R21/Matrix-M」というマラリアワクチンが77%の有効性を達成したと2021年4月に報じられた他、ファイザーと新型コロナウイルスワクチンを共同開発したBioNTechも新型コロナウイルスワクチン開発に用いたmRNA技術を用いて2022年中にマラリアワクチンの開発をスタートすると発表しています。

オックスフォード大が「有効性77%のマラリアワクチン」を開発、これまでで最も効果が高いマラリアワクチン - GIGAZINE

by Ryszard

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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