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部屋にたまる「ほこり」の正体が大規模研究で明らかに、専門家が効果的なほこり対策を公開


きれい好きな人の中には、頻繁に掃除をしてもなくならない「ほこり」が一体どこから来るのか疑問に思ったことがある人も多いはず。世界35カ国の家庭から集めたほこりを分析した研究により、家の中のほこりが人体にもたらす影響やほこりの起源といった詳細が判明しました。

What is dust? And where does it all come from?
https://theconversation.com/what-is-dust-and-where-does-it-all-come-from-168265

一説によると、現代人は生活の約90%を屋内で過ごしているとされており、人体に対する環境汚染物質リスクの多くは室内にあるほこりによるものだと考えられています。そこで、オーストラリア・マッコーリー大学の研究チームは、世界中の家庭から出たほこりを寄付してもらう「DustSafeプログラム」を実施し、収集されたほこりを分析する研究を行いました。

その結果、家庭内のほこりには土や砂、さらには空から飛来した宇宙塵(じん)などのほか、以下のような有害物質が含まれていることが分かりました。
・微量金属
・放射性元素
・薬剤耐性菌の遺伝物質
・マイクロプラスチック
・消火用の発泡剤や布製品の防汚剤などに用いられている「パーフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物(PFAS)


◆屋内で発生したほこり
家の中にあるほこりの3分の2は、衣類や靴底に付着した微粒子や窓から入ってきた土ぼこりなど家の外に由来するものだとされており、残りの3分の1は家庭内で発生したものです。

家の中で発生するほこりには、人やペットの皮膚細胞がはがれ落ちたものや毛、食べ物のカス、プラスチック、土などが含まれています。ペットの排せつ物などの有機汚染物質が家の中にあるというのはいい気持ちがしないものですが、こうしたある種の「動物由来のほこり」には、免疫システムをサポートしてアレルギーのリスクを軽減させるという有益な効果があることが、研究により明らかになっています。


一方、有害なほこりもあります。例えば、炊事や暖炉、喫煙によって発生した微細なホコリには、肺がんや肺疾患の原因となる汚染物質が含まれているとのこと。また、殺虫剤などに含まれる化学物質がほこりと結合することや、衣類や家具から発生する難燃剤がハウスダストとなり、特に成長が活発な子どもにとって有害になることも分かっています。

家の中のほこりには、衣類やカーペット、家具などから発生したマイクロプラスチックも含まれていました。マイクロプラスチックが直接人体に及ぼす害などは分かっていませんが、マイクロプラスチックは有害な物質を運ぶ媒体となる危険があるという研究結果も報告されています。

自然界ではほとんど分解されないため「永遠の化学物質」と呼ばれることもあるPFASは、熱に強く水や脂をはじくといった性質を持つことから、コーティング剤や包装材などとして幅広く利用されてきました。しかし、近年では発がん性や内臓障害などさまざまな有害性を持っていることが分かってきていることから、マクドナルドAmazonが相次いで包装への使用停止を発表するなど、世界的に排除の動きが活発化しています。

PFASについては、以下の記事で詳しくまとめられています。

ファストフードの包装の一部に人体に有害な化学物質が含まれている - GIGAZINE

by waferboard

◆屋外からやってきたほこり
前述の通り、家の中にあるほこりの3分の2は屋外で発生したちりが、家の中に運び込まれたもの。どのようなほこりが外からやってくるかは環境に大きく左右され、2019年から2020年にかけて大規模な山火事に見舞われたオーストラリアでは特に、山火事の煙に乗って病原菌が運ばれるといった健康被害が指摘されています。

また、近隣で産業が活発な地域では子どもたちが有害な粉じんにさらされているという研究結果があるほか、黄砂などに含まれているPM2.5などの粒子には、失明などにつながるリスクがあるということが分かっています。

大気汚染と失明につながる病気に関連があるとの研究結果 - GIGAZINE


◆ほこり対策
以上の研究結果から、DustSafeプログラムを率いるマーク・パトリック・テイラー教授らの研究チームは、以下のような対策を行って、ほこりから身を守るよう呼びかけました。
・ドアマットを使う、室内では靴を脱ぐ、泥まみれになったペットや子どもは玄関先でタオルで拭いてあげるなどしてほこりを家の中に入れないようにする。
・定期的に掃除機をかける。特に、HEPAフィルターなどの微粒子対策を搭載した掃除機が効果的。
・乾いた布やはたきはほこりを舞い上がらせるので、湿らせた布などを使う。
・プラスチック、殺虫剤、防水剤などの使用を減らしてマイクロプラスチックや化学物質の負荷を抑える。
・消毒剤や抗菌剤の使いすぎは、薬剤耐性菌の発生やその耐性を他の細菌に伝える遺伝物質の発生につながるので、なるべく布に石けんや洗剤を含ませて拭くだけで済ませる。

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in メモ, Posted by log1l_ks

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