生き物

鳥の赤ちゃんは「卵の中」にいる時から歌を学んでいる可能性が示される


鳥の中には歌うように鳴く種類が存在しており、その歌は何百年も伝承されているという研究結果や、鳥に「偽の歌の記憶」を植え付ける研究など、多くの研究が行われています。新たにオーストラリアとアメリカの合同研究チームによって、鳥が卵の中で歌を学んでいる可能性が示されました。

Prenatal auditory learning in avian vocal learners and non-learners | Philosophical Transactions of the Royal Society B: Biological Sciences
https://royalsocietypublishing.org/doi/10.1098/rstb.2020.0247


Baby birds tune in from egg | EurekAlert!
https://www.eurekalert.org/news-releases/927377

研究チームは、鳥が卵の中で歌を学習しているのか否かを確かめるべく、学習性の鳥として知られる「ルリオーストラリアムシクイ(Malurus cyaneus)」「ウスアオオーストラリアムシクイ(Malurus elegans)」「コガラパゴスフィンチ(Geospiza fuliginosa)」の3種と、非学習性の鳥として知られる「コガタペンギン(Eudyptula minor)」「ウズラ(Coturnix japonica domestica)」の2種、合計5種の鳥の卵を対象に音への反応を確かめる実験を行いました。


まず、研究チームは鳥の卵を60秒間無音環境に置いた後、「実験対象と同種の鳥の鳴き声を60秒再生する(A)」「異なる種の鳥の鳴き声を10秒ずつ合計60秒再生する(B)」のどちらかを実行した後に再度60秒間無音環境に置き、その間のヒナの心拍数を測定しました。その結果、学習性の鳥3種の方が他の2種と比べて鳴き声に大きく反応していることと、A・Bどちらの鳴き声でも反応に差がないことが明らかになりました。

次に、研究チームは鳥の卵を60秒間無音環境に置いた後、「実験対象と同種の鳥の鳴き声と異種の鳥の鳴き声を10秒ごとに合計60秒再生する」を3セット実行し、その後60秒間無音環境に置いてその間の心拍数を測定しました。その結果、学習性と非学習性にかかわらず、5種すべての鳥が鳴き声に対して「慣れる」反応を示したとのこと。

これらの結果から、研究チームは鳥の種類によって鳴き声への反応は異なるものの、実験対象の鳥は5種とも卵の中で鳴き声を認識して学習し、慣れることができると結論付けました。また、研究チームは今回の研究では卵の中での学習がふ化後の鳥に及ぼす影響を判断できないと述べ、今後の研究への意欲を示しています。

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in サイエンス,   生き物, Posted by log1o_hf

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