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Amazonが「独占禁止法改正案を警戒するべく話し合いたい」とサードパーティ業者へメールを送っていたと判明


Amazonが、「アメリカ議会で議論されている反トラスト法(独占禁止法)の改正案で、Amazonマーケットプレイスでの商品販売が制限される可能性がある」と警告するメールをサードパーティの販売業者に送信していると報じられています。

Amazon emails sellers to warn about antitrust tech bills in Congress
https://www.cnbc.com/2021/08/18/amazon-emails-sellers-to-warn-about-antitrust-tech-bills-in-congress.html

アメリカ議会下院に属する超党派の議員グループが、Google・Apple・Facebook・Amazonなどの巨大テクノロジー企業の事業や買収などを制限する独占禁止法改正案を2021年6月に提出しました。

Google・Apple・Facebook・Amazonなど超巨大IT企業を狙い撃つ規制法案がアメリカ下院に提出される - GIGAZINE


この改正案では、巨大テクノロジー企業が自社のサービスで他社の事業を妨げることを防ぎ、サービス間のデータポータビリティを義務づけるほか、州検事総長が独占禁止法違反の訴訟を起こしやすくしたり、連邦規制当局が明らかに利益相反を示す事業を所有あるいは運営している企業に解体を求める訴訟を起こしやすくしたりする改正が盛り込まれているとのこと。

さらに、「Ending Platform Monopolies Act(プラットフォーム独占廃止法)」は、何百万ものサードパーティ販売業者にAmazonマーケットプレイスのサービスを提供するAmazonに直接影響を与える可能性があり、Amazonは自社のプライベートブランドでサードパーティ販売業者と競合を強いられることとなります。

加えて、販売業者が手数料を支払うことでAmazon側が倉庫での商品保管や注文の梱包を行う「フルフィルメント by Amazon」も禁止される可能性があるとのこと。下院の反トラスト小委員会は「フルフィルメント by Amazonを利用することで、検索結果の順位が上がるというメリットがある」ことを問題視しているそうです。


経済メディアのCNBCによれば、、Amazonの公共政策チームはAmazonマーケットプレイスで成功をおさめているごく一部のサードパーティ販売業者に、独占禁止法改正案について話し合うためのミーティングを設定したいと申し入れているそうです。

CNBCが独自に入手した電子メールには「Amazonやその他の巨大テクノロジー企業を規制することを目的とした、議会で審議中の改正案の概要を知ってもらうために、少数の販売者に連絡を取っています。まだ審議の初期段階で、改正案は変更される可能性がありますが、Amazonマーケットプレイスで販売している貴社のような中小企業に大きな悪影響を及ぼす可能性があることを懸念しています」とあったとのこと。

AmazonはCNBCの取材に対して、独占禁止法に関する問い合わせを一部の販売業者に行ったことを認めました。Amazonによれば、過去数カ月の間に販売業者側から「独占禁止法の改正案が可決されればどんな影響が現われるのか」という問い合わせがあったそうです。


Amazonの公共政策担当ヴァイス・プレジデントであるブライアン・フーズマン氏は「独占禁止法改正案は、販売業者と消費者に重大な悪影響を及ぼします。販売者は商品の販売促進において厳しい課題を課されることになって選択肢が制限され、消費者は商品の価格が上昇するリスクを負うことになります」と警告しています。

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in ネットサービス, Posted by log1i_yk

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