サブウェイのツナから「ツナのDNA」が検出できなかったとの調査結果、元から安いツナを偽装するのは無意味との指摘も

by Mike Mozart

2021年2月にサブウェイが、「サブウェイのツナは実際にはツナを原料としたものではない」と訴えられたことに関連し、ニューヨークタイムズが行った追試験で、「サブウェイのツナからは、ツナの原料であるマグロのDNAが検出できなかった」との結果が出たと報じられています。

The Big Tuna Sandwich Mystery - The New York Times
https://www.nytimes.com/2021/06/19/style/subway-tuna-sandwich-lawsuit.html

サブウェイは、同社のサンドイッチに入っているツナの真偽を巡る訴訟について取材したニューヨークタイムズに対し、「訴状の内容は事実無根です。当社は100%マグロのツナを調理済みの状態で店舗に納品し、そこでマヨネーズとあえてから、できたてのサンドイッチを作ってお客様に提供しています。サブウェイのツナは、当社で最も人気のある商品の1つであり、このような根拠のない告発はサブウェイのブランドと信用に対する無謀で不適切な攻撃です」と回答し、嫌疑を真っ向から否定しました。

by keso s

そこで、ニューヨークタイムズの記者であるジュリア・カーメル氏は、実際にサブウェイで購入したサンドイッチからツナを取り出して、冷凍した上で食品検査会社に送付し、それが本当にマグロの肉なのかを検査するよう依頼しました。なお、食品検査会社側が「アメリカ最大のサンドイッチチェーンと取引する機会を失いたくない」としたため、具体的にどの検査会社が分析を行ったのかは伏せられています。


そして、1カ月後に検査会社からカーメル氏の元に「サンプルにはPCR検査ができるような増幅可能なマグロのDNAは含まれておらず、DNAの副産物も得られませんでした。従って、サンプルのツナが、検査対象としている5種のマグロのどれだったかについても同定できません」との回答が届きました。

研究所によると、サブウェイのツナからマグロのDNAが検出できなかった理由は2つ考えられるとのこと。1つは、「調理が進みすぎていてDNAが抽出できなかった」というケースで、もう1つは「そもそもマグロではなかった」というケースです。


とはいえ、この検査結果からただちに「サブウェイのツナはツナではない」とすることはできないと、カーメル氏は強調しています。なぜなら、検査会社が指摘しているように、マグロの肉を加熱するとDNAが変性してしまうため、何の肉かDNA検査では分からない可能性があるからです。

一方、アメリカのドキュメンタリー番組であるInside Editionが、ニューヨークにある3つのサブウェイの店舗からツナのサンプルを採取してDNA検査した際には、検査会社により「確かにマグロの肉である」と確認されています。

Inside Editionによる検証の結果は以下のムービーから見ることができます。

Is Subway’s Tuna Sandwich Actually Made of Tuna? - YouTube


また、コストの観点からツナを偽の肉に変える意味は乏しいと指摘する声もあります。サブウェイで1年以上働いたことがあるという匿名の元授業員は、ニューヨークタイムズに対し、「私が店で扱っていたのは本物のツナでしたよ。原材料としてパッケージにそう書いてありましたし、そもそもマグロは比較的安い肉ですから、安くするために別の肉に変える意味はないでしょう」とコメント。アメリカの水産会社であるCatalina Offshore Productsのデイブ・ルーディー氏も「サンドイッチ店が意図的に偽装するとは思えません。もしこの件で不正があったとすれば、それはツナ缶を作る缶詰工場で起こったことではないでしょうか」と話しました。

なお、「サブウェイのツナはツナではない」との訴訟を起こした原告も、当初の主張を軟化させています。6月に提出された新しい裁判資料では、原告らはサブウェイのツナが本物かどうかではなく、「100%持続可能な方法で漁獲されたものかどうか」に論点を移していたそうです。

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