サイエンス

お酒の量を減らす「2つのシンプルな方法」とは?

by Marco Verch Professional Photographer

痛飲した後で「もう2度とお酒は飲まない」と自分に誓ったのについ飲んでしまったり、身近な人に口をすっぱく節酒をすすめてものれんに腕押しだったりという経験がある人は多いはず。「飲酒は適量であっても脳を萎縮させる」ということや、「お酒を飲むことは総合的に見て健康に悪い」ということが分かっていても、節酒の実現は難しいものです。しかし、新たな研究により、2つのシンプルな方法を組み合わせるだけで、アルコールの摂取量を減らせることが判明しました。

A randomized controlled trial of the effectiveness of combinations of ‘why to reduce’ and ‘how to reduce’ alcohol harm-reduction communications - ScienceDirect
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0306460321001891

Cancer a compelling reason to cut alcohol, and drink counting helps | The George Institute for Global Health
https://www.georgeinstitute.org/media-releases/cancer-a-compelling-reason-to-cut-alcohol-and-drink-counting-helps

There's One Simple Method That Works to Reduce Alcohol Intake, Scientists Say
https://www.sciencealert.com/this-one-simple-technique-helps-people-to-drink-less-alcohol-experiment-shows

オーストラリアの医療研究所であるThe George Institute for Global Healthで飲酒と健康問題の関係を研究しているシモーヌ・ペティグリュー教授は、どのような方法がアルコールの摂取量を減らせるのかを調査するため、習慣的に飲酒するオーストラリア人約8000人を対象とした実験を行いました。


実験では、参加者は大きく分けて以下の6つのグループに分けられました。
1.対照実験グループ
2.飲酒量を決めてそれを厳守するグループ
3.飲酒量を決めるが妥協してもいいグループ
4.飲酒量を数えるだけのグループ
5.政府が作成した節酒キャンペーン用テレビ広告を見るグループ
6.2~4のどれかと5を組み合わせるグループ

なお、実験に使われた節酒キャンペーン用のテレビ広告は、「お酒を飲むとたとえそれが適量であってもがんのリスクが増える」という内容だったとのこと。


研究チームは、各グループに分けた参加者に対し、「初回調査時」「初回調査から3週間後」「初回調査から6週間後」の合計3回にわけてオンライン調査を実施し、飲酒量の推移を調べました。その結果、6番目のグループのうち「飲酒量を数えるだけ+広告を見る」という2つの方法を組み合わせたグループが突出して飲酒量が減っていたことが判明しました。

このことからペティグリュー教授は、「実は、アルコールが発がん性物質だということを知らない人は多いので、これは飲酒する人がよく知るべき重要な情報です。しかし、アルコールががんの原因になることを伝えるだけでは、十分ではありません。その一方で、『お酒とがんに関する情報を得る』のと、『飲んだ量を数える』という実践的な行動を組み合わせると、飲酒量は減るということが分かりました」と話しました。


WHOは2018年に発表したアルコールと健康に関するレポートの中で、「早期死亡の約7%は飲酒が原因」だと指摘し、2025年までにアルコールの摂取量を少なくとも1割は削減しなければならないと勧告しています。しかし、オーストラリアでは1人あたりの純アルコール消費量が年間9.5リットルと、高い水準にあるとのこと。日本では、習慣的に飲酒する人は減少傾向にあると報告されていますが、依然として男性の14.6%と女性の9.1%が危険な飲酒の習慣を持つとされています。

こうした点からペティグリュー教授は「今回の調査結果は、国民全体のアルコール被害を軽減する上で効果的である『公共教育への投資』を支持する新しい証拠だと言えます」と結論付けました。

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in サイエンス,   , Posted by log1l_ks

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