サイエンス

1900万年前にサメの大量絶滅「シャークポカリプス」が起こっていた可能性がある


世界中の海で生息しているサメの進化の歴史は長く、最も古いもので4億5000万年前に生息していた種の化石が確認されています。そんなサメに関して、イエール大学のエリザベス・シベール氏とアトランテック大学のリア・ルーベン氏の研究により、1900万年前に種の70%以上が絶滅していたことが明らかになりました。

An early Miocene extinction in pelagic sharks | Science
https://science.sciencemag.org/content/372/6546/1105


The world saw a shark-pocalypse 19 million years ago, and we don’t know why | Ars Technica
https://arstechnica.com/science/2021/06/the-world-saw-a-shark-pocalypse-19-million-years-ago-and-we-dont-know-why/

シベール氏らは、国際深海掘削計画により太平洋で採取された堆積物のサンプルを調査しました。サンプルには1263個のサメやその他の魚の鱗や歯といった化石が埋め込まれており、シベール氏らはこれらの化石の炭素・酸素安定同位体比を測定しました。

調査によると、地球に隕石(いんせき)が落下して大量絶滅が起きた6600年万前からは、サンプルに含まれる魚の化石と歯の化石の比率は安定して保たれていたのに対し、1900万年前頃に突然サメの化石が含まれている割合が減少したとのこと。


シベール氏らはまた、検出された化石の種を調べた結果、1900万年前頃にサメの種が70%、個体数が90%減少していると推定しています。大量絶滅の後に新しい種のサメの化石を発見できなかったことから、シベール氏らは「突然の大量絶滅以降、種の多様性を取り戻すことができなかったのではないか」とも推測しています。

シベール氏らは「大量絶滅の原因は分かっていませんが、絶滅が他の海洋生物にどのような影響を与えたのかを調べたいです」と述べています。カリフォルニア大学バークレー校のセス・フィネガン准教授は「この研究は2つのサンプルのみに依存していますが、興味をそそるものです」と述べ、他の地域から採取したサンプルを調査するべきだと主張しています。

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in サイエンス,   生き物, Posted by log1p_kr

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