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「新型コロナ対策としてウシのフンを体に塗るのはやめて」とインドの医師が警告


2021年4月ごろから新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染者が急増しているインドで、医師が「COVID-19を防ぐためにウシの排せつ物を使う習慣は、他の病気を広げる危険性がある」と警告する声明を発表しました。ヒンドゥー教の影響によりウシを神聖視する人が多いインドでは、ウシの排せつ物を体に塗ったり、尿を飲んだりすることでCOVID-19を予防するという民間療法が行われていると報じられています。

Indian doctors warn against cow dung as COVID cure | Reuters
https://www.reuters.com/world/india/indian-doctors-warn-against-cow-dung-covid-cure-2021-05-11/

以下のムービーを再生すると、インド西部のグジャラート州で行われている「ウシのフンを使ったCOVID-19予防法」の様子を見ることができます。

Indian doctors warn against cow dung as COVID cure - YouTube


信心深い一部のヒンドゥー教徒は、ウシが生活するシェルターを週に1回訪問し、ウシのフンや尿を体に塗ることで、COVID-19への免疫を高めたりCOVID-19から回復したりできると考えているとのこと。


参加者は、体についたウシの排せつ物が乾くまでの間、ウシを抱きしめたり、あがめたり、ヨガをしたりして過ごします。


排せつ物が乾いた後は、ミルクやバターミルクで体についたフンのパックを洗い流すとのこと。


また、インド人民党の議員であるSurendra Singh氏は、「牛の尿を冷たい水に溶かして毎日飲むと、免疫がついてCOVID-19から守られる」と主張。「ガウムトラ」または「ガムトラ」と呼ばれる、ウシの尿などから作った飲み薬を実際に飲んでいる映像を公開しています。

#WATCH | BJP MLA Surendra Singh in UP's Ballia claimed drinking cow urine has protected him from coronavirus. He also recommended people to 'drink cow urine with a glass of cold water'. (07.05)

(Source: Self made video) pic.twitter.com/C9TYR4b5Xq

— ANI UP (@ANINewsUP)


ヒンドゥー教では、ウシは神聖な生命と大地の象徴であり、ヒンドゥー教徒たちは伝統的に家の中の掃除や祈りの儀式にウシのフンを使ってきたため、体に塗ることに抵抗がないそうです。

しかし、インドをはじめとする世界中の医師や科学者は、上記のような代替療法は、誤った安心感をもたらし、健康問題を深刻化させるおそれがあるとして、繰り返し警告を発しています。


インド医師会の会長を務めるJ. A. Jayalal氏は、「ウシのフンや尿がCOVID-19に対する免疫力を高めることを示す科学的な証拠はなく、すべては信心に基づいています。ウシの排せつ物に由来する製品を体に塗ったり食べたりすることには、健康上のリスクがあり、他の病気が動物から人間に感染するおそれもあります」と述べて、ウシの排せつ物を使った療法に否定的な見方を示しました。

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in 生き物,   動画, Posted by log1l_ks

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