レビュー

サクサクアクションで高い中毒性のローグライク2Dアクションゲーム「Hades」プレイレビュー


不死身の主人公を操作し、死と強化を繰り返しながら冥界からの脱出を試みるローグライク2Dアクション「Hades」は、ギリシャ神話をモチーフとした世界観やサクサクなテンポのバトルや会話を楽しめるゲームです。2020年に正式にリリースされて以降多数のプレイヤーにダウンロードされ、2020年英国アカデミー賞ゲーム部門ベストゲーム賞など数々の賞も受賞しており、2021年4月22日にはついに日本語に対応。どんなゲームなのか気になったので、実際にプレイしてみました。

Supergiant Games
https://www.supergiantgames.com/games/hades/

Steam:Hades
https://store.steampowered.com/app/1145360/Hades/

以下のムービーを再生すると、「Hades」でサクサクなテンポのバトルを繰り広げている様子を見ることができます。

ローグライクアクションゲーム「Hades」の戦闘はこんな感じ - YouTube


◆ストーリー・ダンジョンエリア
このゲームの主人公「ザグレウス」は、冥界を支配する王「ハデス」の息子であり不死身の存在。冥界の暮らしにウンザリしたザグレウスが、父の支配から逃れるために冥界からの脱出を試みるというストーリーです。


しかし、ザグレウスの脱出を阻止するべく、ハデスは多種多様な敵を送りこんできます。なお、敵も冥界の住人なので、ザグレウスの顔見知り。


このゲームの基本アクションは、コンボ攻撃にも派生する「通常攻撃」、広範囲かつ高威力だが隙も多い「特殊攻撃」、遠距離攻撃が可能なものの使用の際に「血珠」というエネルギーを使用する「魔弾」、一定距離を高速で移動しその間無敵にもなる「ダッシュ」の4つ。これらを駆使して敵を倒していきます。


敵を攻撃するとダメージ量が白色、反対に敵から攻撃を受けるとダメージ量が赤色で表示されます。攻撃を受けると左下の自分の体力ゲージが減っていき、体力が0になるとゲームオーバーです。回復手段が限られるこのゲームでは、HP管理が非常に重要。なお、数字の表示は設定からオフにすることも可能です。


ザグレウスが立っているエリアは冥界の「区画」の一つ。区画は端から端まで数秒でたどり着けるほどの狭い空間です。区画には通常の移動では通り抜けられない穴が空いていたり、攻撃すると壊れるオブジェクトが置いてあったり、踏むとダメージを受けるトラップが設置してあったりと、さまざまな仕掛けが用意されています。なお、穴や一部の壁は、「ダッシュ」の距離の範囲内であればダッシュを行うことで通り抜けることが可能。これがかなりストレスフリーな仕様であり、攻撃のハイテンポさに移動のハイテンポさが加わって、アクションの面でもたつくことがないゲームになっています。


区画にはおおむね5体~20体ほどの敵が次々に出現し、敵を全て倒すと次の区画に進めるというゲームシステム。なお、敵を全て倒した際は出現する特殊アイテムを先に取得する必要があります。


今回の特殊アイテムは、ザグレウスのいとこである知恵の女神「アテナ」から授けられる、自身を強化するアイテム「功徳」です。アテナを始め、ギリシャ神話にちなんだ神々たちはザグレウスの脱出を手助けしてくれます。


神々からは功徳が3種類提示されますが、そのうち1つだけを選ぶことができます。効果は神々によってまちまちで、アテナの場合「通常攻撃に攻撃を跳ね返す特殊効果が付いてダメージ量が上がる」「魔弾に攻撃を跳ね返す特殊効果が付く」「ダッシュにダメージが付与され攻撃を跳ね返す特殊効果が付く」などの効果を持った功徳が提示されます。このタイミングで入手できなかった功徳、あるいはこのタイミングで提示されなかった功徳も、区画を進めることで入手できる可能性があります。なお、入手した功徳はその周回中のみ有効で、ゲームオーバーになると全て失われます。


特殊アイテムを入手したら次の区画への扉を開放し、先に進みます。Hadesはこれらを繰り返し、ひたすら敵を倒して自身を強化しまくり、区画を進んでいくゲームです。


功徳は神々によってその効果が全く異なるものの、同じ神からであれば基本的に似たような性能のものを集めることができます。例えば海王神「ポセイドン」の功徳は、以下のように「特殊攻撃に吹き飛ばし効果が付く」「魔弾発射時に周囲の敵にダメージを与えて吹き飛ばす」「ダッシュの到達地点にいる敵にダメージを与えて吹き飛ばす」といったもの。あらゆるアクションに「吹き飛ばし」の効果を付与する功徳がそろっています。


敵を吹き飛ばすと一瞬無防備になり、攻撃の隙が生まれます。また、敵を吹き飛ばして壁や敵にぶつけると「スラム」となり、追加ダメージを与えるといった効果も期待できます。こうしてポセイドンの功徳だけを集めてあらゆるアクションに吹き飛ばし効果を付け、吹き飛ばし効果を主体とした戦闘スタイルを作り上げるといった「戦略の一本化」を行うことができます。


なお、功徳の効果は特殊アイテム「力の石榴(ざくろ)」を入手することで強化が可能。この強化も「1つの功徳だけを強化しまくる」「全ての功徳をバランスよく強化する」といった、自分の戦略スタイルに合わせた強化が可能です。1つの功徳だけを強化しまくった結果、ダッシュだけで強敵を全滅させることも可能でした。ポセイドン以外にも多数の神々による功徳、多数の戦略が用意されています。


しかし、冥界の構造は複雑。狙った功徳だけを好きなように集められるというわけではありません。ただし、ある程度の予測は可能になっています。区画を制覇した時に有効化される「次の区画への扉」は、以下のように1つの区画に1つだけ現れる場合や……


2つ現れる場合など、いくつかのパターンがあります。さらに扉をよく見てみると、左の扉には赤いさすまたのようなもの、右の扉には金貨のようなものが浮かんでいるのが分かります。これは次の区画を制覇した時に現れる特殊アイテムを表しているので、これを確認した上で、自身の戦略に合わせて扉を選択することができます。


なお、赤いさすまたのようなものは、最大HPを増加させる「ケンタウロスの心臓」の入手区画、金貨はステュクス川の渡し守「カロン」の店の区画です。カロンの店では、敵を倒すことでたまっていくお金でアイテムを購入することができます。


一定数区画を進めるとボスが現れます。最初に現れるボスは復讐(ふくしゅう)の三女神の長女「メガイラ」。メガイラはハデスの命を受け、ザグレウスの脱出を阻もうと試みます。素早い移動と攻撃を繰り出す、なかなかの強敵です。


メガイラとの闘いの様子を収めた動画は以下から確認できます。

ローグライクアクションゲーム「Hades」で、最初のボス「メガイラ」と戦ってみた - YouTube


メガイラは素早く近寄って近接攻撃を行ったり、範囲攻撃を行ったり……


魔法攻撃を行ったりと、さまざまな手段でプレイヤーの手を苦しめてきます。しかし、攻撃の前には特有の動きを見せるので、うまく見極めれば回避することも可能です。


メガイラを倒すと第1階層はクリア。次の階層へと進み、どんどん地上を目指していきます。


区画は他に、高難度のギミックを耐えることで功徳を2つ入手できるものや……


罰を受くる者「シシュポス」の援助を受けられる区画などがあります。シシュポスは「HPの回復」や、ダンジョンから持ち帰れる強化のためのアイテム「闇の結晶」などを提供してくれるキャラクターです。


このゲームにおいて、HPの回復手段はシシュポスの援助のほか、「最大HPが60%減少する代わりに通常攻撃が命中するたびにHPが2回復」という功徳や……


「倒した敵が回復アイテムを落とす」というアイテムを入手することなど。他にもボス戦の直後などの特定の区画で少量を回復することも可能で、回復手段はほどほどに用意されています。


HPが0になるとゲーム終了。その挑戦で得たお金や功徳を失ってしまいます。


◆ハデスの館
冥界からの脱出に失敗したザグレウスは、父が待つ「ハデスの館」へと戻されてしまいます。


ハデスは好き勝手な行動を繰り返すザグレウスにご立腹の様子。


ザグレウスは皮肉交じりに応答します。


ハデスの館では地獄の番犬「ケルベロス」や……


ザグレウスの母、「ニュクス」などに話しかけることができます。なお、ダンジョンから持ち帰ったアイテム「ネクタル」をキャラクターに与えると、キャラクターごとにイベントが発生します。ネクタルは区画に出現する神々や、ケルベロス、ハデスにすら渡すことができます。また会話内容は毎回変わり、かなり豊富なバリエーションが用意されています。


ゲームを進めるにつれ、館に調度品を設置したり、ダンジョン内に便利な要素を追加したりできる「宮大工」などが館に出現します。


また、館にはザグレウスの部屋も用意されています。


部屋の中に置かれた「冥夜の鏡」で、ダンジョンから持ち帰った「闇の結晶」を用いて自身を強化したり……


宮大工に用意させた調度品で統計データを確認したりできます。その他の統計データやアイテムの情報などを確認する手段も、ゲームを進めることで得ることができます。


ザグレウスの部屋の隣は武器練習場になっており、ダンジョンから持ち帰った「冥府の鍵」を消費して新たな武器を開放したり、武器の試し切りを行ったりすることが可能です。


試し切りに協力してくれるのは、しゃべる訓練用身代わり人形「スケリー」です。


試し切りや強化を終え、準備が整えば再度脱出です。冥界から逃れるため、そしてザグレウスの「家族」についての真実を探るため、果てしない挑戦が続きます。


◆まとめ
Hadesの初回プレイ時は10分ほどでゲームオーバーになってしまいましたが、自身を強化してみたり武器を変えてみたりと試行錯誤を繰り返した結果、だんだんとプレイ時間が増え、進める区画が伸びていきました。プレイするたびにアクションが上手になっていくのを実感し、アイテムによる強化もあって「難しすぎて行き詰まる」という感覚を覚えにくく、何度も挑戦したくなるゲームです。

「ガンガン攻撃しまくりたい」「ヒットアンドアウェイを繰り返したい」「遠距離攻撃だけしていたい」といった、さまざまなプレイスタイルに合わせた武器や功徳が用意されているので、自身のプレイスタイルに合わせた攻略が可能。また、死んだらその場で復活する「ゴッドモード」も用意されているので、アクションが苦手な人でも攻略を進められそうです。


「Hades」は、Steamで税込2570円で販売されているほか、2021年6月24日にはNintendo Switch版も登場しています。

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in レビュー,   動画,   ゲーム, Posted by log1p_kr

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