セキュリティ

440億円超を「アプリ削除後もこっそり料金を請求し続ける」詐欺アプリがApp StoreやGoogle Playで稼ぎ出している


無料トライアルで人を集め、アプリが削除された後でもこっそりと定額利用料を請求するマルウェアアプリを「フリースウェア」と呼びますが、新たな調査では、App StoreやGoogle Playから合計204個のフリースウェアが発見され、総額4億ドル(約440億円)を稼ぎ出していることが判明しました。

Fleeceware Apps On Mobile App Stores | Avast
https://blog.avast.com/fleeceware-apps-on-mobile-app-stores-avast

アンチウイルスソフトを開発するAvastの研究者によると、合計204個のフリースウェアは10億回以上ダウンロードされ、440億円以上を稼ぎだしているとのこと。フリースウェアの中には年間でユーザー1人あたり3432ドル(約37万円)を稼ぎ出すものもあるそうです。


発見されたフリースウェアの種類は楽器、手相占い、画像編集、カメラフィルター、QRコードリーダー、PDFリーダー、スライムシュミレーターなどさまざま。これらのアプリはアプリとしての機能に問題があるわけではありませんが、同様のアプリに比べて異様に高額で、「高額を支払ってでも使いたいもの」ではないと研究者は述べています。

以下が実際のフリースウェア。これは手相占いのアプリであり……


アプリを起動すると「3日の無料トライアルのあと、週47.49ポンド(約7000円)となります」と表示され、異様に高額なサブスクリプションサービスが提供されていることがわかります。このようなアプリはアンインストールされた後も、アプリストアからサブスクリプションをキャンセルするまで料金を請求し続けます。


発見されたアプリの多くは週あたり4~12ドル(約440~1300円)、1年あたり208~624ドル(約2万2600~約6万8000円)相当を稼ぎ出していたと研究者は述べています。

またこれらのアプリはマルウェアとは見なされずApp StoreやGoogle Playで提供され、FacebookやInstagram、Snapchat、TikTokなどでも積極的に広告が掲載されています。多くは若者をターゲットにしており、SNSが拡散に大きな役目を果たしているとみられます。


アプリのレビューには、星1つの評価で、フリースウェアであることを指摘するようなものも存在します。


Avastはこの調査結果をGoogleとAppleに報告済み。サブスクリプションモデル自体は開発者を支える上で必須のものですが、一方で詐欺的な支払いは取り締まるべきだと研究者は述べています。

また研究者はこの解決策の1つが「サブスクリプションモデルを採用するアプリをアンインストールする時に、サブスクリプションをキャンセルさせる選択肢を含める」だと主張。この点、AppleもGoogleも、アンインストールするアプリのサブスクリプションに関して警告や通知を表示しています。


そしてこれとは別の解決策として、「無料トライアルが終わった後、ユーザーが必要な料金を支払うまでアプリが停止される」という仕組みが挙げられます。またアプリ内購入をより明確にして、支払う可能性のある価格を目立つように表示することも、ユーザーがアプリ価格の適正さを判断する手段になると研究者は述べています。

フリースウェアに多額の料金を請求されないようにするため、一般ユーザーに対してAvastは以下の点に注意するよう促しています。

・1週間未満の無料トライアルに注意すること。
・重要な情報が細部に書かれていることがあるため、特に「アプリ内購入」に関する記述をよく読むこと。
・フリースウェアは実際の製品以上によく見える誇大広告を作ることがあり、しばしばそれが拡散力を持つことがあります。広く拡散されている広告には注意すべきとのこと。
・類似アプリを検索して適正価格をチェックすること。
・支払い方法を生体認証やパスワードで保護し、子どもによる偶発的なサブスクリプションを防ぐこと。
・フリースウェアの危険性について家族で話し合うこと。

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in ソフトウェア,   セキュリティ, Posted by darkhorse_log

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