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ついにLinuxも火星に到着


NASAの火星探査機「パーサヴィアランス(Perseverance)」に搭載されている小型ヘリコプターの「Ingenuity」は、火星で初の飛行を行う機器となる予定です。このIngenuityの開発者に、電気工学技術関連の学会誌であるIEEE Spectrumがインタビューしています。

How NASA Designed a Helicopter That Could Fly Autonomously on Mars - IEEE Spectrum
https://spectrum.ieee.org/automaton/aerospace/robotic-exploration/nasa-designed-perseverance-helicopter-rover-fly-autonomously-mars

Linux has made it to Mars - The Verge
https://www.theverge.com/2021/2/19/22291324/linux-perseverance-mars-curiosity-ingenuity

現地時間の2020年7月30日にアメリカのケープカナベラル空軍基地にある発射施設から打ち上げられたパーサヴィアランスは、203日間かけて地球から2億9300万マイル(4億7200万km)離れた火星まで移動し、日本時間の2021年2月19日5時55分ついに火星に着陸しました。

NASAの火星探査機「パーサヴィアランス」が火星に着陸 - GIGAZINE


以下の写真はパーサヴィアランスを火星地表に降下させる役割を担った「ジェットパック」が、着地の目前にパーサヴィアランスを撮影した写真。

The moment that my team dreamed of for years, now a reality. Dare mighty things. #CountdownToMars pic.twitter.com/8SgV53S9KG

— NASA's Perseverance Mars Rover (@NASAPersevere)


パーサヴィアランスはさっそく火星でのミッションをスタートしており、搭載カメラで土壌や岩石のサンプルを撮影しています。そんなパーサヴィアランスは単体で火星の広大な土地を探査しているわけではなく、小型ヘリコプターのIngenuityと共に、探査ミッションを遂行します。

by NASA/JPL-Caltech

このIngenuityについて、開発元であるジェット推進研究所(JPL)のシニアエンジニアであるティム・カンハム氏は、「火星でLinux(を搭載した機器)が飛行するのはこれが初めてです。Ingenuityのソフトウェアフレームワークには、JPLがキューブサットや機器用に開発したもので、数年前にオープンソース化を果たしています」とIEEE Spectrumのインタビューで語っています。

Ingenuityに搭載されているソフトエウェアフレームワークの名称は「fprime」で、以下のページ上でソースコードが公開されています。

GitHub - nasa/fprime: F' - A flight software and embedded systems framework
https://github.com/nasa/fprime


カンハム氏は「我々はオープンソースのOSとフライトソフトウェアフレームワークを駆使しているため、『やってみたい』と思った人が市販の部品を購入して再現することが可能です。これはある種のオープンソースの勝利と言えます」と語り、オープンソースでIngenuityの開発に取り組んだ意義について説明しています。

カンハム氏のインタビューが掲載されたのち、Twitter上では「火星はWindowsよりもLinuxを搭載したコンピューターの方が多く動作している2つ目の惑星となった」「もう一つのニュースは、火星では電気自動車のシェアが100%ということ」などの、IngenuityがLinuxで動作していることに注目するツイートが投稿されています。

In other news, EVs have a 100% market share on Mars.

— @mikko (@mikko)

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in ソフトウェア,   ハードウェア, Posted by logu_ii

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