生き物

世界で初めて発見された恐竜の「お尻の穴」の化石から分かる新事実とは?


ティラノサウルスの完全な骨格が再現されるなど、恐竜の生態については多くの研究が行われていますが、新たに良好な状態の恐竜の「お尻の穴」の化石が発見され、さまざまなことが判明しています。

A cloacal opening in a non-avian dinosaur: Current Biology
https://www.cell.com/current-biology/fulltext/S0960-9822(20)31891-1

This fossil reveals how dinosaurs peed, pooped and had sex - CNN
https://edition.cnn.com/2021/01/19/world/dinosaur-fossil-sex-study-scn/index.html

1st preserved dinosaur butthole is 'perfect' and 'unique,' paleontologist says | Live Science
https://www.livescience.com/first-dinosaur-butthole-found.html

2002年に中国で発見された以下の化石は、白亜紀に生息したプシッタコサウルスのもの。以前から良好な状態なことから研究者らの注目を集めていましたが、ブリストル大学で古生物学講師を研究するジェイコブ・ビンサー氏は恐竜の体色に関する研究を行っている際に偶然、「お尻の穴」まで鮮明に化石になっていることを発見しました。


プシッタコサウルスのお尻の穴はV字の形状をしており、ワニの肛門に近い形状をであることから、鳥類や爬虫(はちゅう)類が持つ総排出腔と同様に、排尿、排便、生殖行動に用いられていたとビンサー氏は推測しています。


また、お尻の穴の周囲から小さな突起が発見されており、ビンサー氏はこの突起から誘引物質を分泌し、求愛の際に相手を誘い込んでいたと考えています。


さらに、お尻の穴の周りからメラニンが検出されました。このことから、プシッタコサウルスのお尻の色は他の部位と異なっており、赤いお尻で威嚇や求愛を行うサルと同様の用途でお尻を使っていた可能性が指摘されています。

なお、今回発見されたプシッタコサウルスの化石では生殖器を確認できなかったため、雌雄の判別ができなかったとのこと。しかし、ビンサー氏は、プシッタコサウルスとワニのお尻の穴の形状が似ていることから、ワニと同様に何らかの生殖突起による交尾を行っていたと考えています。

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in サイエンス,   生き物, Posted by log1o_hf

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