メモ

【訃報】ダース・ベイダーを演じた俳優のデヴィッド・プラウズ氏が死去


「スター・ウォーズ」の旧三部作「エピソード4/新たなる希望」「エピソード5/帝国の逆襲」「エピソード6/ジェダイの帰還」に登場するダース・ベイダーを演じたデヴィッド・プラウズ氏が、2020年11月28日に亡くなりました。85歳でした。

David Prowse, Man Behind the Darth Vader Mask, Dies at 85 | Hollywood Reporter
https://www.hollywoodreporter.com/news/david-prowse-dead-star-wars-man-behind-darth-vader-mask-was-85-1161826


It's with great regret and heart-wrenching sadness for us and million of fans around the world, to announce that our client DAVE PROWSE M.B.E. has passed away at the age of 85. #DaveProwse @starwars #DarthVader #GreenCrossCodeMan #iconic #actor #bodybuilder #MBE pic.twitter.com/dL2RmdIqg8

— Bowington Management (@BowingtonM)


1935年7月1日にイギリスのブリストルで生まれたプラウズ氏は、生まれつき膝に障害があると診断され、4歳になるまで脚に添え木を着用して過ごしていたそうです。なお、この時の診断は誤診だったものの、後に本当に変形性関節症であったことが判明したとのこと。

その後、プラウズ氏はボディービルダーとして活躍。1960年にミスター・ユニバース・コンテストに出場し、1962年から64年まで3年連続でイギリスのウェイトリフティング選手権を制覇しました。プラウズ氏は50歳の時でもデッドリフトで700ポンド(約317kg)を持ち上げることができたそうです。

そんなプラウズ氏が初めて映画に出演したのは、1967年の「007 カジノ・ロワイヤル」で、195cmという長身を活かし、フランケンシュタインの怪物役を演じました。その後、1970年公開の「フランケンシュタインの恐怖」、1974年の「フランケンシュタインと地獄の怪物」でもフランケンシュタインの怪物を演じました。なお、「フランケンシュタインと地獄の怪物」では、「スター・ウォーズ」でターキン総督を演じるピーター・カッシングとも共演しています。

Frankenstein And The Monster From Hell (1974) - Official Trailer - YouTube


また、1970年代半ばからは、イギリスで子どもたちに交通安全を教えるスーパーヒーロー「グリーンクロスマン」を演じており、イギリスの子どもたちの間ではプラウズ氏は非常に有名だったそうです。

Green Cross Code 1 - YouTube


また、1971年にはスタンリー・キューブリック監督の「時計仕掛けのオレンジ」で、車椅子で生活する作家を世話するマッチョなアシスタント役でも出演。セリフはほとんどないものの、プラウズ氏はその引き締まった筋肉だけで圧倒的な存在感を放ちました。ジョージ・ルーカス監督は、この「時計仕掛けのオレンジ」を見て、ダース・ベイダー役にプラウズ氏の起用を決めました。

Try the Wine - YouTube


なお、プラウズ氏が演じたのは「ダース・ベイダーの中身」で、声に関しては、プラウズ氏自身の英語がひどくなまっていたことと、マスクをかぶったことでセリフが非常に聞き取りづらかったことから、ジェームズ・アール・ジョーンズによるアフレコが行われました。また、エピソード5と6でのライトセーバーの決闘シーンでは、プラウズ氏がライトセーバーを何度も折ってしまうほど殺陣を苦手としていたため、スタントマンでフェンシング選手だったボブ・アンダーソン氏がダース・ベイダーを演じています。

さらに、エピソード6でマスクを外してルーク・スカイウォーカーに素顔をさらす場面では、プラウズ氏ではなくセバスチャン・ショウが素顔部分を演じました。プラウズ氏は、自身がダース・ベイダーの素顔を演じられなかったことに対して抗議し、さらに当時極秘事項だった「ダース・ベイダーが死ぬ」というラストをうっかり漏らしてしまったために、ルーカス監督との関係が急激に悪化。確執は長く続き、プラウズ氏は2010年にはルーカスフィルム関連のイベントへの出入り禁止を言い渡されてしまいました。

ダース・ベイダーの複雑な「中の人」事情について、ルーク・スカイウォーカーを演じたマーク・ハミル氏は「A:デヴィッド・プラウズはダース・ベイダー。B:ジェームズ・アール・ジョーンズはダース・ベイダーの声。C:ボブ・アンダーソンはスタントマン。D:ヘイデン・クリステンセンは僕の息子の世代」と説明しています。

A-David Prowse IS Darth Vader.
B-James Earl Jones is his voice.
C-Bob Anderson is his stunt-double.
D-Hayden Christensen is my son's age. #HowIMetMyDads pic.twitter.com/CoWaHJQKDo

— Mark Hamill (@HamillHimself)


プラウズ氏は、2015年にドキュメンタリー映画「I Am Your Father」に登場。また、プラウズ氏の人生を描いた映画「ストロングマン」の脚本も、制作はされていませんが存在が2017年に明らかになりました。プライズ氏は俳優業を2017年10月に引退し、もう公の場には出ない意志を示しました。

ハミル氏はプラウズ氏の訃報に対して「デヴィッド・プラウズが亡くなったと聞いてとても悲しいです。彼は親切な人で、ダース・ベイダーよりはるかに素晴らしい人物でした。プラウズ氏は俳優であり、夫であり、父であり、大英帝国勲章受章者であり、イギリスのウェイトリフティングチャンピオンであり、交通安全の象徴だったグリーンクロスマンでした。彼は、ファンが彼を愛したのと同じくらい、彼のファンを愛しました」とコメントしています。

So sad to hear David Prowse has passed. He was a kind man & much more than Darth Vader. Actor-Husband-Father-Member of the Order of the British Empire-3 time British Weightlifting Champion & Safety Icon the Green Cross Code Man. He loved his fans as much as they loved him. #RIP pic.twitter.com/VbDrGu6iBz

— Mark Hamill (@HamillHimself)

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
【訃報】初代ジェームズ・ボンド役で知られる俳優ショーン・コネリーさん死去 - GIGAZINE

【訃報】アベンジャーズのブラックパンサーを演じたチャドウィック・ボーズマンさん死去 - GIGAZINE

【訃報】心霊詐欺を暴くことに生涯をかけたジェームズ・ランディさんが死去 - GIGAZINE

【訃報】通販サイト「Zappos」元CEOのトニー・シェイ氏死去、創業10年弱で売上1000億円を達成 - GIGAZINE

【訃報】偉大なギタリストのエドワード・ヴァン・ヘイレンさん、がんのため死去 - GIGAZINE

【訃報】手塚治虫作品のヒゲオヤジ役や初代ドラえもん役などで知られる富田耕生さん死去 - GIGAZINE

in メモ,   動画,   映画, Posted by log1i_yk