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Twitchが著作権侵害でムービーを大量削除した件について謝罪


2020年11月11日、ライブストリーミング配信プラットフォームであるTwitchが、「2020年10月に大量のムービーを削除したこと」についての謝罪声明を発表しました。

Music-Related Copyright Claims and Twitch | Twitch Blog
https://blog.twitch.tv/en/2020/11/11/music-related-copyright-claims-and-twitch/

Twitch apologizes to streamers for its mishandling of music copyright - The Verge
https://www.theverge.com/2020/11/11/21560913/twitch-streamers-dmca-copyright-tools-apology

Twitch explains confusing copyright crackdown, urges users to delete videos | Ars Technica
https://arstechnica.com/tech-policy/2020/11/twitch-explains-confusing-copyright-crackdown-urges-users-to-delete-videos/

Twitchは2020年10月20日、デジタルミレニアム著作権法(DMCA)に基づいた申し立てに基き、大量のムービーを「著作権法に違反した音楽を使用している」として削除しました。この大量削除については、以下の記事で詳しく報じています。

Twitchが「著作権を侵害している」として大量の配信動画を削除 - GIGAZINE


Twitchは11月11日に公式ブログを更新し、「クリエイターの皆さんのお気持ちはよく分かります。最近の、音楽にまつわる著作権問題に対する皆さんのいら立ちや混乱は、至極当然のことです。今後は、何が起きているのか、どのようなツールやリソースを構築しているのかについて、より透明性を高めていきたいと考えています」と述べて、大量削除について謝罪しました。

また、Twitchは「DMCAに基づく著作権保護のためのものだった」と釈明していますが、DMCAは1998年に制定された法律であるため、2020年10月になって急にTwitchが著作権保護を迫られるようになったわけではありません。

この点について、Twitchは「今年の5月までTwitchが受け取る音楽関連のDMCA通知は年間50件未満でしたが、5月以降に主要なレコードレーベルから毎週数千件ものDMCA通知を受け取るようになりました。皆さんと同様に、我々も突然のDMCA通知の殺到に驚きました」と述べて、2020年5月から10月にかけて、著作権による申請が激増していたことを明かしました。

by Chris Potter

Twitchによると、2020年5月末から10月中旬までのDMCA通知のうち、全体の99%が「ストリーム配信のBGMとして用いられた音楽」に関するものだったとのことです。

5月の時点で、海外メディアのThe Vergeは「Twitchが大量削除したのは、アメリカレコード協会(RIAA)の規制強化によるものだろう」と指摘しています。また、IT系ニュースサイト・Ars Technicaも「CNNが8月に取り上げたように、RIAAは2017年以来710件しか行っていなかったTwitchに対する著作権侵害の申請を、2020年6月だけで1800件以上も申請しています」と指摘して、The Vergeと同様の見解を示しました。Twitchは、大量のDMCA通知を行った具体的な申請者を明かしていませんが、今回の発表により、「RIAAのDMCA通知が発端」とする予想が裏付けされた形となります。

Twitchは、大手レーベルからの圧力が大量削除の背景にあったと釈明する一方で、「クリエイターに送付した通知に不備があったこと」や、「クリエイターがコンテンツを適切に管理できるようなツールを提供してこなかったこと」など、Twitch側にも複数の不手際があったことを認め、その点についても謝罪しました。


また同時に、以下の3つの改善を行うことを約束しました。

・著作権で保護された音源を検出する技術を強化するとともに、「すべて削除」するオプションだけでなく、侵害した範囲のみ切り分けられるような細かいオプションを提供すること。
・コンテンツ中の音源を、より手軽に管理できるようにすること。Twitchはすでに、許諾を受けた音楽のライブラリであるSoundtrack by Twitchを構築していますが、クリエイターが独自に権利を取得した音源も使用できるよう改善していくとのこと。
・DMCA通知に対し、クリエイターがより簡単にその主張の内容を精査したり、異議申し立てを行ったりできるような方法を用意すること。

この発表について、The Vergeは「これはTwitchが正しい方向に向かうための第一歩です。しかし、そもそもTwitchが今までこれらを実装していなかったのは少し腹立たしいと感じます」とコメントしました。

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in ネットサービス, Posted by log1l_ks

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