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なぜ運動するモチベーションを失ってしまうのか?運動する気力を取り戻す方法とは


新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行によって、「運動したくてもできない」という未曽有の時代が訪れました。こうした時代の中、「運動に対するモチベーションが突如上昇し、その後下降した」という報告が相次いでいます。こうした運動に関するモチベーションの変化について、イギリスのラフバラー大学で心理学を教えるイアン・テイラー氏が原因を解説し、「モチベーションを失わない方法」を説明しています。

Lost your motivation to work out? Here's why – and how to get back on track
https://theconversation.com/lost-your-motivation-to-work-out-heres-why-and-how-to-get-back-on-track-148402

2020年に生じたCOVID-19の世界的流行を受け、イギリスは外出制限(ロックダウン)などの施策を実施し、スポーツジムやパブ、映画館などの一時的な閉鎖に踏み切りました。そして、ロックダウンと連動するように、人々の運動するモチベーションが一時的に高まりを見せたと報告されています。

イギリスのスポーツ振興を推進する公的機関Sport EnglandがCOVID-19の影響を測定するために実施した、イギリスの成人2000人を対象とするアンケート調査によると、ロックダウン中に人々の運動時間は増加し続けたことがわかっています。この運動時間の増加はロックダウンが解除される直前の2020年5月中旬にピークに達しましたが、ロックダウンが解除された後は運動時間は徐々に減少。ソーシャルメディアは「運動する気力を失ってしまった」という投稿であふれたとのこと。


テイラー氏によると、イギリスで確認された運動に対するモチベーションの変化の原因とは、「余暇時間」です。運動は余暇に行うアクティビティの一種であり、「パブに飲みに行く」「映画館に行く」といったその他のアクティビティと競合します。しかし、ロックダウンによってパブや映画館は閉鎖され、アクティビティの選択肢が消滅。こうした状況が、多くの人を運動に駆り立てたとテイラー氏は説明しました。

さらに、ロックダウンの実施という記念日的な「節目」も運動のモチベーションを高めたとテイラー氏は指摘。新年や新学期、誕生日などの季節的なイベントは、新しい物事を始めるきっかけとなり、モチベーションを高めることがわかっています。加えて、くしくもイギリスにおいてロックダウンが実施された4月と5月が、1年の間で最も運動に適した気候だったことも、こうしたモチベーションの変化を促進しました。

しかし、2020年6月からロックダウンが徐々に緩和され、パブや映画館が再開。余暇に行うアクティビティの選択肢が復活し、人々のモチベーションは低下したとのこと。テイラー氏は一連のモチベーションの変化について、「新年の抱負のように一時的なもの」「一時的に高まったものが正常に戻っただけ」と表現しています。


こうしたモチベーションの変化について、「一度高まったモチベーションが低下しないようにする方法」をテイラー氏は解説しています。テイラー氏によると、モチベーションの低下を抑えるためには、運動を楽に続けつつ、強固なモチベーションを見つけることが大切とのこと。強固なモチベーションを見つけるために、運動を「する」と考えるのではなく、運動をする人間に「なる」と考えるように勧めています。「自分は運動するタイプではないが、運動したい」と思っている人は家を出るまでに多くの精神的努力と意志力が必要ですが、「自分は運動するタイプだ」と思っている人は簡単に家を出て運動を始められるそうです。

しかし、「自分は運動するタイプだ」と思えるようになるには、日々の運動を続けることが肝要。こうした日々の運動を続けるために必要なのが、「楽に続けること」というわけです。テイラー氏は運動に必要な労力を最小限に抑える方法として、以下の4つを挙げています。

◆1:思いついたら即実行
運動の妨げとなる言い訳や誘惑を思いつくする前に運動すること。

◆2:事前準備はあらかじめ行う
引き出しからスポーツウェアを出すなど、事前準備をあらかじめ行うこと。また、施設などへの移動が必要な運動は避けること。

◆3:プロセスを細かく分割して考える
運動のプロセスを細かく分割して考えること。例えば「スポーツウェアを着る」「外に出る」といった行動は、それぞれ少しの労力だけで済みます。プロセスを細かく分けて考えることで、運動が簡単に感じられるようになります。

◆4:楽しいと感じる運動を行う
楽しい、気持ちいいと感じる運動を続けることは、しんどい、つらいと感じる運動を続けるよりも簡単です。ウエイトリフティングやジョギングをやるべきだと思っていても、縄跳びやダンスのほうが好きならば、自分の好きな運動を行うべきとのこと。

テイラー氏は、イギリスで2020年9月29日頃から新規感染者が急増し、地域ごとにロックダウンが再度実施されたという現状に触れて、「これ以上社会的制限が実施されることを望んでいる人は少ないと思いますが、こうした状況は健康的なライフスタイルを身につけるチャンスでもあります。運動するタイプになり、運動に踏み出す精神的な労力を最小限にとどめることで長期的なモチベーションの低下を抑えることができます」とコメントしました。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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