メモ

「孤独」から得られる4つのメリット


「孤独」に対してネガティブな印象を持つ人は多く、一般的に孤独であることは避けるべきと考えられています。しかし、歴史上、多くの哲学者が孤独を「最良のもの」と位置づけており、「魂をリハビリし、道徳を正し、愛情を新たにし、傷を消し、欠点を取り除き、神と人を和解させる」と語った詩人もいました。孤独の持つメリットとは何かを、ディーキン大学の哲学者であるマシュー・シャープ氏がまとめています。

Why philosophers say solitude can be helpful (even if you didn't choose it)
https://theconversation.com/why-philosophers-say-solitude-can-be-helpful-even-if-you-didnt-choose-it-147440

◆1:何をするにも自由


人が孤独であるとき、他人から何かを要求されることがないので、好きなタイミングで好きなことを実行に移せます。孤独は時間的な余裕を生み出すことが多いので、自分の望むものに注意を向け、好きなだけ思考や想像を行えることもポイントです。

◆2:自分と再接続できる


日常の中で人は自分自身よりも人間関係や実行中のプロジェクト、熱中していることに対してエネルギーを注ぎますが、孤独によりエネルギーを必要とする外界とのつながりや、そこから生まれるニーズは取り除かれます。孤独を愛する人がしばしば強調するのは、孤独により人は普段であれば得られない時間を得て、自分自身と向き合うことができるということ。自分と向き合うことは必ずしも心地いいものではありませんが、定期的に自分自身について評価することで、気持ちを新たにすることが可能です。

これを表すかのように、世界中の多くの文化が、集団から離れて一定期間にわたり孤独に過ごすという儀式を持ちます。儀式によって経験する苦しみや痛みを伴う孤独は「試練」としての役割を持ちますが、これは「自分自身に満足できなければ、回りの人を幸せにすることはできない」という考えに基づきます。

◆3:自分の中の「内面の要塞」を見つけられる


16世紀の哲学者であるミシェル・ド・モンテーニュは、男性の立場から「私たちは妻や子ども、財産を持ち、健康を保たなければなりません」と語りつつも、幸福は「誰かに依存するのではなく、自分というものの上に成り立たなければならない」としました。モンテーニュの語る「自分」は、孤独に伴う完全な自由、「内面の要塞」から生まれるものとのこと。マルクス・アウレリウスは内面の要塞について「自分の魂の中に位置する隠れ家」と説明し、シャープ氏は「活力を再び与えてくれるもの」と述べています。

◆4:全体像を見ることができる


日常の中で人は目の前のことや、近い内にやってくる予定に目を向けがちです。短期的な視点だけを持ち毎日を過ごすことで、気づかないうちに月日が過ぎ去ってしまうということもままあります。

しかし、孤独は人に「人生の全体像」を思い出させる手段を与えてくれます。孤独は、自分が生活の中で見過ごしていることは何か、やりたかったのにやらないまま放置したことは何か、自分の人生にとって偉大な存在とは何かを気づかせてくれるとのこと。


歴史的な文献をみても、探求者が孤独の中でだけ真実を知ることができるという描写が多く見られます。十字架のヨハネは「純粋な魂は他者からの尊重に煩わされず、内面的に神とつながり、あらゆる意味で孤独であり、静けさを楽しみ、その静けさの中で神の知識を得る」と述べました。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックで多くの人が孤独を経験する中で、孤独をやわらげ、人々のつながりを作り出す製品が生まれるのは当然のことですが、一方で「孤独の持つ利点」に目を向けることも有用だとシャープ氏は述べました。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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