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Uberが一時的に事業を停止せざるを得ない危機に直面、その理由とは?


現地時間の2020年8月10日、アメリカのカリフォルニア州高等裁判所が配車サービスのUberおよびLyftに対して「ドライバーを従業員として分類するように」という命令を下しました。Uberのダラ・コスロシャヒCEOは裁判所がこの命令を取り下げない限り、同社のカリフォルニア州での事業は閉鎖せざるを得ないと発言しています。

Uber may shut down temporarily in California
https://www.cnbc.com/2020/08/12/uber-may-shut-down-temporarily-in-california.html


Uber may shut down in California if forced to classify drivers as employees, CEO says - The Verge
https://www.theverge.com/2020/8/12/21364929/uber-california-shutdown-appeal-court-ruling-drivers

UberやLyftといった配車サービスでは、ユーザーを目的地まで送迎してくれるドライバーを企業の従業員としてでなく、独立請負業者として分類しています。UberおよびLyftはドライバーを独立請負業者とすることで、ドライバーが自由に働く時間を設定できる柔軟性が生まれるため、この制度は広く受け入れられていると主張しています。


しかし、労働組合や政治家からは、配車サービスはドライバーを独立請負業者とすることで、健康保険や補償をドライバーに負担させていると訴えました。そして2020年5月、カリフォルニア州のザビエル・ベセラ司法長官がロサンゼルスやサンフランシスコ、サンディエゴといった都市の弁護士と共に、UberおよびLyftに対してギグワーカーを保護する州法である「AB5法」に基づき、ドライバーを独立請負業者ではなく従業員として雇用するべきとして訴えを起こしました。

ベセラ司法長官はUberおよびLyftに対して直ちにドライバーを従業員として雇用するよう強制することができる予備的差止命令の申し立てを提出。UberおよびLyftは「ドライバーとしての仕事は会社の通常業務の範囲外である」と主張しましたが、カリフォルニア州高等裁判所はUberおよびLyftの主張を却下し、ドライバーを従業員として分類するよう命令を下したわけです。

UberとLyftが「ドライバーを社員として扱うように」と裁判所から命令される - GIGAZINE

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UberおよびLyftに対しては控訴のための10日間の猶予が与えられていますが、コスロシャヒCEOはMSNBC Newsに対して「命令見直しがないと、カリフォルニア州でフルタイム雇用への迅速な切り替えができるとは思えない」と見解を述べました。

海外メディアのThe VergeはUberおよびLyftに対し、今回の判決についてコメントを求めましたが、記事作成時点では返答は得られていません。

なお、Uberが2020年8月10日に裁判所に提出した申し立ての中でも事業を停止せざるを得ない可能性について言及しており、「Uberがドライバーを従業員として雇用する場合、そのための部門やシステムを構築する間、ほぼ確実にアプリを停止せざるを得なくなるため、アプリを使用して重要な収入を得ている何百万人ものドライバーは、差止命令が発効した日から少なくとも数か月間は収入を失うことになります」と記し、今回の命令はUberでドライバーとして働くすべての人に影響を及ぼす可能性があるとしています。

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in モバイル,   ソフトウェア,   ネットサービス,   乗り物, Posted by logu_ii

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