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トランプ大統領がTikTokに「2020年9月15日までにアメリカ企業に売却すること」を要求、Microsoftが買収に名乗り


アメリカのドナルド・トランプ大統領が2020年8月3日に、ショートムービー共有アプリ「TikTok」について、アメリカでの事業を9月15日までに同国の企業に売却しなければ国内での利用を禁止することを発表しました。TikTokを買収するアメリカ企業としては、Microsoftが有力視されています。

Exclusive: Trump gives Microsoft 45 days to clinch TikTok deal - Reuters
https://www.reuters.com/article/us-usa-tiktok-trump-exclusive/exclusive-trump-to-give-tiktoks-chinese-owner-45-days-to-reach-deal-to-sell-sources-idUSKBN24Y0UD

Trump calls TikTok a hot brand, demands a chunk of its sale price | TechCrunch
https://techcrunch.com/2020/08/03/trump-calls-tiktok-a-hot-brand-demands-a-chunk-of-its-sale-price/

Trump administration gives TikTok 45 days to sell to Microsoft or leave US [Updated] | Ars Technica
https://arstechnica.com/tech-policy/2020/08/microsoft-in-talks-to-acquire-tiktok-after-trump-ultimatum/

アメリカの民主・共和両党から「プライバシー上の懸念がある」ことが問題視されているTikTokについて、トランプ大統領は7月31日に「アメリカ国内でのTikTokの禁止を検討しています」と発表しました。これにより、TikTokがアメリカで使用できなくなることが確実視されるようになりましたが、かねてからTikTokの買収について交渉を進めていたMicrosoftは、8月2日に公式ブログを更新し「今後も買収交渉を継続していくこと」を明言しました。Microsoftはこの発表の中で、同社のサティア・ナデラCEOがトランプ大統領と電話会談をしたことや、9月15日までに協議を取りまとめる方針を明らかにしています。

トランプ大統領による「TikTok禁止」発言以降もMicrosoftはTikTokの買収交渉を継続中 - GIGAZINE


トランプ大統領は8月3日の会見で、Microsoftの発表について言及し「Microsoftでも他の企業でも、アメリカの安全な大企業がTikTokを買収するのであれば問題ないと考えています。交渉が適切な取引で、かつアメリカの財務省が大金を得られるような形で話がまとまらなければ、TikTokは9月15日に閉鎖されるでしょう」と述べました。

ロイター通信によると、トランプ大統領がTikTokを禁止する態度を軟化させ、アメリカ企業が買収すれば事業継続を許可する方針へと転換したのは、スティーブン・ムニューシン財務長官をはじめとする閣僚らの働きかけによるものだとのこと。11月3日の2020年アメリカ合衆国大統領選挙を目前に控え、トランプ大統領は若者から圧倒的な支持を得ているアプリの使用禁止をためらった可能性があると、ロイター通信の取材に応えた情報筋は指摘しています。


MicrosoftとTikTokの運営元であるByteDanceが買収交渉に合意すれば、アメリカ・カナダ・オーストラリア・ニュージーランドにおけるTikTokのサービスはMicrosoftが担うことになります。自社がTikTokを運営することについてMicrosoftは、公式ブログで「TikTokユーザーが愛している体験をベースに、世界基準のセキュリティ・プライバシー・安全性の保護が追加されます。Microsoftは、アメリカ政府および個人的な関与をしてくれたトランプ大統領に感謝し、アメリカのための強力なセキュリティ保護の開発を続けてまいります」と述べています。

一方、オーストラリアのエディス・コーワン大学でコンピューティングを教えているPaul Haskell-Dowland准教授は、「確かに、TikTokの所有権をアメリカの企業に移すことは、TikTokに対する中国政府の影響をめぐる懸念をぬぐい去るのに効果的かもしれません。しかし、ユーザーのデータが完全にMicrosoftに移管されるようにするためには、強力な監視が必要になるでしょう。なぜなら、ユーザーのデータがMicrosoftのものになったことを確認できるとしても、その前にコピーされていないことを証明することは困難だからです」と述べて、根本的な解決には至らない可能性を指摘しました。

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