ハードウェア

Appleが新型の12インチ「MacBook」に自社製ARMプロセッサを搭載する可能性が報じられる


Appleは長らくMac製品にIntel製のプロセッサを搭載してきましたが、近年のAppleは独自開発のプロセッサに注力しており、「Intel製チップをARMベースの自社製プロセッサに移行する計画だろう」とIntelも予想しています。そんな中、Apple関連の情報をたびたびリークしてきたFudge(@choco_bit)氏が、「Appleは新型の12インチ『MacBook』に自社製ARMプロセッサを搭載するだろう」との見解を示しました。

The Next Processor Change is Within ARMs Reach : apple
https://www.reddit.com/r/apple/comments/h7l6d7/the_next_processor_change_is_within_arms_reach/

12-inch MacBook could return with ARM — and a controversial throwback | Tom's Guide
https://www.tomsguide.com/news/12-inch-macbook-could-return-with-arm-and-a-controversial-throwback

Apple's Path to Arm-Based Macs Could Start With a New 12-Inch MacBook - MacRumors
https://www.macrumors.com/2020/06/12/arm-based-macs-12-inch-macbook-revival/


記事作成時点では、AppleはMacのラインナップ全体でIntel製プロセッサに依存していますが、数年前から「AppleはIntel製プロセッサからの脱却を目指している」と盛んに指摘されています。Apple内では、MacのメインプロセッサをIntel製から自社製に変更するプロジェクト「Kalamata」が進行中であり、2020年6月22日(月)に開催されるAppleの開発者向けイベント「WWDC」で、「Kalemata」が正式に発表されるとも予想されています。

AppleがMacを自社製カスタムARMプロセッサに変更するプロジェクトをWWDCで発表か - GIGAZINE


Fudge氏によるとApple内部におけるARMプロセッサへの移行プロジェクトは2015年ごろに始まったそうで、移行は4つの異なるステージで行われるとのこと。Fudge氏がサプライチェーンの情報源やMacBookの回路図、さまざまなAppleの指標に基づいて予測した4つのステージが以下。

◆1:2015年~2017年
Appleは2016年にリリースされたMacBook ProにARMベースのT1チップを搭載しており、これが自社製ARMプロセッサへの移行の第1段階だったとのこと。プロセッサの設計や検証に必要な時間を考慮すると、最初に計画が動き出したのは2014年~2015年ごろである可能性が高いそうです。

◆2:2018年~2020年(現在)
第2段階ではT1チップに代わるT2チップを搭載したMacBooc ProやiMac Proのリリースが行われ、より広範なMac製品に処理能力が向上した自社製ARMプロセッサが搭載されたほか、製品においてARMベースのプロセッサが制御するハードウェアやソフトウェアの範囲が広がりました。Kalemata正式発表前の2020年6月は第2段階の最終局面にあるそうで、「ARMベースのメインプロセッサを搭載した最初のMac製品」が近い内に発表されるとFudge氏は予想しています。

◆3:2020年(現在)~2022年、2023年
第3段階では少なくとも1台の「完全にARMプロセッサで動作するMac製品」が登場するとのこと。Fudge氏はこの最初の製品が「12インチのMacBook」になると考えており、2017年以降は新作の発表が途絶えているMacBookが新しいプロセッサを伴って復活すると見ています。構造的な欠陥が指摘されている独自開発のキーボード機構「バタフライキーボード」も、ARMプロセッサ搭載の12インチMacBookで復活する可能性があるそうです。

◆4:2024年以降
全てのMac製品が自社製ARMプロセッサに移行したのが第4段階であり、この時点では消費者もアプリ開発者も、AppleのARMプロセッサを搭載したMac製品に慣れる十分な時間があります。第4段階に入ったAppleがGPUでも自社製に移行する動きを見せるのか、それともAMD製のGPUに移行するのかどうかは不明だそうです。


Fudge氏はAppleがIntel製プロセッサから自社製プロセッサに移行する理由について、「Intelは近年、人々からの評判や実際の製品価値、製品開発の速度において重大な損失を出しています」と指摘。リリースのスケジュールがたびたび遅延するIntel製プロセッサから自社製プロセッサに移行することで、製品開発の予測不可能性を減らすことができると述べています。

また、Macで自社製ARMプロセッサを搭載することでAppleのエコシステムをより統一化することが可能であり、Mac製品においてより高いパフォーマンスを実現し、消費電力を削減してバッテリー効率を向上させることも期待できるとのことです。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
AppleがMacを自社製カスタムARMプロセッサに変更するプロジェクトをWWDCで発表か - GIGAZINE

Intelは「Appleは2020年にMacをARMプロセッサに移行する」と予想している - GIGAZINE

Appleが自社製ARMチップ搭載Macを2021年に発売するという報道 - GIGAZINE

Intelは「Appleは2020年にMacをARMプロセッサに移行する」と予想している - GIGAZINE

Appleが初のARMプロセッサ搭載Macを2021年にリリースするとアナリストが予測 - GIGAZINE

AppleがMacのCPUをIntelから自社製へ変更の動き、ハード・ソフトの完全なエコシステム構築へ - GIGAZINE

Appleのティム・クックCEOがIntelのモデムチップ事業買収は「主要な技術を制御することにつながる」と説明 - GIGAZINE

Appleが元ARMのCPU設計者を雇用、リードアーキテクトとしてCortex-A76などを設計 - GIGAZINE

in ハードウェア, Posted by log1h_ik

You can read the machine translated English article here.