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AMD RyzenやApple A4を設計した天才エンジニアのジム・ケラーがIntelを突如退職


AMDのAthlon(K7)やZenマイクロアーキテクチャApple A4A5の開発に携わり、「天才エンジニア」と高い評価を受けているジム・ケラー氏が、2018年から務めていたIntelを退職したことを、Intelが発表しました。

Changes in Intel’s Technology, Systems Architecture and Client Group | Intel Newsroom
https://newsroom.intel.com/news-releases/changes-intels-technology-systems-architecture-client-group/


Jim Keller Resigns from Intel, Effective Immediately
https://www.anandtech.com/show/15846/jim-keller-resigns-from-intel-effective-immediately


Intelによれば、ケラー氏は「個人的な理由」により2020年6月11日付けでIntelを去ったとのこと。


ジム・ケラー氏は1998年までディジタル・イクイップメント・コーポレーション(DEC)に在籍し、Alpha 21164Alpha 21264の設計に携わりました。その後、チップメーカーのAMDに移籍し、Athlon K7の立ち上げに取り組みました。

1999年にAMDを離れ、SiByteやP.A.Semiでプロセッサの開発チームとして活躍し、2008年にAppleに移籍。A4やA5、MacBook Airの開発に携わったあと、2012年にAMDへ呼び戻され、Zenマイクロアーキテクチャを設計し、Zen2マイクロアーキテクチャの基本設計にも携わりました。

そして2015年に再びAMDを離れたケラー氏は、電気自動車メーカーのテスラに移籍。ケラー氏はテスラで自動運転用チップの開発に関わったといわれています。

Jim Keller Leaves AMD | PC Perspective http://t.co/nWeVRhZw2Y pic.twitter.com/JK2kIt9rTR

— Ryan Shrout (@ryanshrout)


そして2018年には、ケラー氏がかつて在籍していたAMDのライバル企業であるIntelへ移籍し、SoCの開発をはじめとする半導体エンジニアリング全般を指揮するシニア・ヴァイス・プレジデントに就任しました。

AMD Ryzen設計者の天才ジム・ケラーがテスラを辞めてIntelへ電撃移籍 - GIGAZINE


ケラー氏は、Intelでは製品開発を合理化するため、チップ開発部門の設計スタッフの再編成を敢行。技術系メディアのAnand Techが移籍直後のケラー氏に行ったインタビューで、「ラボを立ち上げて、SoCがどのように機能するか、電力性能の特性化をどのように行うかについて検証し、人々と話をしています。私たちは新しく設計を行うためにかかる時間や品質指標について評価しています」と述べています。

また、ケラー氏はインタビューで「IntelはすでにAIを駆使する企業の1つであり、ほとんどすべてのソフトウェアスタックがXeon上で実行され、私たちはかなりの数のプロジェクトを進行しています。高度な開発と基本的な作業が行われており、私なりのプロセスと方法論があります」と答えており、何らかのSoCの開発に関わっていたとみられています。

Intel's Jim Keller, SVP of the Silicon Engineering Group, has left the company, effective immediately, due to personal reasons.https://t.co/fvkfsl2IO5

Tip @Techmeme pic.twitter.com/hTOwnbtbeU

— AnandTech (@anandtech)


ケラー氏が具体的にIntelでどういった成果をあげたのかは不明ですが、ケラー氏が抜けた穴は大きいようで、Intelはケラー氏の異動と共に人事の再編成を発表しています。

ただし、契約の都合上、ケラー氏はIntelを退職したものの、少なくとも6カ月間はIntelのコンサルタントとして活動するとIntelは述べました。また、2020年8月に開催される高性能チップに関する学会「Hot Chips 32」ではケラー氏がIntelの従業員という肩書のまま、基調講演を行う予定とのことです。

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in メモ,   ハードウェア, Posted by log1i_yk

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