生き物

Twitterで新種の菌が偶然発見される、学名はTwitterに由来


コペンハーゲン大学デンマーク自然史博物館の研究者が、Twitter上で見かけた画像をきっかけに新種の菌を発見しました。Twitterをきっかけに新種の菌が発見されるというケースは非常に珍しく、発見された菌にはTwitterにちなんだ学名がつけられました。

The first Laboulbeniales (Ascomycota, Laboulbeniomycetes) from an American millipede, discovered through social media
https://mycokeys.pensoft.net/article/51811/


New Fungal Species Discovered on Twitter | Biocompare: The Buyer's Guide for Life Scientists
https://www.biocompare.com/Life-Science-News/564350-New-Fungal-Species-Discovered-on-Twitter/


コペンハーゲン大学自然史博物館の生物学者であるアナ・ソフィア・レボレイラ氏は、Twitter上でバージニア工科大学の昆虫学者のデレク・ヘンネン氏が投稿した1枚の写真に目がとまりました。

以下がヘンネン氏がツイートした画像、写っているのは北アメリカに生息するヤスデの一種であるCambala annulataです。レボレイラ氏は画像の上部にある2つの赤い丸部分に見られる小さな点に注目し、新種の菌なのではないかと考えました。


ヤスデは主に湿った環境に生息しており、成体で世代重複があり、個体数が大きく安定するため、菌の生息環境として優れています。そのため、ヤスデの体表には、昆虫に寄生することで知られるLaboulbeniales目の菌が繁殖していることがよくあります。特に、交尾による接触で感染するため、Laboulbeniales目の菌はヤスデの生殖腺周囲に多いとのこと。

ヘンネン氏の画像に見つかった小さな点が本当に新種の菌なのかどうかを確かめるため、レボレイラ氏は同僚のヘンリク・エンゴフ氏と共に、博物館に収蔵されているCambala annulataの標本をチェック。すると、複数の標本からLaboulbeniales目の新種が発見されました。

以下の画像が発見された菌。発見されたきっかけがTwitterだったことにちなんで「Toglomyces twitteri」という学名が名付けられました。


Laboulbeniales目の菌は昆虫学と菌類学の両方に精通していなければ研究対象になりづらく、さらにDNAの分離が困難という技術的な問題によってほとんど研究が進んでいないそうです。

レボレイラ氏は「私が知る限り、Twitterで新種の菌が発見されたのは今回が初めてです」と述べ、「研究の共有によって新しい成果を達成するために、プラットフォームは重要です。プロ・アマ問わず、研究者がソーシャルメディアを通じてより多くのデータを共有できるようになってほしいと考えています。新型コロナウイルス感染症のパンデミックによって多くの研究者が研究室に行けなくなってから、特にそう感じています」と語りました。

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in サイエンス,   生き物, Posted by log1i_yk

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