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無料で全編公開中のマイケル・ムーア最新作「Planet of the Humans」


華氏 911」「シッコ」といったドキュメンタリー映画で知られるマイケル・ムーア氏がエグゼクティブ・プロデューサーをつとめた、クリーンエネルギーの実態に迫るドキュメンタリー「Planet of the Humans」がYouTubeで全編無料公開となっています。YouTubeには「今まで見た中で最も病的で、恐ろしく、悲しいドキュメンタリー」と衝撃に打ちのめされるコメントが並んでいます。

Michael Moore Presents: Planet of the Humans | Full Documentary | Directed by Jeff Gibbs - YouTube


ムービーは「人類はいつまで続いていくか?」という質問を道行く人々に尋ねるところからスタート。


答えは「ずっと」「100万年くらい」「47年3カ月と5日」など、回答はさまざま。「長い間人類は続いていくと思うけれど、私たち自身が変化すると思う。猿に戻るのかもしれない」といった答えもありました。


化石燃料が与える影響が懸念されだしたのは、今に始まったことではありません。1958年に撮影された映像では既に地球温暖化への警告が行われていました。しかし、2020年になっても人類は地球温暖化との戦いに負け続けています。


なぜ地球温暖化との戦いに人類は負け続けているのか?という点に切り込んだのが、環境活動家であり、このムービーを監督したジェフ・ギブス氏。


地球温暖化を解決するには、化石燃料ではなくクリーンエネルギーを利用することが鍵になるといわれています。ということで、ギブス氏はまず、クリーンエネルギーを提供するとして期待されている「ソーラーパネル」のイベントへ。


このイベントではソーラーパネルがそこかしこに設置され……


展示ブースもあり、ソーラーパネルについての説明も行われています。


バンドの演奏があり……


参加者ははだしで踊っています。


しかし、イベントの裏側に回ってみると、ソーラー発電機ではなく、バイオディーゼルの発電機が稼働しており……


「雨が降ると対応しきれないから」と、一般的な発電機も利用されていました。


実際に、イベントの途中では雨が。このように、ソーラーパネルをアピールするイベントを開催するために化石燃料が使われるという矛盾が生じているわけですが、このような矛盾がさまざまなレベルで起こっているというのが問題の所在です。


そもそもグリーンエネルギーのムーブメントはオバマ政権で起こりました。この時期にグリーンエネルギーを推進するさまざまな政策が取られ、助成金が設けられるとともに、石油・ガス会社向けの補助金削減が行われました。


この時期、企業や銀行は自分たちのブランドを緑っぽい色にしてイメージを改め、助成金を得ることに成功しています。しかし、実際には多くの企業がいまだ天然ガスに依存しているとのこと。


Appleは発表会で……


「100%再生可能なエネルギー」をうたっています。


衛生からの地図を見てみたところ、実際にAppleのデータセンターの近くにはソーラパネルが並んでいます。


しかし実際には、2020年になっても電力会社に頼らざるを得ない状態です。


多くの会社が「100%再生可能エネルギー」といった言葉を宣伝していますが、実際に全てのエネルギーを太陽光あるいは風力でまかなっている企業は存在しないとのこと。Google、Apple、Teslaなど多くの企業がアピールする言葉には、うそが含まれるというわけです。


これはソーラーパネルや風力タービンは太陽や風がない時にはエネルギーを提供しないという不安定を抱えていることと、わずか数年で劣化するという欠点によるもの。しかも、これらの設備を作り出すには大量の化石燃料が必要です。


加えて、Appleが「再生可能エネルギー」としてアピールするバイオマスや木材チップは、基本的には大規模な伐採により作成されるものであり、材料を伐採したり輸送したりするのにも大量の化石燃料が必要になります。


本質的にクリーンエネルギーを活用する方法には問題があり、人類を継続していくためには人間の人口増加と消費を把握しコントロールする必要がありますが、これは企業にとっての利益を生み出すものではありません。2020年時点での環境主義は資本主義の文脈でしか語られていないという問題をムービーは映像でありありと映し出します。


ギブス氏は映画の中で、人間が死を迎えるように、種自体が死に直面していることを示唆しています。なお、YouTubeのコメント欄には「今まで見た中で最も病的で、恐ろしく、悲しいドキュメンタリー」「これまで見たものの中で最も悲しいラスト」「自分史上もっとも憂うつなドキュメンタリーだが、平手打ちが必要な時期なのだ」というコメントが並んでいました。

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in 動画, Posted by darkhorse_log

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