1930年製のタイプライターをLinuxのターミナル画面にしてアスキーアートまで打ち込ませてしまうムービー
文字盤を打鍵することで文字を紙に打ち付けることができるタイプライターは、19世紀から20世紀にかけてビジネスにおいて幅広く利用されました。そんなタイプライターをLinuxのターミナル画面として使用するムービーを、ビンテージコンピューターのレストアなどを行っているCuriousMarc氏がYouTubeに公開しています。
Using a 1930 Teletype as a Linux Terminal - YouTube
CuriousMarc氏がターミナル画面として使用するのは「TG-7-B」という型番のタイプライター
1930年に登場し、1960年代まで軍隊でのコミュニケーションなどに使用されていたとのこと。
「TG-7-B」で入力した文字は5ビットのBaudotコードに符号化され……
符号化された文字は電磁石によって復号され、紙に印刷されます。
CuriousMarc氏は、まずコンピューターからタイプライターへ文字を送信する仕組みを作ることに。タイプライターの資料からトランジスタや抵抗器の実装方法を検討します。
ブレッドボードに電子部品を実装したところ。「REC」側にコンピューターを、「SEND」側にタイプライターを接続して使うとのこと。
REC側にシリアルデータジェネレータ「HP 8018A」を接続し、動作確認を行います。
タイプライターに信号を送信すると……
文字が印刷されました。
CuriousMarc氏は文字の入出力を制御するコンピューターとしてArduinoを使用。
ASCIIコードとして入力される8ビットの信号を、5ビットのBaudotコードの信号に変換して出力する必要があるので、Eclipseを使用してArduinoをプログラミングするCuriousMarc氏。
ブレッドボードとプログラミングしたArduinoをケースに収め、スイッチ類を取り付けると……
タイプライターをターミナルにできるボックスが完成。
また、タイプライターは大文字にしか対応していないため、CuriousMarc氏は仮想端末の制御プログラムであるagettyを用いて、大文字のみの端末を検出できるようにしているとのこと。
agettyを使ってArduinoのシリアルポートである「/dev/ttyS0」にタイプライターをターミナルとして接続すると……
タイプライターにログイン画面が表示されました。
さっそくログインしようとしたところ、エラーが表示されてログインができませんでした。
「sudoが必要なのか!」とCuriousMarc氏。どうやらagettyの実行に管理者権限が必要だった模様。sudoをコマンドの先頭に加えてagettyを実行すると……
ログインに成功。
ディレクトリを表示したり……
アスキーアートを表示したりして楽しむCuriousMarc氏。
通常の画面では収まらないようなアスキーアートも、タイプライターならすべて表示することができます。
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