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Amazonの倉庫作業員が新型コロナウイルスのパンデミックで直面する恐怖を告白


新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、日本では東京都や神奈川県、埼玉県、福岡県などで学校などの教育施設、劇場や映画館、展示場、集会場や公会堂などの施設、体育館やボウリング場などの運動施設、キャバレーやナイトクラブなどの遊興施設に対して休業要請が行われています。世界各国でも都市封鎖に伴い多くの企業に対して休業要請が行われていますが、Amazonの倉庫で働く作業員たちは自宅待機することもできず、働き続けなければいけない状況に多くの不安を抱えています。

Nine Amazon workers describe the daily risks they face in the pandemic | Ars Technica
https://arstechnica.com/tech-policy/2020/04/9-amazon-workers-describe-the-daily-risks-they-face-in-the-pandemic/

Amazonのフルフィルメントセンターで働きながら、荷物や食料品を配達する労働者たちは、Amazonが直接雇用している人もいれば、請負業者の従業員というケースもあります。フルフィルメントセンターの従業員たちは自身や家族がいつ新型コロナウイルスに感染するのかと恐怖を感じながら働いており、その多くが「Amazonが自分たちの安全を確保するために取っている策は十分なものではない」と感じているとのこと。


ニューヨークタイムズによれば、Amazonの倉庫はアメリカに500以上存在しますが、そのうちの50の倉庫が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を受けているとのこと。集団感染によりデトロイトやニューヨーク、シカゴの倉庫で働く従業員たちはストライキを起こしています。

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Amazonの新型コロナウイルス対策には政治家たちも疑問を抱いており、バーニー・サンダース氏、コーリー・ブッカー氏、ロバート・メネンデス氏、シェロッド・ブラウン氏らが同社のジェフ・ベゾスCEOに対して、職場での安全対策についての回答を求める書簡を送り、「Amazonが労働者の安全を守ることができていない場合、従業員が危険にさらされるだけでなく、国全体が危険にさらされることとなります」と訴えています。

さらに、労働安全衛生局はAmazonの労働者の健康が守られていなかったとして、ペンシルバニア州にあるAmazonの倉庫を調査していると発表しました。また、カリフォルニア州にあるAmazon倉庫の従業員は、同日に州および郡の規制当局に同様の苦情を提出しています。

こういった状況に対して、Amazonの広報担当者は「我々の従業員は地域社会のために戦いながら、人々が危機的状況においても必要なものを手に入れられるよう手助けするヒーローです。同社はコミュニティと最も脆弱な人々に対してサービスを提供しながら、進行中のCOVID-19パンデミックに取り組むすべての企業と同様に、従業員の安全を守るために懸命に取り組んでいます。具体的には、従業員の安全を保つために入念な清掃を通常時の3倍行い、利用可能な安全用品を調達し、倉庫内の人々が安全な距離を保つようルールを変更しています」とコメント。

さらに、Amazonは従業員を保護するために150以上の変更を加えたとしており、例えばフェイスマスクをすべての従業員に配布し、社会的距離を保つためのルールを導入し、シフトの開始時間をずらし、ワークステーション間の距離を増やすなどしているそうです。さらに、出社時に従業員の検温を行い熱がないかを確認しているとのこと。ただし、新型コロナウイルスに感染した多くの人が無症状であることを考えると、対策が十分なものであるかは不明です。これに加え、Amazonは時間給労働者の賃金を引き上げ、4月の終わりまで無給休暇を取れるように制度を変更したとも語っています。


しかし、Amazonの倉庫で働く40代前半の人物は、「私はパートナーと共に数年間にわたってAmazonで働いています。私たちは自身の仕事を最高だと思っており、仕事自体は大好きです。しかし、会社が従業員をどのように扱っているかは別で、まるで使い捨てのように扱われることは納得がいきません。新型コロナウイルスのパンデミックが起きてから数週間、私たちは無給休暇を利用しました。そのため、来月の給与小切手は6時間分の労働への対価しか支払われないものと思います。私が一緒に暮らしている母はペースメーカーを装着しているため、自宅待機を続けています。給料がなくなったとしても仕事に出たくないのです。実際、今月の支払い方法に頭を悩ませています」と、苦しい状況を告白。

さらに、男性は「Amazonが従業員向けに独自のニュースを通知し、その中には出荷作業時に使用するスキャナーを確実に消毒する必要があると書かれていました。しかし、倉庫作業員はシフトごとに一定数の商品を出荷する責任があるため、スキャナーの消毒作業は従業員を殺すかのようです。他にも、メイン玄関には回転式のドアがあるのですが、これは誰もが触れなければいけない構造となっています。私はこれまでこの回転ドアが清掃される様子を1度も見たことがありません。私の倉庫では900人以上が働いており、出入り口が3つ存在するのですが、ここで働いていたひとりの従業員が新型コロナウイルスに感染しました」と語り、衛生状況を保つための施策に疑問を投げかけています。

また、Amazonの倉庫内で働く従業員向けに食品を販売する30代前半の人物は、「私の働く倉庫は非常に狭いので、社会的距離を保つことはある種不可能です」とコメント。また、この人物は16歳の息子が1型糖尿病を患っているため、ウイルスを家に持ち帰ってしまわないか不安でいると語っています。

Amazonと契約している配送業者の従業員として、同社の商品を配達する40代の配達員は、「5分前に、倉庫内の作業員の誰かが陽性反応を示したことが分かりました。しかし、Amazonは倉庫を閉鎖していません。彼らは何もしていません。これまで新型コロナウイルスに関する情報はあまり得られていませんでした。Amazonは私の上司と連絡していなかったため、彼は何も知りません。私が起きている事態について知るための唯一の方法は、オンライン上でウェブサイトをチェックすることだけです。そして、誰かが既にウイルスに感染しているのが明らかになったのち、配達員はワイプや手袋を使用できることを初めて知らされました。私は1.8メートルの社会的距離を保ちながら自身の仕事をこなそうとしていますが、商品を手元まで運んでもらうことを期待する顧客が多くいます。私には4人の孫と2人の子ども、妻、2匹の犬がいます。私は新型コロナウイルスに対して最も脆弱な年齢層ではないかもしれませんが、それは非常に恐ろしいものと感じています。Amazonがもう一歩踏み込み、我々倉庫作業員を守ってくれるようになることを願っています」と語りました。

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in メモ, Posted by logu_ii

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