ハードウェア

まるで巨大なサングラスのようなVRヘッドセット「Vive Proton」や「Vive Cosmos」新モデル3種をHTCが発表


仮想現実(VR)デバイス「HTC Vive」をリリースするモバイルデバイスメーカーのHTCが、新しいVRヘッドセット「HTC Vive Proton」や、「Vive Cosmos」の新機種3モデルを発表しました。

HTC takes its own magic leap, announces Vive Proton prototype headset | Ars Technica
https://arstechnica.com/gaming/2020/02/htc-takes-its-own-magic-leap-announces-vive-proton-prototype-headset/

「仮想現実・拡張現実(AR)・複合現実(MR)の3つに対応した没入型ヘッドセットシステム」というHTC Vive Protonがコレ。HTC Vive部門のジェネラルマネージャーを務めるダン・オブライエン氏によれば、「実動するプロトタイプ」を撮影したものだとのこと。Protonはまるで巨大なサングラスのように見えますが、IT系メディアのArs Technicaが「ARデバイスのMagic Leap OneMicrosoft HoloLensのような透明なガラスにコンテンツを映し出される」のか、それとも「両目部分に取り付けられているらしいカメラを通じて外の世界が見えるようになっている」のかをオブライエン氏に尋ねたところ明確な回答は得られなかったそうです。


Protonは頭をバンドで固定するのではなく、メガネのような形状をしており、ツルで頭を挟み込む設計となっています。ツルからはケーブルが出ており、さまざまな処理を行うコンピューター、あるいはバッテリーや5G接続のモデムに接続されているのではないかとArs Technicaは予測していますが、明らかになっていません。


また、実動するプロトタイプの写真とは別のモデルとなるProtonの画像も公開されています。このモデルのProtonではコードが完全に消滅。バンド形式になっており、スピーカーらしきものも取り付けられていて、見た目は完全にスタンドアローン型のVRデバイスです。


オブライエン氏によれば、Protonのヘッドセット自体は360度の視界と体の前後・左右・上下の動きを認識できる6DoFに対応しているとのことですが、記事作成時点では360度の視界のみに対応した3DoFで動作しているとのこと。また、オブライエン氏はあくまでもProtonは開発中のものであり、記事作成時点で明らかにできる仕様や詳細はないと何度も強調したと、Ars Technicaは述べました。

一方、PCに接続しなくても単体で使えるスタンドアローン型VRデバイスのHTC Vive Cosmosは、ヘッドセットの部品を組み替えることで機能拡張できるのが特徴です。解像度は2880(片目1440)×1700ピクセルで、リフレッシュレートは90Hz。内蔵カメラによるインサイドアウト方式を採用しているので、部屋に外付けカメラやセンサーを置かなくても使用可能となっています。HTCがこのVive Cosmosの新モデルとして、「Vive Cosmos Play」「Vive Cosmos Elite」「Vive Cosmos XR」の3種類を発表しました。

Vive Cosmos Playはエントリー向けの低価格モデルで、ヘッドセットの前面にカメラを2つ、側面に2つ搭載しており、ステレオヘッドホンは内蔵されていません。価格は不明ですが、Ars Technicaがオブライエン氏に499ドル(約5万6000円)という予想をぶつけたところ、後日HTCの担当者から「Vive Cosmos Playの価格を詳細に検討して、お客様にとって最高の価値を保証します」というメールが送られてきたとのこと。


Vive Cosmos Eliteはヘッドセットと2つのHTC Viveのトラッカー2つとSteam VR Tracking用のトラッカー2つがセットになっていて、歩き回ったり周囲の物に触れたりしながらVRを楽しむ「ルームスケールトラッキング」を想定したモデルになっているとのこと。フェイスプレートにカメラはありますが、より正確なトラッキングをコンセプトにしているため、インサイドアウト方式は使えないとのこと。対応するコントローラーはVIVE Cosmos コントローラーのみで、Oculus Touchコントローラーは使えません。Vive Cosmos Eliteの価格は899ドル(約10万円)が予定されています。


Vive Cosmos XRのヘッドセットには前面に4つ、側面に2つのカメラが搭載されています。前面のカメラはパススルーで、最大100度の視野で外の世界を画面に映し出すことが可能。VRコンテンツと現実世界を融合させる楽しみ方ができるとのこと。Vive Cosmos XRの価格は不明です。発表されたVive Cosmosの新3モデルは組み替え用のパーツも販売される予定で、既にVive Cosmosを持っている人はパーツの購入によってハードウェアをアップデートできるとのこと。


なお、今回のVive ProtonとVive Cosmosの新3モデルは、新型コロナウイルスの影響で開催中止となった世界最大級の携帯電話展示会「MWC Barcelona 2020」で発表される予定だったとのこと。HTCは、Vive Cosmosの新しい3モデルについては2020年3月に開催予定のGame Developers Conference(GDC)であらためて披露する予定だと述べていますが、既に同業他社であるOculus VRが出展中止を宣言しているため、果たして無事にGDCが開催されて発表できるかが気になるところです。

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in ハードウェア, Posted by log1i_yk

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