ソフトウェア

「マスク非着用者を顔認識AIで探し出す」ツールが新型コロナウイルスのまん延する中国で開発される


2019年12月に中国の武漢で発生した新型コロナウイルス感染症は世界中に感染が拡大しており、中国当局は公共エリアでのマスク着用を強制しています。そんな中、中国の検索大手である百度(Baidu)が、マスクをつけずに外出している人を人工知能(AI)で識別して探し出すオープンソースツールを開発しました。

Baidu releases open-source tool to detect faces without masks · TechNode
https://technode.com/2020/02/14/baidu-open-source-face-masks/


Baidu Releases AI to Identify People Who Don't Wear Masks Amid Coronavirus
https://interestingengineering.com/baidu-releases-ai-to-identify-people-who-dont-wear-masks-amid-coronavirus

厚生労働省のデータによれば、記事作成時点で中国では新型コロナウイルスの感染者が7万2000人以上、日本では検査で陽性を示した者が66人で、今後も感染者が増加する可能性が指摘されています。(せき)やくしゃみによる飛沫(ひまつ)によって新型コロナウイルスの感染を拡大させてしまうリスクを減らすため、中国当局はレストランやショッピングモール、公共交通機関などの公共エリアでマスクの利用を義務づけています。

実際に、中国深圳(シンセン)市のスーパーマーケットで、マスクの着用を拒んだ女性が逮捕される事件が発生しています。

中国でマスクの着用を拒んだ女性が逮捕される事件が発生 - GIGAZINE


しかし、マスクをしているかどうかの検査は基本的に目視と手作業で行われるため、群集の中でマスクを着けていない人がいるかどうかを正確に特定するのは困難です。

そんな中、Baiduが開発したツールは、顔認識AIによって群集の中でマスクを着用していない人、あるいはマスクを正しく着用できていない人をリアルタイムで特定可能だとのこと。


AIのアルゴリズムはおよそ10万種もの顔画像が含まれたデータセットで訓練されており、マスクを着用していない人をおよそ96.5%の精度で識別し、定期検査を自動的に行うことができます。この顔認識ツールを使用することによって、中国当局による検査も大幅にスピードアップするとBaiduは述べています。

また、Baiduは中国のウイルス診断と治療計画、数百万の医療相談データを利用して、新型コロナウイルスの感染リスクを自己判定できるツールもリリースしています。

なお、マスクには「自分から他者への飛沫感染」のリスクを減らす効果はあっても、「他者から自分への感染」を遮断する効果は薄く、エンベロープを持つ新型コロナウイルスはアルコールや石けんに弱いため、多くの専門家がマスクの着用よりも入念な手洗いとうがいがより重要だと述べています。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
台湾が新型コロナウイルス予防キャンペーンに起用した「柴犬」が可愛いと大人気に - GIGAZINE

新型コロナウイルスに対抗すべく無料の「ロックフェス生放送」を中国のBilibiliが実施 - GIGAZINE

Appleが公式に「コロナウイルスの影響で売上が低下する」という予想を発表 - GIGAZINE

新型コロナウイルスの症例報告数が一晩で1万5000件近く増加した理由とは? - GIGAZINE

新型コロナウイルスの影響で世界最大級の携帯電話展示会「MWC」が開催中止 - GIGAZINE

新型コロナウイルスがさまざまな分野に変革をもたらしている - GIGAZINE

新型コロナウイルスとインフルエンザの症状や予防策を比較するとこうなる - GIGAZINE

ウイルス対策のマスク着用が日常生活にもたらす意外な弊害とは? - GIGAZINE

in ソフトウェア, Posted by log1i_yk

You can read the machine translated English article here.