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Linuxのファイルシステム「Btrfs」を5年間使用した記録

by Rawpixel

ストレージに記録されたデータを管理するファイルシステムは、WindowsのNTFSやLinuxのext4が有名ですが、他にもLinuxで使えるファイルシステムとしてZFSBtrfsがあります。そのBtrfsを自身のサーバーで5年間使用したMark McBrideさんが、Btrfsを選んだ理由とその使い勝手を評価した記録を公開しています。

Five Years of Btrfs | MarkMcB
https://markmcb.com/2020/01/07/five-years-of-btrfs/

Btrfsはファイルの自己修復機能やスナップショット機能を備えた障害に強いファイルシステムであり、企業のサーバーなどで採用実績があります。Markさんは自身のサーバーのデータ容量が増え、ストレージシステムを見直そうとしたとき、BtrfsとZFSのどちらを採用すべきか迷ったそうです。どちらも成熟していて機能も豊富なファイルシステムであり、インターネット上でもどちらを採用するかについては議論が絶えない議題。しかし、ストレージの構成を将来的に変える可能性がある場合は、Btrfsが望ましいとMarkさんは語っています。

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ZFSは物理的なストレージの追加がやや難しく、追加してももともと保存されていたデータを追加したストレージに分散してくれる機能はありません。それに対し、BtrfsはZFSよりも柔軟にストレージの追加や削除といった操作が可能です。例えば2台の容量が8TBのHDDをミラーリングしている場合、ZFSでは同じく8TBのHDDを2台用意することが推奨されていますが、Btrfsの場合は6TBと10TBのHDDを追加しても問題なくミラーリングでき、追加したストレージにデータを分散させることもできます。

Markさんの5年間にわたる自身のストレージ構成の変遷が以下。2011年当初はサーバーの規模も小さく、1TBのHDDを5台使ってRAID5を組んでいました。ファイルシステムはext4を使用していたとのこと。2013年になると、3TBのHDD4台でRAID10を組んでいます。


2015年から、MarkさんはBtrfsを使い始めます。2015年時点ではRAID6を組んでいましたが、当時BtrfsによるRAID6は実験的なものだったこともあり、2016年下期にはRAID1に切り替えることに。また、2016年からはZFSを使ったバックアップ用サーバーも稼働しています。


2017年にはストレージ構成を大幅に変更しています。メインのサーバーでは6台あったHDDを5台に集約し、バックアップサーバーでは6TBのHDDの3台構成から8TBのHDDの4台構成へ変更。ストレージ構成の変更が簡単なBtrfsが使われているメインサーバーでは特に苦労はありませんでしたが、ZFSを使ったバックアップサーバーはファイルシステムの再構成を強いられたとのこと。


2018年からはバックアップサーバーでもBtrfsを使用することに。2019年、2020年とバックアップサーバーでHDDの故障に見舞われましたが、新しいHDDに交換することで事なきを得たとのこと。


ZFSのデータ処理方法やデータ容量の効率は素晴らしいですが、データ容量が大きく頻繁にストレージ構成を変える人には適していないとのこと。しかし、bcachefsなどの新しいファイルシステムも登場してきており、この先5年間でファイルシステムがどう進化するのか楽しみだとMarkさんは語っています。

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in メモ,   ソフトウェア,   ハードウェア, Posted by darkhorse_log

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