ネットサービス

新型コロナウイルスに関する「デマ」がSNS上で多数飛び交っているとAFP通信が警告

By pixel2013

中国で発生した新型コロナウイルスの罹患(りかん)者は4000人を突破し、中国国外でも日本を含む17の国と地域で65人の感染者が確認されています。こうした中、「SNS上で新型コロナウイルスに関するデマが多数出回っている」とAFP通信が警鐘を鳴らしています。

These Lies And Conspiracies About The Wuhan Coronavirus Are Totally False
https://www.sciencealert.com/here-s-all-the-nonsense-people-are-spreading-about-the-wuhan-coronavirus

2020年1月28日、中国の保健当局である国家衛生健康委員会は、「新型コロナウイルスの患者は1771人増え、累計で4515人。死者は新たに26人増え、累計で106人になった」と発表しました。

新型肺炎 中国の患者4515人 死者は106人に | NHKニュース


日本でも複数の感染者が確認されていましたが、発生源の中国・武漢に渡航歴がない60代の日本人男性が感染していたことが1月28日に確認されました。国内における「ヒトからヒト」感染の初の症例だと考えられています。

新型肺炎 日本人で初の感染確認 国内感染か 武漢滞在歴なし | NHKニュース
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200128/k10012262471000.html


世界中の報道各社が関連するニュースを多数報じたため、新型コロナウイルスは世界的に注目が集まっています。一方、AFP通信は「SNS上で新型コロナウイルスに関する事実無根のデマが多数出回っている」ことを発見。ほとんどが「明白なウソ」と一見してわかるものでしたが、AFP通信は独自にファクトチェックを行って、警告を発しています。

汚染された食品・場所リスト
オーストラリアで2020年1月28日から流行中のデマは、「新型コロナウイルスによって汚染された食品・場所のリスト」。そのデマによると、中国の武漢市内の武昌区産の米だけではなく、フォーチュンクッキー、韓国の農心製のオニオンリング、リプトンのピーチアイスティー、ヨーグルトミルクドリンク、そして和牛などが「武漢に近い地域で保管ないし生産されたため、新型コロナウイルスに汚染されている可能性がある」とのこと。

If you spot anything like what's in this picture on social media, do your duty and repeat the NSW Health mantra: ????*there is no such entity as the "Department of Diseasology Paramatta"*???? https://t.co/PDBUb2VgDq pic.twitter.com/YGujsoA9yz

— Carl Smith (@Carl3Smith)


また、「病原学局」という架空の部署が、オーストラリア・シドニー郊外のローズやバーウッドなどの一部地区で新型コロナウイルスの株を発見したとも記されています。


地元の保健当局はAFP通信に対して、「問題のリストに記載された食品も場所も安全です」とコメントしました。

感染源となった武漢市生鮮市場の映像
2020年1月26日、「新型コロナウイルスの発生源、武漢華南海鮮卸売市場の映像」と題された映像がFacebookに投稿され、コウモリ・ネズミ・巨大なヘビなどが食用で売られていることが確認可能であることから話題を呼んでいます。問題の映像が以下。


しかし、AFP通信はビデオから抽出した画像を画像検索にかけることによって、問題の映像が2019年7月20日にインドネシアの北スラウェシ州ランゴワン市の市場で撮影されたことを特定しました。

武漢市全滅説
スリランカではFacebook上で、「医師が武漢市の全住人がウイルスで死ぬ可能性が高いと予測している」という投稿が出回りました。この投稿について、AFP通信は「新型コロナウイルスに対するワクチンは現時点で開発されていませんが、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)は大半の患者は自力で治癒すると声明を出しています」とコメント。また、この投稿は「新型コロナウイルスは中国の毒ヘビを食べると感染する」とも主張していましたが、これについては証明されていないとのことです。

食塩水で消毒可能
2020年1月23日にWeibo、Twitter、Facebooに複数投稿されたのが、新型コロナウイルスに対する中国保健当局専門家チームを率いている鐘南山氏が、「感染を防ぐためには口を食塩水ですすぐことが有効だと述べた」という内容。


AFP通信によると、中国保健当局の専門家チームは「生理食塩水では新型コロナウイルスを殺菌不可能」と述べ、世界保健機関(WHO)もまた「生理食塩水には新型コロナウイルスの感染を予防してくれる効果はない」とコメントしたとのことです。

アメリカ陰謀説
「新型コロナウイルスはCDCによって意図的に作成された」という主張もFacebookやTwitter上に登場しています。


この投稿は根拠として、いくつかの特許を挙げていました。AFP通信は、これらの特許は「ある種のコロナウイルスに対するワクチンを作るための特許」だと確認しています。

フランスでの感染拡大
ヴァル=ドワーズ県やサヴォワ県などのフランスの一部地域で新型コロナウイルスが流行しつつあるという主張が、AFP通信やフランスのニュースメディアのスクリーンショットとともにいくつかのソーシャルメディア上に登場しました。

AFP通信は、「これらのスクリーンショットはデジタル加工された偽物」だと断じており、この主張内で挙げられている自治体で感染はいまだ確認されていないと報じています。

以上のように世界中のSNS上で誤情報が飛び交っているわけです。こうした中、日本の厚生労働省は新型コロナウイルスに関する一次情報を公式に報じています。

中華人民共和国湖北省武漢市における新型コロナウイルス関連肺炎の発生について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html


1月28日付けの発表によると、日本国内で確認されている感染者は4名。1例目の感染者はすでに全快しており、2例目の感染者もすでに軽快状態。3例目と4例目の感染者の症状は落ち着いているとのことです。

中華人民共和国湖北省武漢市における新型コロナウイルス関連肺炎について(令和2年1月28日版)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_09159.html

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
中国で流行中の新型ウイルス肺炎が「ヒトからヒトへ」感染することが確認される、症例数は数日で3倍以上に - GIGAZINE

中国で感染拡大中の新型コロナウイルスがアメリカに進出、当局は「渡航警戒レベル」を引き上げる - GIGAZINE

フェイクニュースが持つ「人々の注目を集め、偽の記憶を形成する」仕組みとは? - GIGAZINE

ゲームをプレイするだけで「フェイクニュースのワクチン」を接種できることが判明 - GIGAZINE

「フェイクニュースを信じやすいのはなぜか」を心理学の観点から解説、どう対処すればいいのか? - GIGAZINE

in ネットサービス,   動画, Posted by darkhorse_log

You can read the machine translated English article here.