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【訃報】「スパム」など多数の名作で知られる伝説のコメディグループ「モンティ・パイソン」のテリー・ジョーンズ氏死去

by Eduardo Unda-Sanzana

過激なジョークやシュールなコントで世界的に人気を博し、プログラミング言語「Python」の名前の由来にもなったイギリスの伝説的コメディグループ「モンティ・パイソン」のメンバーであるテリー・ジョーンズ氏が2020年1月21日に亡くなりました。77歳でした。

Terry Jones, Monty Python founder and Life of Brian director, dies aged 77 | Film | The Guardian
https://www.theguardian.com/film/2020/jan/22/terry-jones-monty-python-founder-and-life-of-brian-director-dies-aged-77


Farewell dear Terry J. Two down, four to go. Love Terry G, Mike, John & Eric pic.twitter.com/RbVrAAJz2d

— Monty Python (@montypython)


ジョーンズ氏は1942年にウェールズ北部に生まれました。その後、銀行員だった父親の都合でロンドン近郊のサリーで10代を過ごしました。その後、ジョーンズ氏は名門オックスフォード大学に進学して英語学や歴史学を学びながら、コメディサークルに所属して喜劇俳優としても活躍。この時、同じモンティ・パイソンのメンバーとなるマイケル・ペイリンと出会います。

優秀な成績を修めて大学を卒業したジョーンズ氏は、テレビのコメディ番組に出演するコメディアンと、コントの台本を書く放送作家の二足のわらじを履く生活を送ります。その中で、名門ケンブリッジ大学のコメディーサークルで活躍していたグレアム・チャップマンジョン・クリーズエリック・アイドル、そしてアニメーターだったテリー・ギリアムと出会い、6人で制作したテレビ番組が「Monty Python's Flying Circus(空飛ぶモンティ・パイソン)」でした。この番組名から、6人は「モンティ・パイソン」というグループとして知られるようになりました。

イギリスの公共放送局であるBBCで放映された「空飛ぶモンティ・パイソン」は、下ネタや不謹慎な笑い、シュールなスケッチ(コント)、イギリス王室すら笑いものにするような過激なジョークで人気を博しました。特に、プログラミング言語のPythonやスパムメールの語源になるなど、後年のハッカー文化には大きな影響を与えたといわれています。

「空飛ぶモンティ・パイソン」では、ジョーンズ氏は優しそうな紳士から甲高い声を上げるおばさんなど幅広い役柄を演じていました。スパムメールの語源となったスケッチ「スパム」では、ジョーンズ氏はスパムを連呼する食堂のウェイトレスを演じました。

It's that time of year, so here is a GIFt from us to you... Our very own official #montypython GIPHY page: https://t.co/jF6EALvM0K

Why not spam us in the comments with your favourites? pic.twitter.com/VKhgArD22I

— Monty Python (@montypython)


また、番組中では裸のキャラクターを演じることも。特に「空飛ぶモンティ・パイソン」第3シリーズのオープニングに登場した「裸でオルガンを演奏する人」は名物キャラクターとして人気があります。

Now that I think about it, I'm pretty sure Terry Jones and Graham Chapman were the first men I ever saw naked...
I wonder, for how many of us, that's true.

???? RIP pic.twitter.com/06HYrobPXJ

— Mizhak (@Mizhak_Art)



さらに、ジョーンズ氏は演じるだけではなく、映画監督としても活躍。アーサー王伝説をパロディにした「モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル」はジョーンズ氏が初めて監督としてメガホンを握った映画で、自身がオックスフォード大学で学んだ中世イギリス史の知識を生かしているため、「アーサー王伝説を題材にした映画で最も歴史考証が正しい映画」と評されています。

'Monty Python and the Holy Grail' 40th Anniversary Official Trailer - YouTube


また、1979年公開の映画「ライフ・オブ・ブライアン」ではイエス・キリストを題材に扱ったことで、監督のジョーンズ氏をはじめとするモンティ・パイソンは世界中のキリスト教団体から「神を冒とくしている」と批判を受けました。一部では「ライフ・オブ・ブライアン」を上映禁止にした自治体も登場したと伝えられています。

Brian Telling His Followers He Is Not the Messiah - Monty Python's Life of Brian - YouTube


グレアム・チャップマンが1989年に亡くなり、モンティ・パイソンがグループとしての活動を行わなくなると、ジョーンズ氏は脚本を執筆したり映画監督を務めたりするかたわらで、大学の時に学んでいた中世イギリス史の研究も続け、歴史学者としても活躍。また、童話作家としても作品を発表していました。

しかし、「ジョーンズ氏が前頭側頭型認知症による進行性失語症に苦しんでいる」と2016年に報じられて以降は、ジョーンズ氏が表舞台に姿を見せる機会は激減していました。2017年には長年の親友でもあったペイリン氏が「もうジョーンズ氏ははほとんど話すことができない」と明らかにしていました。ジョーンズ氏が息を引き取ったのは2020年1月21日で、詳しい死因は明らかにされていません。

モンティ・パイソンのメンバーで、俳優としても活躍するクリーズ氏はTwitterで「テリー・ジョーンズについて今聞いたばかりだ。あんなに才能があって、無限の熱意がある男がこんなにも穏やかに消えていくのは不思議なものです。彼の業績の中でも私にとって最も素晴らしい贈り物は『ライフ・オブ・ブライアン』の監督だったことだ。完璧だった。2人くたばった、残りは4人」とコメントしています。

Just heard about Terry J

It feels strange that a man of so many talents and such endless enthusiasm, should have faded so gently away...

Of his many achievements, for me the greatest gift he gave us all was his direction of 'Life of Brian'. Perfection

Two down, four to go

— John Cleese (@JohnCleese)


また、同じくモンディ・パイソンのメンバーであるアイドル氏もTwitterで「心から愛されている我が兄弟のテリーへの支援とご意見をありがとうございます。とても残酷で、悲しいことです。しかし、彼が私たちを喜ばせてくれた思い出に浸りましょう」と語りました。

Thank you all for your kind thoughts and messages of support for our dearly beloved brother Terry. It is a cruel and sad thing. But let's remember just what joy he brought to all of us.

— Eric Idle (@EricIdle)

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in メモ, Posted by log1i_yk

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